黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

紅白歌無ベスト10・第8位 (その2)

8位もう1曲。意外に思えますがこれが実に重要曲。

 

8位(タイ)

京のにわか雨

歌: 小柳ルミ子

作曲: 平尾昌晃

作詞: なかにし礼

編曲: 森岡賢一郎

72年8月10日発売/オリコン最高位1位(5週)

 

🅰ツゥイン・ギターズ/ワーナー・ビートニックス (編曲: 原田良一) 21/4/25 

イントロから繊細なギターサウンドが引っ張っていく。例のツゥイン・ギターズらしさは希薄で、自社財産を慎重に扱っているという感じ。

🅱栗林稔 (ハモンド・オルガン)/ワーナー・ビートニックス (編曲: 竜崎孝路) 21/4/30

意表をつくサンタナテイストのラテンロック。他社盤で聴かれる栗林稔印のピアノサウンドも取り入れて賑やかな仕上がり。「ドゥ・イット・アゲイン」に似ているが、同曲より発売が早い!プラスティックオルガンまで聴こえてきそう。

🅲ジャパン・シンフォニー・オーケストラ (編曲: 無記名) 21/5/22

Z級マイナーレーベルのサウンド。シンフォニーと謳ってる割にせこいな、と思わせといて、しっかりストリングスも入ってるし、素性が読みづらい。

🅳ヒット・サウンド・オーケストラ (編曲: 馬飼野俊一) 21/6/13、8/14

原曲の良さを程よく活かしている手堅い仕上がり。好夫タッチとはちょっと違うテクニカルなギターがリードしていく。地味に暴れるピアノも聴き逃せない。

🅴市原明彦 (ドラムス)/ワーナー・ビートニックス (編曲: 原田良一) 21/7/1、21/10/18、21/12/4

ワーナー・ビートニックス3つ目のヴァージョン。これも基本的には従順でありつつ、所々に炸裂するドラムを強調。実は主役はキーボードではないか。

🅵ミラクル・サウンズ・オーケストラ (編曲: 福井利雄) 21/7/7

やっと京琴がイントロに登場。ただ山内さんの音という感じがしない。基本的にオリジナルに忠実なノリ。2コーラスのエフェクトギターが妙味。

🅶秋本薫(テナー・サックス) オールスターズ (編曲: 川上義彦) 21/8/18

ポリドールにしてはせこいサウンド。ドラムの音量が小さいせいか。これもあまり工夫がないな。歌い出しだけオクターブ低いというのは効果的な聴かせ方。

🅷奥田宗宏とブルースカイ・ダンス・オーケストラ (編曲: 岩井直溥) 21/9/11

「今宵踊らん」にしては異例の、原曲に忠実なノリ。イントロをセコくしているのに、同シリーズでは異例の3分越え。例によってブラスアレンジは派手。「心に」のところの3連リズムをしつこく強調してるのが聴きもの。

🅸まぶち・ゆうじろう’68オールスターズ (編曲: 福山峯夫) 21/10/2、22/11/5

クラウンらしい場末ノリ。全然走ってない。これはクラウンのアルバムの中で聴くとたまらなく魅力的なんだけどな。サックスの聴かせ方は秋本薫盤と共通している。

🅹三笠輝彦 (テナー・サックス)/ブリリアント・ポップス77 (編曲: 小谷充) 21/11/25

ワーナー4ヴァージョン目!いくら自社でも推しすぎ!京琴や琴もしっかり入れて、山内さん大活躍。まぶち盤に比べてめちゃ走っているし、自社らしいがんばりぶりだ。

🅺はとりこうじとサウンド・エクスプロージョン (編曲: 藤田はじめ) 21/11/29

炸裂ジャズファンク!空間を切り裂くドラム、黙々と自己主張するワウギター。Bメロで本領を発揮するサックス、そして一貫して意表を突きまくるアレンジ。全ヴァージョン中、これの圧勝は決定だろう。

『ベスト&ベスト 京のにわか雨』

🅻かなり良悟/ダイアモンズ (編曲: 荒木圭男) 21/12/15

結構テンポを上げているけど普通の出来。京琴に音色を近づけているイントロのギターがちょっと耳をとらえる。

🅼ブルーナイト・オールスターズ (編曲: 土持城夫) 21/3/14

これもちょっと違うという感じもあるけど、確実に山内さんを呼んできてる。イントロ最後のシタール的な琴がモロだ。Bメロがオーボエというのもユニーク。

🅽原田寛治 (ドラムス)とオールスターズ (編曲: 前田憲男) 21/4/10

テンポアップしながらビート感を半分にしたアレンジが爽快。例によって、ドラムがめちゃ前面に出たミックス。1コーラス終わった後爆裂ドラムソロ!

🅾山内喜美子 (琴)/キャニオン・オーケストラ (編曲: 小杉仁三) 21/4/19

遂に真打ち登場!イントロを通常の琴で奏でているのに意地を感じる。基本的には忠実なノリながら、余裕でメロをこなす女帝の姿が目に浮かぶ。

🅿︎稲垣次郎 (サックス、フルート)、木村好夫 (ギター)/コロムビア・ニュー・ビート (編曲: 荒川康男) 21/5/1

エレキシタール(印度ギター)が炸裂し、サイケワールドに一直線。これもサンタナ感があるが、栗林盤ほどモロではなく、リヴァーブを深くかまして余計幻惑的世界を醸し出している。

🆀ゴールデン・サウンズ (編曲: 荒木圭男) 21/5/2

🅻と基本的に同じアレンジながら、こちらは確実に山内さんを呼んできている。京琴と他の楽器を絶妙に聴かせ分けるメロディアレンジの演出が見事。意外とドラムが張り切っている。

🆁キャニオン・ポップ・サウンズ (編曲: 馬飼野康二) 21/5/19

恐らく『ダブル・ドラム』が初出のはずの、左右で違うドラムが炸裂するヴァージョン。「ブラック・イズ・ブラック」を意識し、大胆にコードを変えて再構築。特にBメロ後半が凄い。🅳と聴き比べると、兄弟でここまでカラーが変わるのかと驚愕せずにいられない

以上、18ヴァージョン(21枚収録)

おまけ。この人は外せません。

参考。3分半あたりからプラスティックオルガン。

紅白歌無ベスト10・第8位 (その1)

8位は2曲が並んでいますが、まさかの拓郎2連発。そしてのっけから強力ヴァージョン!

 

 

8位(タイ)

襟裳岬

歌: 森進一

作曲: 吉田拓郎

作詞: 岡本おさみ

編曲: 馬飼野康二

74年1月15日発売/オリコン最高位6位

 

🅰ザ・サウンズ・エース/ジェイク・コンセプション (テナー・サックス) (編曲: 池多孝春) 21/4/9、22/3/24

いきなり真打ち登場!イントロ7小節目で炸裂するメロトロンコーラスに眩暈!軽めにこなされるサックスのファンキネスとのアンバランスで、一気に異次元に連れて行かれる。あと、地味に2コーラスAメロ最後のオルガンのちょいフェイクが憎めない。竜崎盤「ひとりっ子甘えっ子」と並ぶ、我が歌無歌謡哲学を固定させた名ヴァージョンだ。果たしてあと17ヴァージョンまともに聴けるのか?

『ヒット速報』(75年3月盤)

🅱ゴールデン・ポップス (編曲: 山屋清) 21/4/22

山屋清アレンジなのに…(アルバムの他の曲ではメロトロンが炸裂している) ギター、フルートを中心にさっぱり風味で終わっている。まぁ、おまけだろう(🅹参照)

🅲村岡実 (尺八)、山内喜美子 (琴、京琴)/ミラクル・サウンズ・オーケストラ (編曲: 福井利雄) 21/5/20

イントロから大胆な和風テイスト(でもよく聴くとフルートとマンドリン)、しかし尺八がリードし始めると実に無国籍でマジカル。ミラクルサウンズらしい奥行きある音作り。

🅳豊岡豊とスイング・フェイス (編曲: 鈴木宏昌) 21/5/31

名門バンドも原曲をそれほど崩していない。ゴージャスなブラスアレンジが当時の歌番組の雰囲気を再現している。コルゲンらしいジャジー感覚がエレピの演奏に現出。

🅴吉岡錦正・吉岡錦英とオーケストラ (編曲: 佐香裕之) 21/6/4

イントロのキーが高くてちょい違和感。大正琴を聴かせるにはちょうどよかったんだろうけど。60年代録音のような攻め感覚がなくあっさり風味。

🅵グランド・シンフォニー・オーケストラ (編曲: 無記名?) 21/8/5

こちらも大正琴をフィーチャー。マイナーレーベルにしては気合が入ったストリングスアレンジだ。ただ、🅴と比較すると大正琴の響きがせこいし、サビで1オクターブ落ちるのにしらけ、🅴の処置は正しかったとしか言えない。

🅶ホット・エキスプレス (編曲: 斎藤恒夫) 21/8/12、12/31

普通に始まり普通に進む。こういう演奏だと強烈にメロトロン欠乏症が…(汗)。

🅷ニュー・サン・ポップス・オーケストラ feat. T. Jeorge (編曲: T. Hanaoka) 21/8/29

イントロがサックスで演奏されているのが異例。高野ジョージ氏の気合の見せ所を感じる。珍しく転調して3コーラス目まで演奏。ただ、国文社のヴァージョンとして聴くと面白くないな。

🅸サウンド・オブ・ドゥリーマース (編曲: 小谷充) 21/10/8

フォークのコンピに収録されているので(でもビクター自社だし)、原曲に忠実なアレンジの割にドラムが強調されていてユニーク。ハーモニカの音がリコーダーを幻聴させる。メロトロンズと同じ年&レーベルの小谷氏仕事(だからどうした)

🅹ジョー&ホットベビーズ (スキャット)/ゴールデン・ポップス (編曲: 山屋清) 21/10/11

🅱とオケは同じ(恐らくこちらが先だろう)だが、唸りまくるスキャットマンをフィーチャーしての異色ヴァージョン。原曲の味故に、アルバムの他の曲ほどの変態感覚は感じない。女性コーラスも原曲に近く、地味に支える。

🅺吉岡錦正 (大正琴)/ブルー・サウンズ・オーケストラ (編曲: 池多孝春) 21/11/10

3つ目の大正琴ヴァージョン。メロトロン盤とアレンジャーが同じながら、微妙に芸風を変えてきているし、イントロはヴァイオリンが演奏。こちらはサビで1オクターブ落とさずに済むぎりぎりまで、キー変更を抑えている。

🅻クリスタル・サウンズ (編曲: 土持城夫) 21/11/15、22/2/2

クリスタルらしいあっさり風味で、ヤマもなく進行。ここまで軽音楽に徹してくれた方がむしろ潔い。アルバムの片面に10曲収録していた頃とは思えないフルコーラス演奏。

🅼TBSニュー・サウンド・オーケストラ (編曲: 無記名) 21/12/17

よく聴くと🅵とトラックが同じ(イントロ3小節目のコードがIであるのが特徴的)だが、主旋律がサックスに置き換えられている(まぁこっちが先だろう。故にあちらの息苦しさも納得)。サックスの咽び泣き方がいかにも森進一、という感じ。

🅽田中清司 (ドラムス)/オーケストラ名義未記載 (編曲: 無記名) 22/1/14

唯一、原曲を大幅に逸脱したアレンジを聴かせるヴァージョン。モーグをフィーチャーしてファニーなサウンド、ちょっぴりレゲエの影響も。ただ、これを一番面白いアレンジだと簡単に言いづらいんだよね。

🅾見砂直照とスーパースター’75 (編曲: 金井陽一) 22/2/3

またも名バンドリーダーがありふれた解釈の罠にはまっている…面白くなさそうに弾いているピアニスト(よく聴くと2人いる)の姿が思い浮かぶ。

🅿︎奥田宗宏とブルースカイ・ダンス・オーケストラ (編曲: 高野志津雄) 22/4/29

「今宵踊らん」らしいムーディなワルツの解釈。これはダンス音楽として、素直に接するしかないでしょう。

🆀ボビー佐野 (アルト・サックス)/オーケストラ名未記載 (編曲: 池多孝春) 22/5/11

イントロがヴァイオリンということは🅺のアレンジを使い回しということだな。手堅くサックスが咽び泣くヴァージョン。メロトロンはいずこ…

🆁まぶち・ゆうじろう’74オールスターズ (編曲: 小杉仁三) 22/11/2

王道中の王道、と思いきやイントロのメロディーをちょっといじってたりして、油断を許さない。最後はこれでよろしい。

 

以上、18ヴァージョン(21枚収録) 厳密に言えば、メロトロンヴァージョンは紹介していない盤2枚(+カセット1本)を所持しているので、こちらを単独8位にすべきでした(汗)

おまけ: これは相当後になってからの録音のはず。

 

紅白歌無ベスト10・第10位

それでは、いよいよカウントダウン開始します。

 

10位

旅の宿

歌/作曲: 吉田拓郎

作詞: 岡本おさみ

72年7月1日発売/オリコン最高位1位(5週)

 

🅰ツゥイン・ギターズ/ワーナー・ビートニックス (編曲: 原田良一) 21/4/25 

ツゥイン・ギターズらしいユニークなイントロがついている、実に特性がよく出たヴァージョン。通俗的なムードがありつつ、カントリー・タッチが感じられるのが異色。

🅱ヒット・サウンド・オーケストラ (編曲: 馬飼野康二) 21/6/13、8/14

スタンダードな感じだが、このパーカッションの音が妙に耳に残る。奔放なピアノ・サウンドも良い。

🅲ミラクル・サウンズ・オーケストラ (編曲: 福井利雄) 21/7/7

これもスタンダードな感じで、イントロのトランペットがソフトな印象。鍵ハモのブレスが生々しく、いかにもミラクルサウンズ。

🅳秋本薫(テナー・サックス) オールスターズ (編曲: 川上義彦) 21/8/18

地味にこじんまりとまとまっている。電気ハープシコードが独特の響き。

🅴HARVEST ORCHESTRA (編曲: 無記名) 21/8/30

75年の録音と思われるので、ちょい進んだ響き。泥臭さを消化しつつも場末感がある。

🅵奥田宗宏とブルースカイ・ダンス・オーケストラ (編曲: 岩井直溥) 21/9/11

出た!「今宵踊らん」!大舞踏会の世界にイケイケモードで滑り込み、ロマンチシズムのかけらもない。それもまた良い。

🅶ありたしんたろうとニュービート (編曲: 福山峯夫) 21/10/2、22/11/5

激しいドラムに始まり、テンポを落としつつもロック度の高いアレンジ。随所でドラムソロが弾けまくる。

🅷サウンド・オブ・ドゥリーマース (編曲: 小谷充) 21/10/4

これも74年録音なのでピーク後の解釈。イントロの構造を変えてドリーミーに仕上がっている。口笛をフィーチャー。一瞬メロトロン的な音も入っているが、本物のトロンボーンかも。

🅸ザ・フォーク・ライダーズ (編曲: 無記名) 21/10/22、22/3/24

イントロのメロディーがちょっとだれる感じで、バックに入っているフルートがこれまたメロトロンっぽい響きだが、グリッサンドで本物と解る。これもピークを過ぎてからの録音だろう。けだるい。

🅹三笠輝彦 (テナー・サックス)/ブリリアント・ポップス77 (編曲: 小谷充) 21/11/25

こちらはリアルタイムに近い録音だが、基本アレンジは🅷とほぼ同じなのでそちらは使い回しだろう。ワーナーにしては保守的仕上がり。

🅺ニュー・サン・ポップス・オーケストラ (編曲: K.Kono or T.Ito) 21/12/2

『フォーク・ムード』のカラーを象徴する異色ヴァージョン。ムーディに始まり終始期待を爽快に裏切って進行する。フルートがアンニュイに響き、エンディングで過激に炸裂する。

『フォーク・ムード』

🅻小泉幸雄とクインテット (編曲: 小泉幸雄) 22/1/6

チージーなオルガン…と思いきや、鍵ハモを大フィーチャー。この寂れた感じがやはりこの曲にお似合い。

🅼はちの巣 (編曲: 宮本光雄) 22/1/24

アレンジ的に最も正統派に近い…が、ちょっと外したようなオカリナの響きが妙に乙女度が高く、転調してからはリコーダーにバトンタッチ。中学生ロマン的感触。

🅽ブルーナイト・オールスターズ (編曲: 土持城夫) 22/3/14

テンポが落ちて真っ当に気怠い響き。フルートが妙に乙女っぽい。『フォークの旅』(🅴)でリサイクルされなかったのは正解。

🅾山内喜美子 (琴)/キャニオン・オーケストラ (編曲: 小杉仁三) 22/4/19

妙にファンキーなオルガン入りのイントロから山内さんが華麗に舞い始める、不思議な和風情緒を感じさせる名解釈。

🅿︎稲垣次郎 (サックス、フルート)/コロムビア・ニュー・ビート (編曲: 荒川康男) 22/5/1

イントロの感じ、一瞬「今宵踊らん」かと思った。レイジーなラテン色に包まれてフルートがアンニュイに響く。パーカッションが孤高に自己主張

🆀ゴールデン・サウンズ (編曲: 荒木圭男) 22/5/2

普通。それにしてもこの曲、やたらフルートが使われる傾向があるけれど、煤気の簪的イメージがあるのだろうか?

 

以上、17ヴァージョン(19枚収録)

年末はあのシーズン! 紅白歌無ベスト10開催&圏外一気に発表!

さて、師走ということで突如一時的復活です。

昨年も途中経過を発表しましたが、11月までに語った458枚の歌無歌謡レコードの中で、最も取り上げられた曲をカウントダウンします。まずは100~11位、ベスト10圏外に留まった名曲をどどっと紹介。あの大ヒット曲が意外に順位が下だったり、まさかの曲がランクインしてたり、リアルタイム以外のヴァージョンが効力を発揮していたり…これらは全て、相対的というより自分が集められた範囲内に起因するものなので、あくまでも参考程度に留めて下さい。なお、☆は筒美京平作品を表します。ここまで圧倒的な強みを発揮したのに…あっと驚く結果は明日以降をお楽しみに。

 

98位(タイ) 

危険なふたり [沢田研二] (73/#1) 9ヴァージョン/13枚

傷つく世代 [南沙織]☆ (73/#3) 9ヴァージョン/13枚

夜空 [五木ひろし] (73/#4) 9ヴァージョン/13枚

 

95位(タイ) 

心のこり [細川たかし] (75/#1) 9ヴァージョン/14枚

津軽海峡冬景色 [石川さゆり] (77/#6) 9ヴァージョン/14枚

我が良き友よ [かまやつひろし] (75/#1) 9ヴァージョン/14枚

 

88位(タイ) 

雨の御堂筋 [欧陽菲菲] (71/#1) 10ヴァージョン/10枚

いいじゃないの幸せならば [佐良直美] (69/#2) 10ヴァージョン/10枚

この広い野原いっぱい [森山良子] (67/記録なし) 10ヴァージョン/10枚

人形の家 [弘田三枝子] (69/#1) 10ヴァージョン/10枚

波止場女のブルース [森進一] (70/#2) 10ヴァージョン/10枚

まごころ [森山良子] (69/#8) 10ヴァージョン/10枚

水色の恋 [天地真理] (71/#3) 10ヴァージョン/10枚

 

83位(タイ) 

今日からひとり [渚ゆう子]☆ (72/#38) 10ヴァージョン/11枚

グッド・ナイト・ベイビー [ザ・キング・トーンズ] (68/#2) 10ヴァージョン/11枚

結婚しようよ [吉田拓郎] (72/#3) 10ヴァージョン/11枚

年上の女 [森進一] (68/#4) 10ヴァージョン/11枚

ハチのムサシは死んだのさ [平田隆夫とセルスターズ] (72/#8) 10ヴァージョン/11枚

 

78位(タイ) 

漁火恋唄 [小柳ルミ子] (72/#3) 10ヴァージョン/12枚

長崎から船に乗って [五木ひろし] (71/#4) 10ヴァージョン/12枚

二人でお酒を [梓みちよ] (74/#11) 10ヴァージョン/12枚

ふるさと [五木ひろし] (73/#11) 10ヴァージョン/12枚

芽ばえ [麻丘めぐみ]☆ (72/#3) 10ヴァージョン/12枚

夜汽車の女 [五木ひろし] (72/#21) 10ヴァージョン/12枚

 

76位(タイ) 

お祭りの夜 [小柳ルミ子] (71/#2) 10ヴァージョン/13枚

くちべに怨歌 [森進一] (73/#14) 10ヴァージョン/13枚

 

74位(タイ)

うそ [中条きよし] (74/#1) 10ヴァージョン/14枚

昭和枯れすゝき [さくらと一郎] (74/#1) 10ヴァージョン/14枚

 

72位(タイ) 

君の誕生日 [ガロ] (73/#1) 10ヴァージョン/15枚

恋する夏の日 [天地真理] (73/#1) 10ヴァージョン/15枚

 

65位(タイ) 

命預けます [藤圭子] (70/#3) 11ヴァージョン/11枚

女のねがい [宮史郎とぴんからトリオ] (72/#2) 11ヴァージョン/11枚

恋の風車 [チェリッシュ]☆ (74/#3) 11ヴァージョン/11枚

さすらいの天使 [いしだあゆみ]☆ (72/#18) 11ヴァージョン/11枚

白い蝶のサンバ [森山加代子] (70/#1) 11ヴァージョン/11枚

ともだち [南沙織]☆ (72/#7) 11ヴァージョン/11枚

(圭子の)夢は夜ひらく [園まり/藤圭子] (藤: 70/#1) 11ヴァージョン/11枚

 

61位(タイ) 

噂の女 [内山田洋とクール・ファイブ] (70/#2) 11ヴァージョン/12枚

かもめ町みなと町 [五木ひろし]☆ (72/#11) 11ヴァージョン/12枚

恋の奴隷 [奥村チヨ] (69/#2) 11ヴァージョン/12枚

若者たち [ザ・ブロードサイド・フォー] (66/記録なし) 11ヴァージョン/12枚

 

56位(タイ) 

愛する人はひとり [尾崎紀世彦]☆ (71/#2) 11ヴァージョン/13枚

悪魔がにくい [平田隆夫とセルスターズ] (71/#1) 11ヴァージョン/13枚

雲にのりたい [黛ジュン] (69/#4) 11ヴァージョン/13枚

白いギター [チェリッシュ] (73/#5) 11ヴァージョン/13枚

ひとりっ子甘えっ子 [浅田美代子]☆ (73/#10) 11ヴァージョン/13枚

 

55位

夫婦鏡 [殿さまキングス] (74/#1) 11ヴァージョン/16枚

 

54位

裸のビーナス [郷ひろみ]☆ (73/#2) 11ヴァージョン/17枚

 

53位

北の宿から [都はるみ] (75/#1) 11ヴァージョン/20枚

 

48位(タイ) 

恋人 [森山良子] (70/#4) 12ヴァージョン/12枚

知床旅情 [加藤登紀子] (70/#1) 12ヴァージョン/12枚

涙の季節 [ピンキーとキラーズ] (69/#1) 12ヴァージョン/12枚

フランシーヌの場合 [新谷のり子] (69/#4) 12ヴァージョン/12枚

雪あかりの町 [小柳ルミ子] (72/#5) 12ヴァージョン/12枚

 

42位(タイ) 

愛して愛して [伊東ゆかり] (69/#17) 12ヴァージョン/13枚

あなた [小坂明子] (73/#1) 12ヴァージョン/13枚

粋なうわさ [ヒデとロザンナ]☆ (69/#13) 12ヴァージョン/13枚 

終着駅 [奥村チヨ] (71/#3) 12ヴァージョン/13枚

みんな夢の中 [高田恭子] (69/#17) 12ヴァージョン/13枚

わたしの城下町 [小柳ルミ子] (71/#1) 12ヴァージョン/13枚

 

41位

君は心の妻だから [鶴岡雅義と東京ロマンチカ] (69/#5) 12ヴァージョン/14枚

 

40位

十五夜の君 [小柳ルミ子] (73/#8) 12ヴァージョン/16枚

 

39位

神田川 [かぐや姫] (73/#1) 12ヴァージョン/17枚

 

38位

心もよう [井上陽水] (73/#7) 12ヴァージョン/18枚

 

37位

シクラメンのかほり [布施明] (75/#1) 12ヴァージョン/22枚

 

34位(タイ) 

悲しみは駆け足でやってくる [アン真理子] (69/#4) 13ヴァージョン/13枚

涙の中を歩いてる [いしだあゆみ]☆ (69/#10) 13ヴァージョン/13枚

花嫁 [はしだのりひことクライマックス] (71/#1) 13ヴァージョン/13枚

 

33位

さよならをもう一度 [尾崎紀世彦] (71/#2) 13ヴァージョン/16枚 

 

32位

虹をわたって [天地真理] (72/#1) 13ヴァージョン/18枚 

 

27位(タイ) 

雨のエア・ポート [欧陽菲菲]☆ (71/#4) 14ヴァージョン/14枚

純潔 [南沙織]☆ (72/#3) 14ヴァージョン/14枚

七色のしあわせ [ピンキーとキラーズ] (69/#4) 14ヴァージョン/14枚

ふたりは若かった [尾崎紀世彦]☆ (72/#11) 14ヴァージョン/14枚

ブルー・ライト・ヨコハマ [いしだあゆみ]☆ (68/#1) 14ヴァージョン/14枚

 

26位

よこはま・たそがれ [五木ひろし] (71/#1) 14ヴァージョン/15枚

 

25位

ちいさな恋 [天地真理] (72/#1) 14ヴァージョン/16枚

 

23位(タイ) 

女のみち [宮史郎とぴんからトリオ] (72/#1) 14ヴァージョン/17枚

ひとりじゃないの [天地真理] (72/#1) 14ヴァージョン/17枚

 

20位(タイ) 

哀愁のページ [南沙織]☆ (72/#3) 14ヴァージョン/18枚

なみだ恋 [八代亜紀] (73/#12) 14ヴァージョン/18枚

胸いっぱいの悲しみ [沢田研二] (73/#4) 14ヴァージョン/18枚

 

19位

草原の輝き [アグネス・チャン] (73/#2) 14ヴァージョン/20枚 

 

17位(タイ) 

恋の追跡 [欧陽菲菲]☆ (72/#5) 15ヴァージョン/16枚

別れの朝 [ペドロ&カプリシャス] (71/#1) 15ヴァージョン/16枚

 

15位(タイ) 

さすらい人の子守唄 [はしだのりひことシューベルツ] (69/#17) 15ヴァージョン/17枚

長崎は今日も雨だった [内山田洋とクール・ファイブ] (69/#2) 15ヴァージョン/17枚

 

14位

なみだの操 [殿さまキングス] (73/#1) 15ヴァージョン/18枚

 

13位

くちなしの花 [渡哲也] (73/#4) 15ヴァージョン/20枚

 

12位

夜汽車 [欧陽菲菲]☆ (72/#5) 15ヴァージョン/21枚 

 

11位

夜明けのスキャット [由紀さおり] (69/#1) 17ヴァージョン/18枚

 

というわけで続きは明日より10日間、所有全ヴァージョンをまとめて振り返るという趣向にてお送りします!丁度CD1枚分に収まる分量で、コンピレーションと考えるとなかなか気持よく接せそうです。普通の人にとっては拷問でしかなさそうですが(汗)…乞ご期待!

和泉雅子さんの誕生日は7月31日

東芝 TP-7164

フォーク・ベスト・ヒット

発売: 1967年

ジャケット

A1 想い出の渚 (ザ・ワイルド・ワンズ) 🅶

A2 旅人よ (加山雄三) 🅱

A3 この手のひらに愛を (ザ・サベージ) 🅲

A4 いつまでもいつまでも (ザ・サベージ) 🅵

A5 バラが咲いた (マイク真木) 🅴

A6 バラのためいき (ジョニー・ティロットソン)

B1 星空の二人 (山内賢和泉雅子)

B2 青い瞳 (ジャッキー吉川とブルー・コメッツ) 🅱

B3 夕陽が沈む (フォア・ダイムズ)

B4 心の海 (加山雄三)

B5 赤いつるバラ (梓みちよ)

B6 若者たち (ザ・ブロードサイド・フォー) 🅺

 

演奏: ザ・シングアウターズ

編曲: 川口真

定価: 1,500円

 

楽しかったアンコール月間も、あっという間…次なる復活に向けてしばし冬眠に入りますが(ええ、命果てるまで永久封印はありません!)、それまでささやかに、フォーク・ムードで乾杯といきましょう。「音楽?それはもちろんエレキ!」って、言っちゃった後ではあるけどまだまだ先のお話!

まだ歌無歌謡の黄金律が確立される前、ここまで育まれた「軽音楽」の方法論でフォーク、和製ポップスを料理してみせた貴重なアルバム。当然、GSという現象勃発まであと一歩ではあったが、結果的にGSに属することになる作品もいくつか取り上げられ、日本ポップスの曙といった作品集に仕上げられている。解説を書いているのが桜井ユタカ氏というのが意外だが(やはり自分内ではソウル専の人という印象…「レコード・マンスリー」のシングル盤評でコンスタントにリンゴ・スターをディスってた人というおまけの印象もあり、案の定このライナーにはビートルズのビの字もない)、当時の和製ポップスを取り巻く事情が的確に説明されており、ブルコメやスパイダース、エミー・ジャクソンは「アメリカン・ポピュラー・ソングの系統」だったとのこと。やがてカップスやモップスが出てきて、この図式が崩壊するわけだが(汗)、一方にワイルド・ワンズ、サベージ等のフォーク・ロックの系統があったとなっている。こちらはフォークルの登場で図式が崩れるまで、約1年を要したわけだ。

それにしてもGSの喧騒がまだまだ遠い未来のような、長閑な音に溢れたアルバム。そこまでギターの音が強調されているわけではなく、「想い出の渚」を聴くと、静かに刻まれるギターとウッドベースに、鍵ハモ、ヴァイブ、フルート、オルガン、鉄琴といった親しみやすい楽器が絡んでいく。控えめに鳴っている割にブレスが顕なフルートに、快活なお嬢さんの姿が見え隠れ。「旅人よ」は主旋律がクラリネットオーボエで奏でられ、高貴なイメージ。それらに鍵ハモやオルガンで重厚にハモリが加えられ、得体の知れない響きを醸し出す。素朴ながらなかなか斬新なアレンジ。ストリングスやけたたましい楽器を使用するのは避けて、あなたにも演奏に加われますよと優しく諭す感じだ。それこそが、音楽を楽しむ基本。喫茶店に集まってレコードを聴きながらおしゃべりを楽しんだら、楽器を持って広い草原にひた走り。そんな青春が欲しかった。切ない。さすがに「青い瞳」「夕陽が沈む」には派手にドラムを入れるのは避けられなかったが、素朴な音の組み立てと妙なコントラストを描いていて面白い。やはりこの辺になると、ギターも相当強い演奏をしているし、バスクラがファズベース的な響きをもたらしているのも異色。「赤いつるバラ」にはリヴァーブ成分の強い声を入れて、まるでメロトロン的な効果をあげている。やはり大団円は「若者たち」。この曲がラストに配されたアルバムはこれで4枚目だ(12枚中)。意外に少ないけど、当ブログ内では単独トップではないか。この世界が、2年後には『フォーク・ルネッサンス』(昨年5月27日)へと転生するのだから恐ろしい。

 

というわけで、次なる浮上はいつになるかまだ読めないですが、一応年末にはそれらしい企画を携えて復活を予定していますのでお楽しみに…

原田知世さんの誕生日は昨日

アポロン KSF-1389 (カセット)

ポップス&ニューミュージック ヒットメロディー20

発売: 1983年

関連画像

A1 天国のキッス (松田聖子) 🅲

A2 美貌の都 (郷ひろみ)

A3 1/2の神話 (中森明菜) 🅲

A4 心こめて愛をこめて (あみん) 🅱

A5 ピエロ (田原俊彦) 🅱

A6 速達 (ばんばひろふみ)

A7 セカンド・ラブ (中森明菜) 🅱

A8 初恋 (村下孝蔵) 🅱

A9 晴れのちBLUE BOY (沢田研二) 🅱

A10 ボディ・スペシャルII (サザンオールスターズ) 🅱

B1 時をかける少女 (原田知世) 🅲

B2 ミッドナイト・ステーション (近藤真彦) 🅱

B3 う、ふ、ふ、ふ、 (epo) 🅲

B4 MY MARINE MARILYN (山本達彦) 🅱

B5 め組のひと (ラッツ&スター)

B6 通りすぎた風 (高田みづえ) 🅱

B7 19:00の街 (野口五郎) 🅱

B8 秘密の花園 (松田聖子) 🅲

B9 夏女ソニア (もんたよしのり大橋純子) 🅱

B10 Sing A Song (松山千春) 🅲

 

演奏: ニュー・ポップス・オーケストラ

編曲: 無記名

定価: 2,500円

 

大団円(仮)を翌日に控え、やっとのことで老舗テープメーカー、アポロンが黄昏みゅうぢっくに初登場!歌無歌謡の歴史を語る際、このレーベルの業績を無視できますか。レコード「も」発売し始めたのは80年のことだが、それに至るまで日本の音楽テープ業界をポニーと共に支えた重要レーベルで、特に渡辺プロダクションとの提携で、レコード会社の壁を越えた夢の企画をコンスタントに市場に送り、ドライヴァーを中心とするテープ愛好者層の支持を着実に集めた。78年までは、それまで渡辺プロが資本提携していたワーナー=パイオニアとの強固な関係により、その豊富な洋楽カタログのテープ発売権を独占。クイーンのテープ独自企画『クイーンのすべて』など、伝説のリリースもいくつかあり。そんなこともあって、71~73年にはワーナー・ビートニックスの音源をテープで出していたけれど、それ以前とそれ以後に扱っていた歌無歌謡音源は独自企画中心で、他では聴けないものが多い。当然レコードやCDでは聴けないし、サム・テイラーや木村好夫のポニー録音みたいにサブスクに乗る気配もない。根気強くテープを探すしかないのだ。ありふれた音源のはずなのに、なかなか巡り合わないものである。そのうちのいくつかを、父のカーステレオやら他の機会に耳にした記憶はあるのに…

辛うじて、80年代のものが2本手に入ったが、3ヶ月ルールに則り、とりあえずこの83年版を紹介。ジャケ裏にも明記されている通り、ピュアカラオケ版が次の番号で同時発売されており、完全にカラオケ対応の伴奏があることを前提に作られた作品だけど、このメロディーの乗せ方を聴くとどこに需要があったのかという疑問が湧く。トップの天国のキッス、多少もたつき気味の演奏に、ちょっと色気を出してみましたという感じのサックスが被さり、場末絶頂期の歌無歌謡が放ったオーラは皆無。所々妙なコードが混じっている感触があり、カラオケ前提の割に気が抜けた感じが否めない。2コーラス目でサックスが大幅にメロディーを逸脱したアドリブを展開するのも落ち着かない展開で、やはり70年代の曲とは勝手が違う、ってイメージを助長する。2曲目、中島みゆき筒美京平という異色コンビによる「美貌の都」も、メロディーを奏でるギターが色気出しすぎって感じだけど、クラリネットアコーディオンが配されたバッキングや、間奏に登場するねーちゃんの声など安堵要素もあり。「心こめて愛をこめて」は、純情たっぷりの東芝盤には負けるが、アコーディオンが主旋律を奏で、はりきっている。「速達」なんて忘れていた曲だけど、プリンス「セブンティーン・デイズ」より…早いんだな(汗)。「晴れのちBLUE BOY」は、よくよく聴くとオリジナルのオケを流用してる。これはアポロンの特権だな…妙なコーラスが目立つポニー版とは一味も二味も違うね。主旋律を弾くギターが完全に負けちゃってるが。ナベプロ系の曲は今回これ1曲だけか…

このテープの珍演大賞は、悲しいけれど時をかける少女に決定。オリジナルのキーなのはいいけれど、ムーディに歌い始めるサックスが、Bメロが始まった途端やる気のない演奏に転じ興醒め。と思えば2コーラス目でアドリブかましに転じ、余計オリジナルの美学を破壊している。フルートかリコーダーで演った方がよかったのに…やっぱ、駆け出しの頃から原田知世は非凡な歌手だったことを、改めて再認識。フュージョン志向のメロディーこなしと不釣り合いな「カラオケ前提」アレンジが歌無歌謡のカラフルなパレットを奪っていったのかと、しみじみ悲しい気分にさせる1本。74~79年のアポロンのテープ、情熱の限り探していきますので高騰化はやめてね(汗)!

今日は大口ヒロシさん (ザ・テンプターズ)の誕生日なので

コロムビア ALS-4377

ゴールデン・ヒット・メロディ 第5集

発売: 1968年11月

ジャケット

A1 思案橋ブルース (中井昭・コロラティーノ) 🅴

A2 愛の香り (布施明) 🅴

A3 シー・シー・シー (ザ・タイガース)

A4 エメラルドの伝説 (ザ・テンプターズ) 🅲

A5 星を見ないで (伊東ゆかり) 🅷

A6 花と蝶 (森進一) 🅸

A7 星が降るまで (ヴィレッジ・シンガーズ)

A8 すてきなファーニー (佐良直美) 🅱

B1 愛のさざなみ (島倉千代子) 🅳

B2 小さなスナック (パープル・シャドウズ) 🅴

B3 恋のときめき (小川知子) 🅸

B4 太陽は泣いている (いしだあゆみ) 🅱

B5 花のヤング・タウン (ザ・ワイルド・ワンズ) 🅱

B6 草原の輝き (ジャッキー吉川とブルー・コメッツ)

B7 霧にむせぶ夜 (黒木憲) 🅴

B8 青い月夜 (奥村チヨ) 🅱

 

演奏: ゴールデン・スターズ

編曲: 大西修

定価: 1,500円

 

おお、ファンタジック・ガール…このサイケ感覚溢れるジャケ、メインストリームのタンジェリン・ズーの国内盤LPにも採用されていたあのタッチそのものじゃないか!で、帯をずらしてみたらクレジットが確認できた。このカヴァー・ガール、R. Asoって麻生レミ!? 裏の写真を見たら、もろそうだ。フラワーズのデビュー・シングル「ラスト・チャンス」が出たのはこれの2ヶ月後なので、ちょい早いステマか。しかし、流れてきた音にはサイケのサの字もない。いつもの通りのゴールデン・スターズのまったりとした響き。この場末感が、当時最先端のレジャーにぴったりはまっていたわけで。極度にサイケなことをするのは「危険分子」に限られていたわけなんですな。幸せな時代だったのか、不幸な時代だったのか。いずれにせよ、人を傷つけることはよくない。

ピースフルに68年のサウンドを展望できる1枚だけど、スタートは思案橋ブルース」で手堅く。この夜のスナック・ムードをそのままに、やっとレコード盤でライブラリーに仲間入りする(CDは持っていたが)「シー・シー・シー」へと突入するが、やはりもたつきが目立つなぁ。特にベースが。かっちりしたGSノリで奏でられないGS曲には煮え切らない印象しかないし、なんか特別な味付けを加えてくれないとね。「星が降るまで」は、新興のソニーに送り出されるヴィレッジへの挽歌のように聴こえる。B面は、「愛のさざなみ」というさらなる期待曲からスタートするけれど、これだけ気を抜かれると落ち着かないし、テディー坂口のヴァージョンの方に思い切りのよさという点で軍配をあげたい。で、「太陽は泣いている」の方は意外とこけていない、というかめちゃ出来がいいのでなおも不思議だ。チージーな響きでさえも一応雰囲気が出せてしまう楽曲の魔力を感じる。「花のヤング・タウン」もなかなかがんばっているし。「草原の輝き」も意外に初登場…アグネスの曲の方は14回も出てきているのにね。マリンバが大活躍する雄大なヴァージョンだ。ファンタジックな色をうまく出した「青い月夜」で円満にお開き。これも大ちゃん作品だ。

11月28日誕生日と言えばあの人でしょうがって…ええ、明日に温存しておきましたよ。