コロムビア ALS-4559
ギターの秘密 この広い野原いっぱい/初恋の人に似ている
発売: 1971年3月
A1 この広い野原いっぱい (森山良子)
A2 白いブランコ (ビリー・バンバン)
A3 空よ (トワ・エ・モア)
A4 希望 (岸洋子)
A5 夏よおまえは (ベッツイ&クリス)
A6 風 (はしだのりひことシューベルツ) 🅱
A7 別れのサンバ (長谷川きよし)
B1 初恋の人に似ている (トワ・エ・モア)
B2 小さな日記 (ザ・フォー・セインツ)
B4 恋人 (森山良子)
B5 白い色は恋人の色 (ベッツイ&クリス)
B6 或る日突然 (トワ・エ・モア) 🅱
B7 若者たち (ザ・ブロードサイド・フォー)
演奏: ロス・ガートス
編曲: 甲斐靖文
定価: 1,500円
ど演歌の翌日にどフォーク!この急展開がたまりませんね。歌無歌謡的に目ぼしい出来事がない(オリコン1位曲「夜明けの停車場」と「サウスポー」は、他の日に割当て済)今日ですが、「日本ダービー記念日」ということで、ちょっと無茶ながら競馬をテーマにした「走れコウタロー」を収録したこのアルバムを紹介。大好きな1枚です。思い入れが強過ぎて、2017年に宗内の母体監修・選曲でリリースした、コロムビアの女性フォークを中心としたコンピレーションCD『コロムビア・ガールズ伝説 FOLKY & ELEGANCE』のジャケットデザインをイラストレーターのキタサコさんにお願いした際、コロムビアの偉大なる遺産にリスペクトを表するため、このアルバムのジャケットの要素をどこかに滑り込ませて欲しいと提案。ちゃんと、さりげなくも実現していただきました。さて、どこにあるでしょう?お持ちの方は探してみて下さいね。
ギター主体のアルバムを他にも幾つかリリースしている謎のユニット、ロス・ガートスの演奏で、66~70年のフォーク黎明期の名曲を集めたアルバム。シンプルなサウンドでまとめられ、耳に入ってくる音は各種アコースティック・ギターとパーカッション、さりげないベースのみ。それでいて、エコー処理により独特の心地よい音像を作り、聴いていて落ち着ける流れが形成されている。ギター演奏そのものもここぞとばかり暴走してしまうような要素が一切なく、それでいて妥協を許さないストイックな響き。「空よ」や「希望」などで使用されているタブラが、余計に孤高の雰囲気を高めている。問題の「走れコウタロー」は無茶に奇をてらったところを狙わず、ノヴェルティ感を適度に保ったアレンジで全体の流れから浮いていない。終盤、超絶に加速していく演奏は見事としか言えない。一切無駄を省いた地球に優しい響きのアルバムは、そう簡単に作れるものではありません。かと言って、単なるニューエイジに堕ちてしまわないのは、さすがに楽曲の強さのおかげですね。
探してみて下さいねと言いつつ、貼ってしまう(汗)