黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は美川憲一さんの誕生日なので

クラウン GW-5047

釧路の夜 魅惑のスチール・ギター・ムード

発売: 1968年10月

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ジャケット



A1 釧路の夜 (美川憲一)

A2 恋のときめき (小川知子)

A3 新宿そだち (大木英夫・津山洋子)

A4 小樽のひとよ (鶴岡雅義と東京ロマンチカ)

A5 星影のワルツ (千昌夫)

A6 天使の誘惑 (黛ジュン) 🅱

A7 ガラスの涙 (西郷輝彦)

B1 花と蝶 (森進一)

B2 星を見ないで (伊東ゆかり) 🅱

B3 札幌ブルース (青江三奈)

B4 愛の園 (布施明) 🅱

B5 思案橋ブルース (高橋昭とコロ・ラティーノ)

B6 マイ・ダーリン東京 (城野ゆき)

B7 星とお月さま (響かおる)

 

演奏: 山下洋治と’68オールスターズ

編曲: 小杉仁三

定価: 1,500円

 

4月17日以来の登場となる山下洋治のスチール・ギター。こちらは68年のヒット曲がずらり。72年のヒット集に比べるとまだまだ泥臭い内容だけあって、ハワイアン・スタイルには程遠く、通常のオーケストラ演奏に乗ってスチールが咽び泣く。といっても、「釧路の夜」は最後の一音だけで楽園へと飛翔してしまうのだ。エグいはずの「新宿そだち」にはキュートな風味が加えられ、元からハワイ志向が強い「天使の誘惑」はよりエレガントに(その分、リズム的には普通のキューティ・ポップに降格)。「ガラスの涙」では、GS的乗りとも意外にマッチするところを聴かせてくれる。ラスト2曲がクラウン自社アーティスト推し枠。「マイ・ダーリン東京」はオリジナルより軽くポップなノリで聴かせ、「星とお月さま」はオリジナル以上にはじけまくり。音色の個性が強すぎる分、カラオケにはなり辛いが、乙女な方は唱和するとモテるかもよ(汗)。クラウンGS(一人GSも)の野暮ったさが好きという方には、このラスト2曲はたまらないものになるはず。