東宝 AX-2024
最新歌謡ヒット ゴールデン・ギター・アルバムVol.5
発売: 1973年12月
A1 恋の雪別れ (小柳ルミ子) 🅱
A2 愛の十字架 (西城秀樹) 🅱
A3 魅せられた夜 (沢田研二) 🅱
A4 一枚の楽譜 (ガロ) 🅱
A5 心もよう (井上陽水) 🅳
A6 夏色のおもいで (チューリップ)
A7 青春のバラード~ひと粒の涙~ (森田健作)
B1 ひとかけらの純情 (南沙織) 🅱
B2 白いギター (チェリッシュ) 🅱
B3 わかれの夜道 (三善英史)
B4 女ごころ (八代亜紀)
B5 裸足の女王 (夏木マリ)
B6 雨の軽井沢 (つなき&みどり)
演奏: 木村好夫、ジミー・スコット (ギター)/ミラクル・サウンズ・オーケストラ
編曲: 福井利雄
備考: RM方式4チャンネル・レコード
定価: 1,500円
誕生日が火曜日だったので、ヒデキを歌無歌謡で讃えることができなかった…その分、命日にしみじみ偲びたいと思います、というわけで決して派手になることなく聴かせるギターアルバム。そして、木村好夫御大の名がはっきり主役級クレジットされているアルバムが、やっと当ブログ初登場。過去、クレジットはないものの明らかに好夫ギターと解るプレイが聴けるアルバムが数作ありましたが。今作も、決して派手な登場ではなく、東宝の歌無歌謡に頻繁に登場するジミー・スコットなるプレイヤーと連名になっている。好夫オーラの出てない方のリードプレイがジミーと思っていいでしょう(爆)。
例によって4チャンネルの利点を生かしまくった凝ったミックスではあるものの、所々アラが出てしまってるのは東宝らしくない。守りに入っている好夫ギターがうまく噛み合っていない部分があったり(「魅せられた夜」ではチューニングが微妙に合ってなかったり)、石油ショックで迷いに入りそうなレコード業界の焦りを反映してるのだろうか? 聴き進めて行くうちに、孤高の輝きを放つ逸品が登場する。「心もよう」だ。
当時の音楽業界を震撼させた井上陽水の名曲に手堅く挑む好夫ギター。そのバックで蠢く音の数々に耳が奪われる。4チャンネルのあちらこちらに配置されたそれらの音が自己主張しつつ、完全なる混沌に満ちたエンディングへと導かれて行く。あまりにも謎に満ちたこのサウンドが表現するのは一体なんなんだ?まさに本盤最大の聴きもの。好夫ギターの真髄が炸裂した曲という点では、「白いギター」にとどめをさす。ミラクルサウンズ名物の鍵ハモも数曲で健在だし、当時のムードを手っ取り早く楽しめるアルバムだ。