黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は仁支川峰子さんの誕生日なので

Camel C-31

ベスト歌謡ヒット速報

発売: 1976年?

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ジャケット



A1 横須賀ストーリー (山口百恵)

A2 赤いハイヒール (太田裕美)

A3 夏にご用心 (桜田淳子)

A4 北酒場 (五木ひろし)

A5 目覚めた時には晴れていた (伝書鳩) 🅱

A6 ねえ! 気がついてよ (桜田淳子)

A7 さくらの唄 (美空ひばり)

B1 さざんか (森進一)

B2 夢魔のブルース (八代亜紀)

B3 霧のめぐり逢い (岩崎宏美)

B4 これしかないわ (殿さまキングス)

B5 きらめき (野口五郎)

B6 峰子のマドロスさん (西川峰子)

B7 おゆき (内藤国雄) 🅱

 

演奏: インペリアル・サウンド・オーケストラ

編曲: 無記名

定価: 1,800円

 

昨日もエルム、今日もエルム。4年の月日は、このメーカーの個性をどのように変えたのだろうか…実のところ、あまり変わってません。メジャーが扱いきれないせこい技量が、なおもパチ歌謡好き心の琴線を揺さぶりまくります。

とにかく、冒頭の横須賀ストーリーから、やられる。リードメロを弾くギターの人、どの譜面を見てこのフレーズを届けてくれるに至ったのか。お馴染みのあの歌詞が全然口をついて出てこない。歯切れの悪さが逆説的快感をもたらす、撮りっきりコ◯カならぬ「録りっきりエルム」の個性が炸裂。続く「赤いハイヒール」も同様に歯切れ悪いけど、この曲に潜むビートルズ風味が引き揚げられてるという点では、なかなか奮闘してるのではと思う。演歌系の曲はどうかというと、そこまでアレな出来ではないけれど、場末感が強く押し出されている点ではこのレーベルらしい、としか言えない。北酒場は当然、細川たかしの方ではありません。岡林信康五木ひろしに書き贈った、ブルージーな曲。このブログに登場するのは、専らこっちの方です。そういうケースが、「川の流れのように」やら「少年時代」やら、多々出てきます。

比較的レア曲なのが、ドラマのテーマ曲として中ヒットした「目覚めた時には晴れていた」。多少「銀河のロマンス」っぽいけどいい曲ですよ。この盤の中では比較的がんばりが見えているいいアレンジ。全体的に淡白な出来なのはしょうがないけど、時代が時代。歌無歌謡が衰退し始めた頃故、重宝する動きはあったのでしょう。