黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は梓みちよさんの誕生日なので

RCA JRS-7345

大正琴がうたう演歌/ビッグヒット集 (第1集) 

発売: 1975年3月

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ジャケット



A1 おんなの運命 (殿さまキングス) 🅱

A2 旅愁 (西崎みどり) 🅱

A3 わたし祈ってます (敏いとうとハッピー&ブルー) 🅱

A4 みれん (五木ひろし) 🅱

A5 愛の執念 (八代亜紀)

A6 あじさいの雨 (渡哲也) 🅱

A7 二人でお酒を (梓みちよ) 🅳

B1 襟裳岬 (森進一) 🅴

B2 流し唄 (島倉千代子)

B3 初めてのひと (西川峰子)

B4 理由 (中条きよし) 🅱

B5 あなたの噂 (藤圭子)

B6 うわさ (内山田洋とクール・ファイブ)

B7 久しぶりだね (和田浩治)

 

演奏: 吉岡錦正・吉岡錦英とオーケストラ

編曲: 佐香裕之

定価: 1,800円

 

歌無歌謡を語る時、最大級に困ってしまうジャンルの一つ、大正琴レコード」。とにかく、親しみやすい楽器なのは否めない。リサイクルショップにジャンクレコードを漁りにいくと、嫌でもジャンク品にお目にかかることになるので、1台買って行こうかという気分にさえなるのだが、完動品でない場合困るだけだし、まぁ実践するのは楽しい。コンタクトマイクを付けて軽くディストーションとリバーブかますと、ザ・フェニックス「グッドバイ・ベイビー」のあの謎の音が出せるのだ!そして、当然の如く、実践層を刺激するのも目的の一つとして、演奏レコードも数多く出されている。が、その特性上、レコード上に記録された演奏にその魅力が適切に刻印されているか、誠に読みづらいのだ。

75年に出されたこのレコードの場合、録音テクノロジーが進化した分、音質的不満は解消されているし、バンドの演奏とのコントラストも程よくまとまっている。ただ、選曲が演歌系に偏っている分、印象がフラットなのはしょうがない。辛うじて「二人でお酒よ」に、異質なノリが感じられる位。「想い出まくら」辺りが入っていたら、ちょっとは変化が出たかもしれないけど。やはり、演歌リスナーの世代の実践精神を揺さぶるためのレコード、なのかなと思う。一緒に歌うのも難しいし、ここはこの演奏をお手本に弾いてみましょうね、そんな感じ。

襟裳岬もいろんなヴァージョンが集まり、楽しくなってきたな。いつかこの曲だけでDJセットやって出禁になりたいものだ(爆)。それにしても、B5とB6を続けて入れるのも罪なものですな。自社案件なのに。