黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は「無」の日

エレキ・ギターの神様・寺内タケシさんが、6月18日に帰らぬ人となりました。

 

「歌のない歌謡曲」にひたすらリスペクトを表しながら、そのジャンルの立役者としての寺さんをあくまで別格として扱い、近年の音楽聴取の主流と化しているデジタル・サブスクリプション・サービス市場にも、そこに属するベストセラーアルバムが多数送り込まれている現状から、塩化ビニール埋蔵地に光を当てるというこのブログの主旨に従い、頑なに言及を避けるつもりではありました。しかし、敢えて無視するということは、逆に言えば第一人者の功績に礼を欠くということであり、その点では実に複雑な心境にあります。

現段階で相当先の更新予定まで固定しており、余程のことがない限りそれに従うポリシーを貫きたいところですが、さすがに今日ばかりは「語る意思」そのものに封をさせて頂きたいと思うしかありません。特定のアルバムだけをひっぱり出して語ることなど、こんな時にできることではないのです。

敢えて、流す曲があるとすれば、「無」です(1972年のアルバム『禅定』に収録)。謹んで、ご冥福をお祈りします。

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『歌のないエレキ歌謡曲 第4集』裏ジャケット