黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日はジェリー藤尾さんの誕生日なので

Dovecot DL-1002

青春の思い出・ベスト12

発売: 1978年

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ジャケット



A1 バラが咲いた (マイク真木)

A2 遠くへ行きたい (ジェリー藤尾)

A3 空に星があるように (荒木一郎)

A4 白いブランコ (ビリー・バンバン) 🅲

A5 あなたのすべてを (佐々木勉)

A6 星に祈りを (ザ・ブロードサイド・フォー)

B1 海は恋してる (ザ・リガニーズ) 🅱

B2 若者たち (ザ・ブロードサイド・フォー) 🅱

B3 花嫁 (はしだのりひことクライマックス)

B4 小さなスナック (パープル・シャドウズ)

B5 この広い野原いっぱい (森山良子) 🅱

B6 誰もいない海 (トワ・エ・モア) 🅲

 

演奏: Dovecot Sounds

編曲: 柳刀太

備考: カラーレコード (黄)

定価: 1,480円

 

ジュリーの次はジェリー…イトーヨーカドーのカラオケシリーズ、スタンダードとムードコーラスに続き3番目に紹介するのは、当時のニューファミリー世代のお父さんの若かりし記憶を呼び覚ます(?)フォーク名曲集。78年当時のシャープな音で練り直されたオケには気合が入り、左右にパンするエレピやエモい女性コーラスが盛り上げムード抜群で、歌う側はいい気分になれそう。ガイドメロディは非常に薄い音で添えられ、多くの曲ではクラリネットやフルートが感情を込めた演奏をしているので勿体ない感も。通常レベルでこれらの音がフィーチャーされていたら、上出来のイージーリスニングになり得るのですが。「小さなスナック」はドライすぎる演奏でなんか違和感が。

「花嫁」だけはちょっと違うなという感もあるけれど、全体的に健全ムードに乗せられた月並みな青年の成れの果てに押し付けられた商品という趣で、それはそのまま40年経った今でも有効かもしれません。もっと過激な選曲だったら(『フォーク・ルネッサンス』みたいな)、この売り方はあり得ないの確実。今ならむしろ「インディアン・ツイスト」をカラオケで熱唱したいですね(爆)。