黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

1978年、今日の1位は「モンスター」

Dovecot DL-1007

ニューヒット・スタジオ・ベスト12 Vol. 2

発売: 1978年

f:id:knowledgetheporcupine:20210708210250j:plain

ジャケット



A1 飛んでイスタンブール (庄野真代)

A2 かもめが翔んだ日 (渡辺真知子) 🅱

A3 この空を飛べたら (加藤登紀子) 🅱

A4 さよならだけは言わないで (五輪真弓)

A5 ジョーのダイアモンド (朱里エイコ)

A6 Mr. サマータイム (サーカス) 🅱

B1 モンスター (ピンク・レディー) 🅱

B2 かもめはかもめ (研ナオコ) 🅱

B3 宿無し (世良公則&ツイスト) 🅱

B4 ダーリング (沢田研二) 🅱

B5 東京ららばい (中原理恵) 🅱

B6 時間よ止まれ (矢沢永吉) 🅱

 

演奏: Dovecot Sounds

編曲: 無記名 (柳刀太?)

備考: カラーレコード (橙)

定価: 1,480円

 

前6作からしばらく間隔を置いてリリースされたと思われる、ヨーカドーのカラオケシリーズ、ポップス編第2弾。と言っても、第1弾を紹介するのはまだ先の話ですが…ニューミュージック色が濃い内容の中、『ヤングアイドルベスト12』を補填するように「モンスター」も選ばれている。カラオケと言えば、ヨーカドーの先立つ盤も証明しているように、淡白なシンセ音でガイドメロディーが薄く入るのが定番だが、ここでは主にフルートの音が先導しており、音量も通常の歌無歌謡並み。「さよならだけは言わないで」は特に、かなり大きい。よって、イージーリスニングとしても聴けるし、フルートの練習にも使えそう。そこまでガチなプレイではなく(リズムセクションやストリングスは、例によってかなり力がこもった演奏ないし録音になっている)、このフルーティストの「顔は見えないけど、力一杯あなたの歌に寄り添うわよ!」と言う心意気がさりげなく伝わる。A面に並ぶ女性ヴォーカル曲のリリカルさが、特にこの音色にぴったりフィットしている感じ。かの「リトル・ダイナマイト」(ワーナー・ビートニックスに関しては、このサイトの恩恵を多大に授かっております!)にも歌無歌謡ヴァージョンの存在が記されていない「ジョーのダイヤモンド」の選曲が実にレアだ。「Mr.サマータイムにはご親切にも、コーラスパートが完璧に収録されている。Jack盤のような滑稽なコーラスでなくてよかった(爆)。「モンスター」はサービス以外のなんでもないが、イントロの絶叫はパチソン好きを戦慄させそう。「宿無し」「ダーリング」は、さすがにフルートは一休み。後者は有線の言い分だと「人の声に一番近い楽器」らしいアコーディオンがリードをとっている。「時間よ止まれ」は意外にもガチでオリジナルに近いサウンドに、フルートが恥ずかしそうに色を添えている。そっちに気をとられてしまい、カラオケどころではない。嗚呼、これはヨーカドーのカラオケレコードなのに。

DL-1008以降のリリースは、残念ながら確認されていない。もうちょっと続いて「ガンダーラ」なんかを収録して欲しかった感もあるが。ここでも既に「PRODUCER/ハウス・プロダクション」以外のクレジットが一切消えており、もう諦めモードだったのかも。蛇足ながら、DL-2000番台の最初のリリースは、英国のアヴェニューと提携しての「サタデイ・ナイト・フィーヴァー」のカヴァー盤であることまで確認されている。