黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は木の実ナナさんの誕生日なので

国文社 SKS-115

ギター・ムード2

発売: 1976年?

f:id:knowledgetheporcupine:20210709051613j:plain

ジャケット



A1 愛の始発 (五木ひろし) 🅱

A2 女の十字路 (細川たかし) 🅱

A3 北の宿から (都はるみ) 🅳

A4 花水仙 (八代亜紀)

A5 おまえさん (木の実ナナ) 🅱

A6 愚図 (研ナオコ)

B1 昭和枯れすゝき (さくらと一郎) 🅴

B2 北へ帰ろう (徳久広司) 🅱

B3 命かれても (森進一) 🅲

B4 熱海の夜 (箱崎晋一郎) 🅱

B5 女のみち (宮史郎とぴんからトリオ) 🅴

B6 あなたにあげる (西川峰子) 🅱

 

演奏: ニュー・サン・ポップス・オーケストラ/木村好夫 (ギター)

編曲: T. Ikeda/T. Misaki

定価(参考市価): 2,200円

 

和洋折衷だった『ギター・ムード』から一転して、ど演歌中心の内容となった『2』。しかも好夫御大を担ぎ出すという大胆な技に出た。と言えども、国文社らしい「ニュームードミュージック」の色は保たれているから、安心して聴ける。洋楽的サウンド作りで料理されたこれらの曲も悪くない。「愛の始発」はさりげない低音ギターが先導し、のちに作曲家として大ヒット曲「おまえとふたり」を提供することになる五木ひろしとの友情を音像化。「女の十字路」も華麗なオーケストレーションを背に、好夫節が炸裂。このメロディーこなしがあると、途轍もない安心感がもたらされる。「北の宿から」は過度に洗練させすぎてしまったような。76年当時の最新ヒット曲で固めたA面と打って変わって、B面はスタンダード曲を中心に、最新サウンドで統一感を出している。「昭和枯れすゝき」一人二役でデュエット。「命かれても」は何度も録音しているためか、余裕綽綽といったプレイだ。木の実ナナさんは歌無歌謡全盛期に主だったヒットに恵まれなかったけど、プレイボーイ・レコードから出たこの曲「おまえさん」は静かなヒットを記録し、結構取り上げれられている。丹羽応樹さん作曲というのがポイント高い。

アレンジに保守性が出ているところは国文社らしくはないけれど、その枠組みにはめ込んだところは評価したい。ジャケットは…帯をずらしたけどこれが限度ですね…(汗)