黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は大久保一久さん (風)の誕生日なので

キャニオン C-1095

全国最新歌謡ベスト16

発売: 1975年4月

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ジャケット



A1 浮草の宿 (殿さまキングス) 🅱

A2 湖の決心 (山口百恵) 🅲

A3 22才の別れ (風) 🅳

A4 火遊び (中条きよし)

A5 ひとり歩き (桜田淳子) 🅱

A6 黄昏の街 (小柳ルミ子) 🅱

A7 おんなの夢 (八代亜紀)

A8 あかいサルビア (梓みちよ) 🅱

B1 この愛のときめき (西城秀樹) 🅲

B2 さすらいの唄 (小沢深雪)

B3 我が良き友よ (かまやつひろし) 🅳

B4 ふたりの秘密 (西川峰子)

B5 愛のアルバム (天地真理)

B6 哀恋記 (五木ひろし) 🅱

B7 白い部屋 (沢田研二) 🅱

B8 湯けむりの町 (森進一) 🅱

 

演奏: 木村好夫 (ギター) オーケストラ表記なし

編曲: 神保正明

定価: 1,500円

 

二日連続でキャニオンの好夫ギター。5年間で歌謡界は様変わりしたけれど、相変わらずのマイペース。ただ、響き的にはかなり変わってきてます。録音技術そのものの進化がものを言ったのは言うまでもないし、アレンジのカラフル化も半端ない。ここでは、二大「山本正之氏専属仕事人」の片方、神保正明氏が敏腕を奮っています。クリスタル・サウンズやブルーナイト・オールスターズにも関わっているし、当時の多忙さは半端なかったはず。

トップが殿さまキングスの曲で特性発揮しまくりなのはいうまでもないけど、続く「湖の決心」でも執拗に好夫カラーがうごめき、それが全然違和感ない。百恵さんの「一途さ」をこのギタートーンが抱擁できたということかな。22才の別れも然り。アレンジ的には変な方向に行っていないけれど、サイドギター共々自らこなし、不思議に新鮮味が現れたサウンドになっているのだ。「ひとり歩き」ミノルフォン盤と似たテイストのアレンジで、そちらも個別クレジットは不明瞭ながら神保氏のアレンジだったっけ。ただ、ミノルフォン盤ほど異常なエフェクトをかけていないところは安心して聴ける(汗)。手堅いフレージングに脇を固める堅実な演奏。これでいいのだと納得するしかない1枚です。ところで…NAVレーベルには歌無歌謡ってないんでしたっけ…というかそのレーベルの曲が取り上げられること自体が稀でしたけど…