ミノルフォン KC-5005~6
最新ヒット歌謡 BEST30
発売: 1975年11月
A1 ふたりの旅路 (五木ひろし) 🅱
A2 時の過ぎゆくままに (沢田研二) 🅱
A3 白いくつ下は似合わない (アグネス・チャン) 🅱
A4 至上の愛 (西城秀樹) 🅱
A5 天使のくちびる (桜田淳子) 🅱
A6 みれん心 (細川たかし) 🅱
A7 あなたを待って三年三月 (森昌子) 🅱
A8 お前に惚れた (萩原健一) 🅱
B1 となりの町のお嬢さん (吉田拓郎) 🅱
B2 北へ帰ろう (徳久広司) 🅲
B3 裏切りの街角 (甲斐バンド)
B4 旅仕度 (小椋佳) 🅱
B5 漂泊浪漫 (海援隊)
B6 絵日記 (チェリッシュ) 🅱
B7 想い出まくら (小坂恭子) 🅱
C1 ロマンス (岩崎宏美) 🅲
C2 中の島ブルース (内山田洋とクール・ファイブ) 🅱
C3 心のこり (細川たかし) 🅰→5/13
C4 夕立ちのあとで (野口五郎) 🅰→5/13
C5 人恋しくて (南沙織) 🅱→5/13
C6 はだしの冒険 (アグネス・チャン) 🅱→5/13
C7 ともしび (八代亜紀) 🅰→5/13
C8 さだめ川 (ちあきなおみ)
D1 貴方に尽くします (八代亜紀)
D3 やすらぎ (黒沢年男) 🅱
D4 巴里にひとり (沢田研二) 🅱→5/13
D5 いつか街で会ったなら (中村雅俊) 🅱→5/13
D7 昭和枯れすゝき (さくらと一郎) 🅱→5/13
演奏: ブルーナイト・オールスターズ&ストリングス
編曲: 無記名
定価: 2,000円
萩原健一さん、つーよりショーケン!ショーケンと言わないと気分がすっきりしません。テンプ、PYG時代を別にすると、歌無歌謡界で取り上げられたのは「お前に惚れた」と「大阪で生まれた女」位ですが、やっぱ通俗的な部分と別のところに魅力があった人なわけで。というわけで今日は前者を収録した75年のヒット曲集を引っ張り出してみました。そして、なおも懲りずに4日連続で2枚組。語る曲が多いとさすがに疲れます…
ミノルフォンの歌無歌謡盤はジャケットの美学も語り甲斐があるけど、これは何とほぼ文字オンリーという異色ジャケ。といっても、やけくそ感がないし、夢があるレイアウト・配色になってると思う。あと、この辺りから帯のデザインも楽しくなってきてるし。帯無し盤を買ってしまうと「しまった~」と思っちゃうんだよね。
この盤は選曲的に6月30日紹介のクラウン盤『ささやかな欲望・ふたりの旅路』と似たり寄ったりで、実に20曲が重なっている。その分、両者のカラーを比較するのが楽しいけれど、両社とも保守的な方向に入ってると感じさせつつ、独自の面白さを出してるのが感じとれる。こちらの方が比較的に落ち着いて、かつ攻めてきてる印象。残念ながらアレンジャークレジットがないので、誰の仕業か読めないのだけど。「時の過ぎゆくままに」は「アンジー」のテイストが効いていてかなり攻めた音作りだ。歌い出しが「神田川」と化しているクラウン盤と全然印象が違う(爆)。肝心の「お前に惚れた」もこっちの方がロック色が強い。フルートの優しい音も何故か違和感ないし。思えば2年後からミノルフォン所属になりましたからね、ショーケンは。「あなたを待って三年三月」は2コーラス目にリコーダーが登場し、それだけでこちらの圧勝(汗)。クラウン盤はダメダメさが目立った「ロマンス」もこちらはなかなかノリ重視した演奏。2枚目は3ヶ月前にリリースの前作から引き続く収録曲が多いが、やはりエフェクター多用ギターが目立ちまくり。1枚目ではあまり使われてないんだな。
クラウン盤と重なっていない曲の中でも、注目すべきは「裏切りの街角」。大ヒットした割に、歌無歌謡(フォークさえ)盤で取り上げられるのは稀で、「HERO」以前の甲斐バンドの曲全体に対しても言えることである。主旋律がヴァイオリンという意表をついたアレンジで、うっすら漂うヴィレッジ・グリーン感が堪能できるが(爆)、意外とリズムセクションもがんばってる。「漂泊浪漫」もレアだが(「贈る言葉」以前の海援隊の曲全体に対しても…つーか「母に捧げるバラード」の歌無盤ってあるのか?)、こっちは特に語るべきところないな。「となりの町のお嬢さん」はしっかりレゲエ色を出してるけど、やはり『フォーク・ムード2』版に軍配が上がる。
ちなみにこの盤はうちにある歌無歌謡盤でほぼ唯一、ジャケ・盤共々新品と全く変わらない状態で手許に巡ってきたアルバムです。45年間もどこに隠れてたのだ?