黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は欧陽菲菲さんの誕生日なので

東芝 TP-7576

雨のエアポート

発売: 1972年

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ジャケット



A1 雨のエアポート (欧陽菲菲) 🅴

A2 終着駅 (奥村チヨ) 🅲

A3 ともだち (南沙織) 🅴

A4 雪あかりの町 (小柳ルミ子) 🅲

A5 愛をありがとう (にしきのあきら)

A6 誰も知らない (伊東ゆかり) 🅴

A7 流れのブルース (森進一) 🅱

B1 さすらいの天使 (いしだあゆみ) 🅲

B2 幸福への招待 (堺正章) 🅱

B3 出発の歌 (上條恒彦六文銭) 🅱

B4 友だちならば (トワ・エ・モア) 🅱

B5 涙のジャニー (仲雅美)

B6 愛する人はひとり (尾崎紀世彦) 🅲

B7 忘れな草をあなたに (菅原洋一) 🅲

演奏: ゴールデン・サウンズ

編曲: 荒木圭男

定価: 1,500円

 

前日に引き続きゴールデン・サウンズですが、69年以降になると時流に応じてスタイルを変えるフレキシブルなプロジェクトという感じで、5年前とはまるで違うサウンドに溢れたアルバムがこちら。だからこそ、長く生き延びた信頼のブランドになり得たんでしょうな。競合商品が多い時期ではあったけど、各社個性勝負が本格化する寸前故の安定感がある。例えば、ワーナー・ビートニックスと比べてみると、確かに手堅さしか感じないけど、それ故に魅力的なところもあるし。トップの2曲はいずれも自社稼ぎ頭の大ヒットだが、それ故に決して気を抜いていないし、「終着駅」でのフルートのアンサンブルに感じる鮮やかさで、この後もつかみはOKとなる。「ともだち」も、ビクターの琴ヴァージョンのような妙さを期待しちゃいけないけど、決してずっこけることなく完成度が高い演奏だ。それにしても、やっぱ当時の筒美京平は神がかり的だなと、改めて思うしかない…演奏がいいと、それだけ傑出度が高まるんですよ。カラフルさという点では物足りないけど、時代の色を味わうという点ではよくできている1枚。しかし、改めて思ったけど「友だちならば」ってもろあの曲ですね…歌そのものを聴かないで、歌詞を見ながらインストヴァージョンを聴くと、余計そう思う…