キング SKM-1249
Now Hit Best 10 vol.1 漁火恋唄
発売: 1972年
A1 漁火恋唄 (小柳ルミ子) 🅲
A2 女のみち (宮史郎とぴんからトリオ) 🅶
A3 同級生 (森昌子) 🅱
A4 さよならは突然に (ザ・ピーナッツ)
A5 あなたに賭ける (尾崎紀世彦) 🅱
B4 生まれかわれるものならば (いしだあゆみ)
B5 清怨夜曲 (あがた森魚)
演奏: はらだたけしとそのグループ
編曲: 小町昭、川上英一(☆)
定価: 1,200円
「はらだたけしとそのグループ」名義は、通販のボックスセットでまるごと演奏した盤が出ていたり、やたら作品数が多いのだけど、その割に全容が掴みづらい。サウンド的に妙な方向を向いているわけではないし、短時間でちょちょっと仕事をこなせる職人集団というイメージはある。キングだと、どうしても寺内タケシの印象が強くなるので、影に隠れてしまうのもしょうがないが。
こちらは72年暮あたりのヒット曲をスピーディに届ける、1200円で10曲というシリーズの第1弾。よって、片面の演奏はあっという間だけど、音質的には安定感がある。まず耳を捉えるのは「女のみち」。一聴してオリジナルに忠実な淡白な演奏をしてそうだけど、ピアノとオルガンが醸し出す雰囲気が、意外にも「ダンスホール風味」。6thコードを多用した後者の演奏が、まさしくそんな感じで、場末感はあるものの各楽器がちゃんと響いているのが、さすがにプロの仕事。これにジャマイカを感じてしまうと、もはや末期症状としか言えないか…解釈によってはレゲエ色が浮き彫りになってもおかしくない「喝采」は、逆に意図的にそっちに向かうのを避けているような出来。自社アドヴァンテージゆえに取り上げられた「さよならは突然に」も小気味よく、気持ちよく揺れる演奏。B面にはもっとびっくりの自社推し枠「清怨夜曲」がある。この曲が歌無盤で取り上げられたという事実自体驚異的だけど、「赤色エレジー」の次だけに、期待感故ではあろう。