ユピテル YLT-119
最新歌謡ベスト16
発売: 1975年
A1 ともしび (八代亜紀) 🅲
A2 巴里にひとり (沢田研二) 🅲
A3 哀しみの終るとき (野口五郎) 🅱
A4 よる (中条きよし) 🅱
A6 恋人たちの午後 (アグネス・チャン)
A7 しあわせさがし (りりィ)
A8 我が良き友よ (かまやつひろし) 🅴
B2 女がひとり (森進一)
B3 恋の暴走 (西城秀樹) 🅱
B4 ひとり歩き (桜田淳子) 🅲
B5 ほおずき (グレープ)
B7 さくら音頭 (五木ひろし)
B8 昭和枯れすゝき (さくらと一郎) 🅶
演奏: ザ・サウンズ・エース
編曲: 無記名
定価: 1,500円
一瞬ハプニングス・フォーのアルバムかとよろめき立ちそうですが、例によって初期ユピテルのあの路線です。壁の花として映えるだろうな…75年夏あたりのヒットを集めた盤ですが、まず目を引くのは井上堯之バンドの2曲が選ばれていること。歌無歌謡のアルバムにヒットドラマのテーマインスト曲を入れるのは、ペース・チェンジャーとしてなかなか効果的。多少せこいとは言え、しっかりと演奏されているし(「太陽にほえろ!」のベースなんてかなりの健闘)、正攻法のカヴァーという意味では成功の部類。パチソンマニアには逆に物足りないかもしれないが(汗)。全体的にポストアルバムの一部で聴けたような大胆なサウンドを期待して聴くと、物足りない感はある。アレンジャークレジットを始め、具体的なプレイヤー名の記載はないけど、歌無歌謡のスタンダードとして聴けるレベルには達している。1曲目「ともしび」では、竜崎孝路仕事で聴けるようなシンセが入って、ちょっと妙なカラーが出ているけれど、手堅いよなぁ。しかし終盤に来て、いきなりベースが自己主張を始めるのにどきっとする。トーン的には地味だけど、ジャケットのユニークさに見合ったムードを出そうと奮闘してる感はある。「巴里にひとり」も、やたら派手なエフェクトがかかったギターが聴けるものの、ふつーの出来。手堅いサウンドに妙なシンセという組み合わせは「恋の暴走」や「ひとり歩き」でも聴けるが、もうひと突き抜け欲しかったな。やはり「襟裳岬」の衝撃が尾を引いてるのはしょうがないんだな…前年の集大成的2枚組では、伊藤咲子の「ひまわり娘」や林寛子の「ほほえみ」を演ってたりするので、その辺は押さえておきたいところだ。