黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は坂本スミ子さんの誕生日なので

アトランティック QL-6068A

華麗なるテナー・ベストヒット20 あなたに賭ける/死んでもいい 

発売: 1972年10月

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ジャケット

 

A1 あなたに賭ける (尾崎紀世彦) 🅴

A2 死んでもいい (沢田研二) 🅲

A3 虹をわたって (天地真理) 🅲→7/1

A4 夜汽車の女 (五木ひろし) 🅱→7/1

A5 恋の衝撃 (朱里エイコ) 🅲

A6 折鶴 (千葉紘子)☆ 🅰→7/1

A7 月曜日は泣かない (平山三紀)

A8 はだしの女の子 (奈良富士子) 🅰→7/1

A9 芽ばえ (麻丘めぐみ)☆☆ 🅶

A10 京のにわか雨 (小柳ルミ子) 🅹

B1 狂わせたいの (山本リンダ) 🅵

B2 せんせい (森昌子) 🅲

B3 哀愁のページ (南沙織) 🅳→7/1

B4 れんげ草 (ビリー・バンバン) 🅱

B5 夜汽車 (欧陽菲菲) 🅷

B6 孤独 (和田アキ子) 🅱

B7 女という名の汽車 (坂本スミ子)

B8 風の日のバラード (渚ゆう子)☆☆ 🅴

B9 恋唄 (内山田洋とクール・ファイブ)☆☆ 🅴

B10 旅の宿 (吉田拓郎) 🅹

 

演奏: 三笠輝彦 (テナー・サックス)/ブリリアント・ポップス77

編曲: 小谷充、西田晃(☆)、原田良一(☆☆)

備考: SQ方式4チャンネル・レコード

定価: 1,800円

 

すっかりワーナー・ビートニックス、というかブリリアント・ポップス77づいてきましたが、サックスメインとしては5枚目のアルバムにあたるもので、ドラムメインでは最高傑作となった『虹をわたって・死んでもいい』と姉妹関係にあるもの。13曲が同アルバムと共通しており、それぞれの個性を強烈に生かしたアレンジをしているので、両方持ってても損しないというか、ワーナー・ビートニックスのアルバムを数珠繋ぎするだけで相当スリルがあるんですよね…まだまだ、手許に揃ってない盤があります…

本盤収録曲のうち5曲は、前月出たヒット・バラエティー編『京のにわか雨・虹をわたって』(7/1紹介)で初めて世に出たもの。この辺になると、サウンド的にもワーナー・ビートニックス名義のものと大差なくなっていて、最早どっちの名義で出てもどうでもいいという感じ(笑)。「折鶴」はSQ方式「リヴァーブ・ミックス」の方で収録されており、響き的に浮いているけれど、やはり演奏そのものは相当攻めている印象と改めて感じる。やはり曲がいいからな。「月曜日は泣かない」は、B面「潮風の季節」の方も取り上げて欲しかったなと個人的に思う。田代麻紀がA面でリリースしたから、アンテナにひっかかってもよかったのに。8曲収録された筒美京平作品の中でも、「孤独」が注目すべき選曲だが、やはりドラム盤『虹をわたって・死んでもいい』収録のとんでもないヴァージョンに比べるとおとなしすぎる…この盤は、まさかのタイミングで取り上げることになっているので、あと9日ほどお待ち下さいね。「風の日のバラード」も同盤のヴァージョンに負けるけど、ここで聴けるパヤパヤコーラス(音大生バイトかな?)もめちゃ愛しい。やはり曲が良い。曲が良いからこそ、歌無歌謡の名盤が成り立つのですよ。