黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日はエバ (ゴールデン・ハーフ)の誕生日なので

アトランティック QL-6071A 

華麗なるミラクルギター・ベストヒット20 漁火恋唄/あなたの灯

発売: 1972年11月

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ジャケット

A1 じんじんさせて (山本リンダ) 🅳

A2 あなたの灯 (五木ひろし) 🅳→10/23

A3 漁火恋唄 (小柳ルミ子) 🅵

A4 あなたが帰る時 (三善英史) 🅱→11/20

A5 ひなげしの花 (アグネス・チャン) 🅱

A6 城ヶ島慕情 (にしきのあきら)

A7 悲しみよこんにちわ (麻丘めぐみ) 🅵

A8 朝まで待って (朝丘雪路) 🅰→4/25

A9 女のみち (宮史郎とぴんからトリオ) 🅹

A10 そして神戸 (内山田洋とクール・ファイブ) 🅲→11/20

B1 あなたに賭ける (尾崎紀世彦) 🅵

B2 同級生 (森昌子) 🅳

B3 あなたの前に僕がいた (フォーリーブス)

B4 24000回のキッス (ゴールデン・ハーフ) 🅲

B5 花は流れて (藤圭子) 🅰→4/25

B6 哀愁のページ (南沙織) 🅰→4/25

B7 生まれかわれるものならば (いしだあゆみ) 🅲

B8 放浪船 (森進一) 🅵

B9 虹をわたって (天地真理) 🅰→4/25

B10 夜汽車 (欧陽菲菲) 🅰→4/25

 

演奏: ツゥイン・ギターズ/ワーナー・ビートニックス

編曲: 原田良一

備考: SQ方式4チャンネル・レコード

定価: 1,800円

 

「ツゥイン・ギターズ」名義では4枚目のリリースで、最早ワーナー・ビートニックスの「シグネチャー・サウンド」と化したあの音が思う存分味わえる1枚。前作『虹をわたって/夜汽車の女』からのキャリーオーバー曲も6曲ありますが、いいじゃないですかということで。繊細なサウンドを4チャンネルの随所に敷き詰め、派手さはほどほどに。「あなたの灯」はこの盤が初出だが、その後何度も使いまわされ「ツゥイン・ギターズ」の代表曲的存在と化した気がする。「漁火恋唄」は意表を突くイントロとアウトロを付け加えた以外は慎重な扱いで、シンセ的トーンのギターも色付け程度に留まっているし、「ひなげしの花」も同様。まさかのソフトロックに化けている城ヶ島慕情」は拾い物だ。逆に悲しみよこんにちははビクター笛ヴァージョンの印象が強すぎて、乙女度が足りないなというイメージ。「女のみち」は同じ原田良一アレンジながら、ブリリアント・ポップス/サウンド・メーカーズの京琴/のこぎりヴァージョンの持つ狂気は皆無で、手堅い解釈に終わっている。なかなかワイルドなギター・プレイが聴けるのだけど…その分「同級生」にダイナミックな新解釈が施され面白い。「24000回のキッス」もドラムヴァージョンほどではないが、なかなか走った演奏。「放浪船」はワーナーに残されたテイクのいずれにも刺激的な解釈が加えられているが、このヴァージョンは最も無難ながら普通では終わっていない。多彩なギターのあしらい方であらゆる雰囲気を作り出しているのが、このユニット最大の魅力。ただ、ワーナーものもまとめて聴きすぎるとちょっと疲れるな…