アトランティック QL-5040~1A
春のおとずれ・劇場 華麗なるヒット・バラエティー・ベスト40
発売: 1973年3月
A1 しのび逢い (尾崎紀世彦)Ⓐ 🅱
A3 中学三年生 (森昌子)Ⓑ 🅳
A4 女の子なんだもん (麻丘めぐみ)Ⓑ 🅱
A5 女のねがい (宮史郎とぴんからトリオ)Ⓐ 🅴
A6 あなたへの愛 (沢田研二)Ⓑ 🅱
A8 じんじんさせて (山本リンダ)Ⓑ 🅳→12/10
A9 ふたりの日曜日 (天地真理)Ⓑ 🅲
A10 漁火恋唄 (小柳ルミ子)Ⓑ 🅳→10/18
B1 劇場 (ちあきなおみ)Ⓐ 🅳
B2 見捨てられた子のように (朱里エイコ)Ⓑ 🅱
B3 男泣き (内山田洋とクール・ファイブ)Ⓐ 🅲
B4 愛の挽歌 (つなき&みどり)Ⓑ
B5 ひなげしの花 (アグネス・チャン)Ⓑ 🅱→12/10
B6 おきざりにした悲しみは (吉田拓郎)Ⓑ 🅲
B7 早春の港 (南沙織)Ⓒ 🅱→11/20
B8 女のみち (宮史郎とぴんからトリオ)Ⓑ 🅹→12/10
B10 そして神戸 (内山田洋とクール・ファイブ)Ⓑ 🅲→11/20
C1 春のおとずれ (小柳ルミ子)Ⓑ 🅴
C2 円山・花町・母の町 (三善英史)Ⓐ 🅳
C3 雨やどり (千葉紘子)Ⓐ
C4 冬物語 (フォー・クローバース)Ⓒ 🅱
C5 愛への出発 (郷ひろみ)Ⓑ 🅳
C6 あなたにありがとう (和田アキ子)Ⓑ
C7 小さな体験 (郷ひろみ)Ⓑ 🅱
C8 潮風の吹く町 (森田由美恵)Ⓒ 🅰→11/20
C9 あなたが帰る時 (三善英史)Ⓑ 🅱→11/20
C10 雨のヨコハマ (欧陽菲菲)Ⓑ 🅲
D1 夜の走り雨 (森進一)Ⓑ 🅳
D2 その時あなたは (布施明)Ⓐ
D3 若草の髪かざり (チェリッシュ)Ⓑ 🅳
D4 愛愁 (いしだあゆみ)Ⓐ 🅱
D5 怨み節 (梶芽衣子)Ⓐ 🅳
D6 雨に消えた恋 (野口五郎)Ⓑ 🅰→4/1
D7 放浪船 (森進一)Ⓒ 🅴→11/20
D8 まごころ (堺正章)Ⓑ 🅰→11/20
D9 あなたに賭ける (尾崎紀世彦)Ⓑ 🅵→12/10
D10 あなたの灯 (五木ひろし)Ⓑ) 🅳→10/23
演奏: ブリリアント・ポップス’77
編曲: 小谷充Ⓐ、原田良一Ⓑ、青木望Ⓒ
定価: 3,000円
ワーナーの魑魅魍魎さの象徴的「ヒット・バラエティー」盤はまず2枚組が2作出た後1枚ものが3枚、その後さらに2枚組が2作出ていて、特に2枚組のやつはあまりにも盛り盛りの内容にたじろいでしまう。どのヴァージョンを使っているかと探るのが楽しくはあるが、あまりにも時間を要しすぎるのだ…これは全45作をコンプリート(+トリオの2枚組も併せて)しないと解決し得ない問題であり、まだまだそこへの道は遠い故、今はまったり聴くのが一番なのだ。
これは2枚組としては第3弾にあたるもの。例によって、単独アルバムが出ていないプレイヤーをフィーチャーしたレア曲を交えてのいろいろオンパレードで、「ブリリアント・ポップス’77」の名前はジャケットに未記載の上、レーベルをよく見ないと確認できないという慌ただしさ。序盤はまだ単独盤を紹介していないとは言え、ツゥイン・ギターズやサックス、ドラムをフィーチャーしての王道路線。もろ「太陽にほえろ!」なアレンジを施された「中学三年生」が微笑ましい。「女のねがい」で村岡実の尺八をフィーチャーした変化球が投げられてくるが、例の「女のみち」(ここではツゥイン・ギターズのヴァージョンで収録)のようなエクスペリメンタル路線は避けられ、真っ当なアレンジだ。「あなたへの愛」はビートニックス屈指の異端盤『華麗なるビート・ベース・ヒット』からの抜粋。やはりこれを単独で手に入れるのは相当の試練のようだ…相当ぶっ飛んだアレンジをしている「ふたりの日曜日」、プレイ的には地味ながら不自然に目立っている「おきざりにした悲しみは」、ひたすら突っ走る「小さな体験」に「雨のヨコハマ」、さらに前作の1枚ものバラエティー盤にも入っていた「喝采」「まごころ」「雨に消えた恋」あたりも同アルバムから引っ張ってこられ、これだけ聴けると実に有難い。
「赤い花まつり」は激レア選曲で、サックスをフィーチャーしたこのテイクはこのアルバムと続く2枚組『恋にゆれて・出船』にしか収録されていないようだ。「円山・花町・母の町」も同様だが、ワーナーものには珍しくコーラス入りで、ピンポイントでタイトルのフレーズを歌われると赤面してしまいます(瀧汗)。「漁火恋唄」は何を血迷ったかなドラムヴァージョンが選ばれている。「見捨てられた子のように」はビートニックスでも屈指のハードロックな仕上がり。小橋潔のスチール・ギターをフィーチャーした「愛愁」もまたここでしか聴けないトラックで、山内さんの京琴がすすり泣く「怨み節」も然りなのだが、不思議なのがここで彼女の名前が大正琴の奏者としてもクレジットされていること。該当する「潮風の吹く町」は前作の1枚ものバラエティー盤と全く同じ演奏で、そこでは宇都宮積善のクレジットがあったから、ここでは単なるミスクレジットと思われる(例によって「山ノ内」だし…)が、その辺を考えて聴くとどこか恥じらいがちなプレイに聞こえてしまうから不思議だ。最後はワーナー史上最もリユース回数が多いと思われるツゥイン・ギターズ版「あなたの灯」で余韻を残しつつ締める。