黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は堀内護さん(ガロ)の誕生日なので

CBSソニー SOLH-39 

歌謡ワイド・スぺシャル 最新ヒット20

発売: 1974年3月

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ジャケット

A1 バラのかげり (南沙織) 🅴

A2 恋は邪魔もの (沢田研二) 🅵

A3 別れの鐘の音 (五木ひろし) 🅵

A4 花のようにひそやかに (小柳ルミ子) 🅴

A5 恋の風車 (チェリッシュ) 🅺

A6 襟裳岬 (森進一) 🅻→11/15

A7 春風のいたずら (山口百恵) 🅳

A8 若草の季節 (森昌子) 🅳

A9 こころの叫び (野口五郎) 🅳

A10 しあわせの一番星 (浅田美代子) 🅳

B1 花とみつばち (郷ひろみ) 🅳

B2 星に願いを (アグネス・チャン) 🅵

B3 学園天国 (フィンガー5) 🅴

B4 突然の愛 (あべ静江) 🅶

B5 薔薇の鎖 (西城秀樹) 🅴

B6 しのび恋 (八代亜紀) 🅶

B7 三色すみれ (桜田淳子) 🅱

B8 ときめき (麻丘めぐみ) 🅴

B9 姫鏡台 (ガロ)  🅵

B10 恋人たちの港 (天地真理) 🅶

 

演奏: クリスタル・サウンズ

編曲: 土持城夫

定価: 1,700円

 

「歌謡ワイドワイドスペシャル」(昨年7月16日)で最初の1年を爽やかに振り返ってから4ヶ月、74年春に放つクリスタル・サウンズ第5弾(純粋歌無歌謡アルバムとしては)。おなじみになった枠内ポートレイトジャケも今作で一旦おしまいで、アレンジャー布陣も土持氏単独に戻し、あっさり気味のサウンドを貫いている。

第3作(昨年10月13日のエントリはカウントミスです…)のトップを飾った「色づく街」の鮮やかなオープニングを想起させるオルガンの渦巻く音で「バラのかげり」がスタート。GS時代を思わせる12弦ギターを爽やかに配し、エンディングはちょっぴりサイケ。このシリーズの景気付けはやはりシンシアが適任ですね。「恋は邪魔もの」はサックスの音色が軽い感じで…と安心していたら、エキサイト気味に上ずってみせたりして。ギターの乾いたファズ音に、オリジナルのシンセ音を無茶して再現したような低音ノイズ等、こんな工夫でいいのかなという試みがいかにもクリスタルらしく、聴いてて安心する。「別れの鐘の音」はラブリーなフルートが先導し、12弦ギターと爽やかに絡む。「花のようにひそやかに」は待ってました、リコーダーが大活躍。SOLH-8のエントリの時、オーボエの役割を受け継いだみたいに書いたけれど、ここでは両者が仲良く囁き合っている。「恋の風車」はまさに「モアカウベル!」不要なヴァージョン。鮮やかなフルートの響きにスティック裁きにも力が入っている(爆)。襟裳岬には流石に「モアメロトロン!」になっちゃうんですけどね(爆)。「若草の季節」はもうほんと、「わたしの宵待草」と並ぶクリスタルのリコーダーもの最高傑作!他の音もラブリーに盛り上げているけれど、録音バランス的にリコーダーが際立ちすぎていて、ここは前作の「記念樹」の失敗のリヴェンジをミキサーが見事に果たしたといったところ。「しあわせの一番星」でもうひと山来るかと思ったが、あっさりA面おしまい。

B面はよりあっさりとした進行で、「三色すみれ」はデフォルトでリコーダーが期待できる故そこまで熱くなれないけれど、Bメロをフルートと完全ユニゾンで奏でているのが鮮やかな演出。この流れに「姫鏡台」を組み込まれると、その異様さが際立つ感もあるけど、あっさり手堅いアレンジでクリスタル色の一環にしている。ガロのマークと言えば、最後のシングル「さいごの手紙」がとにかく傑作で(笛ものでもあるし)…この頃のクリスタルの演奏で聴いてみたかった…改めて、ご冥福をお祈りします。

そう言えば、ジャケ写に『さわやかなヒット・メロディー』との共通項がいっぱい…笛名盤の宿命なのだろうか。あの盤のモデルよりはあっさり気味だし、口元を隠してないところも音自体のさりげなさに通じてるというか。