ミノルフォン KC-5013~4
最新ヒット歌謡ベスト30
発売: 1977年12月
A3 コスモス街道 (狩人) 🅳
A4 だけど… (高田みづえ) 🅱
A5 メモランダム (ハイ・ファイ・セット)
A6 吸殻の風景 (さだまさし)
A7 はーばーらいと (水谷豊)
A8 青春時代 (森田公一とトップギャラン) 🅵
B1 ウォンテッド (ピンク・レディー) 🅵
B2 遠慮するなよ (清水健太郎) 🅱
B3 灯りが欲しい (五木ひろし) 🅳
B5 思い切り橋 (内山田洋とクール・ファイブ)
B6 むさしの詩人 (野口五郎) 🅱
C2 なみだの桟橋 (森昌子)
C3 マイ・ラグジュアリー・ナイト (しばたはつみ)
C5 都忘れ (因幡晃)
C6 わかれうた (中島みゆき) 🅱→9/19
C7 フィーリング (ハイ・ファイ・セット) 🅶
D1 イミテイション・ゴールド (山口百恵) 🅳
D2 中央フリーウェイ (ハイ・ファイ・セット)
D3 憎みきれないろくでなし (沢田研二) 🅲
D4 愛の終着駅 (八代亜紀) 🅳
D5 硝子坂 (高田みづえ) 🅳
D6 あずさ2号 (狩人) 🅳
D7 さすらいの道 (小林旭) 🅱
演奏: ブルーナイト・オールスターズ&ストリングス
編曲: 無記名
定価: 2,000円
2015年の夏、宗内の母体がちょくちょく書かせていただいていたwebマガジン「大人のMusic Calendar」の共催により、横浜の赤レンガ倉庫で行われたイベント「70sバイブレーション」の一環として、DJ&トークイベントの仕切りを任され、嬉々として取り上げたテーマが「阿久悠と70年代」。というわけで、ここでも必然的にリスペクトの対象となる阿久悠大先生。選択肢はいくらでもあったのですが、最終的に「時代の覇者」と化していた77年近辺のジャイアントヒットを6曲含むこの盤が巡ってくることに。それにしてもほんと、どの曲も光り輝いていていい時代だったな…これらの名曲群が、ブルーナイト・オールスターズの演奏でフットワーク軽く、一つの旗の下に集まってきました。当然ジャケは「小梅ちゃんシリーズ」だし、まぁ御本家とちょっと違うみたいなニュアンスもあるけれど、これはそれらの中でもベストと言ってもいい出来。曲名を羅列したのみの帯もリリカルなタッチだし(唯一、記載漏れした曲がありますが…その分充分な余白があるだけに、惜しい)。
このあたりになると、編曲者のクレジットもなくなり、音の感触も無色化が進行しているのだが、それ故に憎めない要素が所々に出てくる。「だけど…」の生き生きしたフルートや瑞々しいマリンバなど、これぞ乙女の純情という感じだし、「メモランダム」ではこれらの楽器が物憂げな感じをうまく出している。オリジナルよりずっとドライブしてる「青春時代」とか「失恋レストラン」に明確だけど、同時期のクラウンやソニーの盤に比べて、リズム隊の強化で差をつけている印象だ。78年春の1枚ものに唯一引き継がれた「わかれうた」で聴けるリコーダーのような個性的要素が、その分目立ちにくくなっているが、「ウォンテッド」でトークボックスを使ってみたり、地味なところに意外な発見も。「中央フリーウェイ」も疾走感あふれる演奏で、最早場末的イメージは皆無。それでいいのか悪いのか。いずれにせよ、ジャケットの魔力でどうしても逆らえなくなるのですよね。なお、「灯りが欲しい」と「なみだの桟橋」は、自社供給のオリジナルオケを流用している。