ポリドール MR-8143~44
最新ヒット歌謡ベスト28 美しい朝がきます・ちっぽけな感傷
発売: 1974年9月
A1 美しい朝がきます (アグネス・チャン)Ⓐ 🅱
A2 北航路 (森進一)Ⓑ 🅴
A3 愛ふたたび (野口五郎)Ⓒ 🅱
A4 ちっぽけな感傷 (山口百恵)Ⓐ 🅳
A5 おかあさん (森昌子)Ⓑ 🅱
A6 渚のささやき (チェリッシュ)Ⓒ 🅱
A7 つばさがあれば (フィンガー5)Ⓐ
B1 傷だらけのローラ (西城秀樹)Ⓒ 🅲
B2 追憶 (沢田研二)Ⓐ 🅴
B3 ふれあい (中村雅俊)Ⓑ 🅵
B5 星空への誓い (城みちる)Ⓐ
B6 夫婦鏡 (殿さまキングス)Ⓑ 🅷
B7 ミドリ色の屋根 (ルネ)Ⓒ 🅱
C1 想い出のセレナーデ (天地真理)Ⓐ 🅱
C2 じゃあまたね (浅田美代子)Ⓑ
C4 午前零時の鐘 (麻生よう子)Ⓐ
C5 精霊流し (グレープ)Ⓑ 🅷
C6 風のいたみ (りりィ)Ⓒ 🅲
D1 うすなさけ (中条きよし)Ⓒ 🅳
D2 恋のアメリカン・フットボール (フィンガー5)Ⓐ 🅲
D3 空港 (テレサ・テン)Ⓑ 🅲
D4 愛ひとすじ (八代亜紀)Ⓒ 🅵
D5 ポケットいっぱいの秘密 (アグネス・チャン)Ⓐ 🅲
D6 わかれ花 (渡哲也)Ⓑ 🅲
D7 浜昼顔 (五木ひろし)Ⓒ 🅲
演奏: 原田寛治 (ドラムス) オールスターズⒶ
伊部晴美 (ギター) オールスターズⒷ
秋本薫 (テナー・サックス) オールスターズⒸ
編曲: 伊部晴美
定価: 2,500円
ポリドールにしては「ギリギリのラインで留まってくれてよかった」という感じのジャケット(だけど念のため一部クロップ)。デザイン担当は関順子さん。やはり女性の方に任せた方がいいみたいですね(いや、このレベルでも文句言ってくる方は当然いるのでは?)。内容がもはや安定のポリドール3種盛り故、飾りの言葉を考えないと公平な感じにならないし、これならまだクラウンの方が楽…と思いつつ聴き始めたら、例の調子で炸裂する原田寛治ドラム…に続いて出てくる演奏が、いきなりの軽量化。恐らくこの辺りから、伊部晴美氏以外のアレンジャーに発注することを止めたからと思われるけど、これもまた石油ショックの煽りか。1曲あたりのアレンジの重みがかなり薄味になっているのが解る。これが「主役・原田寛治」の曲になると、余計ドラムのはりきりが浮いてしまう結果になり、なんとも異様な味わいが醸し出されるのだ。派手なギターも、斬新なモーグもなし、フットワーク軽い演奏を左右を駆けずり回るドラムが揺さぶる。ポップな曲調のせいでより結束力が弱まるのが目立ち、録音技術の進化がよりそれを強調する。70年代初期の音だと、たとえ断片化してようがシュールな魅力が醸し出され、面白く聴けるのだけど。曲調もデカダンなものが多かったし。「追憶」とか、自社曲故にもっとくっきりまとめて欲しかった気がする。原田寛治フィーチャーでない曲では(バックで存分に個性を発揮してはいるが)、他の二人の達者さだけが際立ち、特異な印象がない。特に伊部さんのギターが「ふれあい」などでは全開なのだけど、この時期の曲はやはりクリスタル・サウンズみたいにカラフルに決めてくれないと満足できないのだ…ただ、B面中盤であいざき進也と城みちるの曲を連発するような芸当は、クリスタルにはできなかったけどね(笑)。男性アイドルのはじけた曲を、歌無歌謡でももっと探求してほしかったな。「じゃあまたね」(これはまた運命的な1曲である)や「午前零時の鐘」を、自社曲なのに取り上げなかったクリスタルへの挑戦状もさりげなくあり、前者のフルートに「もったいない感」を感じてしまう…