ミノルフォン KB-1~2
’73 最新ヒット歌謡 BEST30
発売: 1973年6月
A1 恋にゆれて (小柳ルミ子)Ⓐ 🅷→11/5
A2 霧の出船 (五木ひろし)Ⓑ 🅶
A3 恋の十字路 (欧陽菲菲)Ⓐ 🅵
A4 妖精の詩 (アグネス・チャン)Ⓑ 🅶
A5 天使も夢みる (桜田淳子)Ⓑ 🅲
A6 同棲時代 (大信田礼子)Ⓑ 🅳
A7 私は歩いている (和田アキ子)Ⓒ 🅱
B1 夕顔の雨 (森昌子)Ⓒ 🅶
B2 少年記 (三善英史)Ⓒ 🅴
B3 傷つく世代 (南沙織)Ⓐ 🅸
B4 危険なふたり (沢田研二)Ⓐ 🅸
B5 若葉のささやき (天地真理)Ⓑ 🅷
B6 なみだ恋 (八代亜紀)Ⓒ 🅼
B7 女のねがい (宮史郎とぴんからトリオ)Ⓐ 🅺
C1 春のおとずれ (小柳ルミ子)Ⓑ 🅷
C2 中学三年生 (森昌子)Ⓓ 🅱→8/19
C3 男泣き (内山田洋とクール・ファイブ)Ⓑ 🅷
C4 太陽のくちづけ (栗田ひろみ)Ⓒ 🅳
C5 荒野の果てに (山下雄三)Ⓒ
C6 夜の走り雨 (森進一)Ⓑ 🅷
C7 劇場 (ちあきなおみ)Ⓒ 🅸
D1 あなたの灯 (五木ひろし)Ⓔ 🅲→8/19
D2 ひなげしの花 (アグネス・チャン)Ⓓ 🅰→8/19
D3 ふたりの日曜日 (天地真理)Ⓔ 🅰→8/19
D4 悲しみの町 (藤圭子)Ⓔ 🅰→8/19
D5 早春の港 (南沙織)Ⓓ 🅰→8/19
D6 そして神戸 (内山田洋とクール・ファイブ)Ⓔ 🅱→8/19
D8 雨のヨコハマ (欧陽菲菲)Ⓔ 🅰→8/19
演奏: ブルーナイト・オールスターズ
編曲: 安野健二Ⓐ、小谷充Ⓑ、池多孝春Ⓒ、土持城夫Ⓓ、竜崎孝路Ⓔ
定価: 1,800円
ミノルフォンの「奉仕盤」シリーズ、KB品番で3種類リリースされた内の第1弾で、主に2月リリースされた『はる』と、4月早々とその後を追った『なつ』からの選曲が中心。水着ジャケットのせいか、市場への浸透率がそれほど高くはない『なつ』は手許にないのだが、調べてみたらその収録曲の全てがここにリピート収録されていて、1500円でそれを買った人の立場がないではないか!あと、D面に固まっている『はる』からの8曲を除く8曲がここで初登場となる(A1、A3、B3、B4、B7、C4、C7、D7)。内「恋にゆれて」のみ、次作『あき』にも流用されているので、それ以外の7曲はここでしか聴けない。ややこしいけど、このあたりまで整理しておきたいものです、ブルーナイト・ファンとしては。
『なつ』で初出の曲をメインに話を進めると、『あき』で本格開花となるカラフルサウンドの序曲というか、場末感が徐々にラブリー化へと駒を進める過程が味わえる。まず「恋の十字路」で一生懸命歌っているコーラスのサービス精神。ガチプロ根性が顕な歌唱スタイルではない分、特徴が出ていてハートを直撃する。続く「妖精の詩」のリコーダーも、どっちかというとせこい響きで、特に「すきまから」と歌った後に続く「ピー」というロングトーンが特徴的。色気がなく、曲のイメージを捉えているが、一瞬ギターが目先を誤ったプレイをしているのを聞き逃さなかったぞ…「天使も夢みる」は恥ずかしそうな女学生っぽいフルートの演奏に控えめなコーラスがエールを送る。 コーラスのがんばり的には、続く「同棲時代」に軍配をあげたい。タイトルの言葉だけそのまま歌われており、抵抗感を隠そうと必死に歌っている彼女の恥じらいが目に浮かぶ…「私は歩いている」ではディストーションにオクタヴィア(?)までかましたギターが暴れ回っている。アンプの調子大丈夫だったのかな。A面の鮮やかさに比べると、B面はおとなしめの進行で、「若葉のささやき」などここでも恥じらいがちなフルートが耳に残る。『あき』の「ふるさと」で聴けるリコーダーもこの人のプレイなのだろうか…もっとガチっぽい音だけど。「危険なふたり」のイントロのギターは、チョーキングを使っていない分滑稽な響きだ。「太陽のくちづけ」は曲が曲なだけあって、フルートがんばりすぎという感も。「早春の港」のソロは、1音抜けてはいるけれど「よくできました」だ。エレキシタールが唸る「雨のヨコハマ」で締め。
やっぱ爽やかな夏娘にフルートの響きはよく似合うな、ということで、アンニュイなブルーナイトらしさが全開の1セット。次作KB-3ではさらに、よりフレッシュな方向に向かうのだ。ジャケットはアレだけど…