黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

歌謡フリー火曜日その54: アバはビートルズだったの?

OX OX-1056 (カセット)

アバ人気のすべて

発売: 197?年

ジャケット

A1 ダンシング・クイーン 🅱

A2 サマー・ナイト・シティ

A3 イーグル

A4 テイク・ア・チャンス

A5 きらめきの序曲

A6 ザッツ・ミー

A7 ムーヴ・オン

A8 ハニー・ハニー

B1 悲しきフェルナンド

B2 ワン・マン・ワン・ウーマン

B3 ホール・イン・ユア・ソウル

B4 ヘイ・ヘイ・ヘレン

B5 ママ・ミア

B6 恋のウォータールー

B7 S.O.S.

B8 トロピカル・ラブランド

 

演奏: ジャンパースターズ

編曲: 無記名

定価: 1,400円

 

パチテープ&レコード黄金時代には洋楽アーティストの特集盤も意外に栄えましたが、真打ち・アバ編の登場です。さすがにクイーン、キッス辺りになると出てないでしょ…やっぱこの辺が限度。一応ビー・ジーズオリビア・ニュートン=ジョンの歌入りパチ盤は持ってますが、どちらもトホホながら魅力的な部分もある程度あるし、どうなんでしょうねアバは。

一時はジャンクコーナーに溢れるほどアバのアルバムがありましたが、復活のしばらく前あたりから何故か価値が上がり始め、今やアルバムは3桁で見つけるのも至難の技。あれほどありふれていたシングル「ダンシング・クイーン」でさえ、美品が100円で買えることはありません。世界的にもこの傾向が強まってるようなので、やはりインバウンド効果もあったんでしょうか。そこまで不朽の魅力を放つ存在にいつの間にかなってたのです。自分もリアルタイムではそこまで思い入れはなかったけれど、どの曲も浴びるように聴いた覚えあるし、中学の校内放送(例の「鉛筆の子」が受け持っていました)でも頻繁に流されてました。79年のシングル「ギミー・ギミー・ギミー」だけは偏愛してた記憶があります。後にマドンナ「ハング・アップ」の元ネタになったやつですね。

まぁそんな程度の付き合いだったので、このインストパチテープにもそこまで期待してなくて、まぁ今のアバ人気を考えるとネタとしていけるかなとは思いましたが、何このてきとーなジャケ!願わくばちょっと引いてほしかったですが(汗)。音楽的にはそこまで作り込まれてなくて、シンプルなコンボ演奏にちょっとエモい気味のギターでメロディーが奏でられるという路線で統一されています。おなじみの「ダンシング・クイーン」からして、イントロのメロディーが欠けていて、リズムもかなり簡素化している腑抜け状態。かと言って、歌いたい人のカラオケにも向いてない。まぁドライブミュージックなんですよね基本。アバの英語の発音に抵抗あるという偏屈なリスナー向け、なのかもしれませんし。こうやって骨抜きされると、「サマー・ナイト・シティ」ビー・ジーズ因数分解して再構成したことがもろバレするし、時に過度にエモいプレイに走るギター(特に恋のウォータールー」「S.O.S.」は笑える)もトホホで、やっぱ新しい発見ってありますね。サウンドを簡素化したせいで、何故か滲み出る「イーグル」の隠れたプログレ要素とか。ディープカッツ気味の曲でさえ、改めてオリジナルが聴きたくなる。「ムーブ・オン」のイントロに入るせこい笛っぽいシンセを聴いて、思わずApple Musicに走りましたもの。元は相当エフェクト漬けにした笛の音でした。あと、今じゃ誰でも知ってる「マンマ・ミーア」は、やっぱりついつい「ごめんね、ともだちでいようよ」と歌ってしまいます(汗)。

この頃までのアバでポピュラーだった曲といえば「マネー・マネー・マネー」「アイドゥ・アイドゥ」「ノウイング・ミー・ノウイング・ユー」「サンキュー・フォー・ザ・ミュージック」辺りも忘れちゃいけないですが、やっぱ層が厚すぎなんですよね。そして、放送室の甘酸っぱい思い出が蘇るのです。44年前の今頃、共に泣いたなぁ(涙)。