黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

ベスト10に5曲なんて世界線がなかった頃の林檎の味

LIBERAL LGC-1326 (カセット) 

ロングセラー歌謡

発売: 1979年

ジャケット

A1 ジパング (ピンク・レディー) 🅳

A2 YOUNG MAN (Y.M.C.A.) (西城秀樹) 🅳

A3 HERO (ヒーローになる時、それは今) (甲斐バンド) 🅳

A4 カサブランカ・ダンディ (沢田研二) 🅶

A5 夢追い酒 (渥美二郎) 🅸

A6 北国の春 (千昌夫) 🅺

A7 想い出のスクリーン (八神純子)

A8 春一輪 (石川さゆり)

B1 美・サイレント (山口百恵) 🅴

B2 口紅をふきとれ (研ナオコ)

B3 春おぼろ (岩崎宏美)

B4 花街の母 (金田たつえ) 🅸

B5 サンタモニカの風 (桜田淳子) 🅱

B6 いっちまうのかい (新沼謙治)

B7 与作 (北島三郎) 🅵

B8 モンキー・マジック (ゴダイゴ) 🅲

 

演奏: ホメロス・レコーディング・オーケストラ

編曲: 無記名

定価: 1,200円

 

怪しいテープシリーズ、なおも続きます…ホメロスというレーベルもよくわかりません。一丁前に普通の歌謡曲の姿をしたシングル盤を活発にリリースしているし(そんな中に秋元淳子という人の盤もあるのですけど、まさかのあの人と同じ人じゃ…あるかもしれないし…)、そんなこともあって歌無歌謡の音源も自社制作でどうにか賄えたようです。ただ、どういうルートで販売展開してたのだろうか…発売点数に関しても、全然読めない。昨年6月8日取り上げた76年のテープは624番で、3年後出たこのテープが1326番。案外、下2桁以外は意味なかったりして。ということは、その間に1本しか出してないってこと?いくらなんでも…そして、ジャケットにまたしても白いギターが登場してます。モデルの方は…オーディションは受けてみたけど歌手としての魅力に乏しく不採用になった子、みたいなオーラが。マイナーレーベルや事務所の場合は、そんなもんなんでしょうかね。普通にレコード出してた人の方が、「夜の蝶」度が高かったりするし。

このテープ、選曲面では2日に紹介したミノルフォンの盤とかなり被っているけれど、さすがに非メジャー色が滲みすぎていて、比較する気にさえ至らない。「Young Man」にしろ、躍動感が欠けすぎていてちょっと説明に困ってしまうし…と聴き進めると、あのエルムヴァージョンでの飲み屋のねーちゃんコーラスがやたら強烈に印象に残る「夢追い酒」がやって来る。オケはそれと同じなのだが、ここでの演奏は相当でかい音量でギターが被せられていて、コーラスの存在感が薄くなっている。さらに昨年10月16日取り上げた「有線ベスト・ヒッツ」のヴァージョンも、違うギターの演奏をフィーチャーしているもののトラックは一緒。つまり、同じねーちゃんコーラスが入ったオケが使い回されすぎ、最低3種類のヴァージョンを生み出してしまったというわけ。これは怪しい…他の曲に関しても詳細な調査をしたくなるのだけど、さすがに無理…それだけ、この曲のねーちゃんコーラスに不思議な魅力を感じちゃうんですよね。北国の春はありがちなヴァージョンと全然タッチが違う演奏で、ギターの響きもかなり異色だが、キーがオリジナルと全然違うってのもでかいんでしょうかね。その後も、まがいものシティポップと場末演歌の境界線を行ったり来たりしながら、せこい演奏が続く。さすがに「与作」ポルタメントが効いたシンセで奏られると異次元ムードに陥れられる…そしてせこすぎる「モンキー・マジック」で終幕。やはりシンセで遊びたいお年頃だったんでしょうか… 最後の方カオスすぎる…79年前半のゴダイゴの大進撃を、現在の某グループの勢いと比較するのは無理がありすぎって思いませんか?