黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

サイケな風がまだまだ吹く気配もない渚にて

コロムビア ALS-4237

ゴールデン・ヒット・メロディ 第2集

発売: 1967年5月

ジャケット

A1 帰りたくないの (園まり)Ⓐ

A2 想い出の渚 (ザ・ワイルド・ワンズ)Ⓐ 🅷

A3 霧の摩周湖 (布施明)Ⓐ 🅲

A4 なんとなくなんとなく (ザ・スパイダース)Ⓑ 🅱

A5 まだ見ぬ恋人 (加山雄三)Ⓐ 🅱

A6 二人の銀座 (山内賢和泉雅子)Ⓑ 🅳

A7 何処へ (ジャッキー吉川とブルー・コメッツ)Ⓑ 🅱

A8 ブルー・トランペット (舟木一夫)Ⓑ

B1 夜霧よ今夜も有難う (石原裕次郎)Ⓑ 🅶

B2 新宿ブルース (扇ひろ子)Ⓑ 🅴

B3 信じていたい (西田佐知子)Ⓐ

B4 夜空を仰いで (加山雄三)Ⓐ 🅱

B5 ブルー・シャトウ (ジャッキー吉川とブルー・コメッツ)Ⓑ 🅵

B6 雲の流れに (西田佐知子)Ⓐ

B7 センチメンタル・シティ (ジャッキー吉川とブルー・コメッツ)Ⓐ 🅱

B8 どこかであなたが (西田佐知子)Ⓑ

 

演奏: ゴールデン・スターズ

編曲: 大西修Ⓐ、道志郎Ⓑ

定価: 1,500円

 

ヴィンテージ歌無歌謡の逸品アルバムが、帯付き状態で手元に巡ってくるのは嬉しいのだけど(他ジャンルだと、その事実だけで神々しい価値が与えられもするのですが…)、あまりの絶景を帯が隠して全体像を見えなくしてしまうのが悲しくて…この盤の場合は左端の娘の後ろ髪くらいなので、そこまで深刻ではないのですが。いずれにせよこのシリーズのジャケットは魅力的なものが多い。当時の先端乙女カルチャーを自然な形で捉えながら、いずれも絵になっているし、押しつげがましさがないんですよね。まぁフォトコラージュではあるけれど。裏も浜辺で弾けまくって最高です。この程度の露出であれば、「お色気」でさえないですよ。そこまでデリケートになってどうするんですか。

天下のコロムビアが他社作品を積極的に取り入れてのシリーズ第2弾。特に工夫のないサウンドでありながらも安定の境地で、曲がいい故に安心して聴けます。さすがにこんな長閑な「想い出の渚」はないだろうと舐めてかかると、「二人の銀座」で蹴りを食らいます。これはオリジナルよりずっとドライブした演奏。「ブルー・トランペット」もここまで攻めた曲だったとはと、意表を突かれます。「スナッキーで踊ろう」前夜の船村徹作品。曲によっては小粋なラウンジムードも濃厚で、思わず古き良き時代の浅草の喫茶店へと誘われます。高野譲二、横内章次、道志郎という安定のメンバーで奏でられていますが、なかなかに奮闘を見せるドラマーの名前も知りたいところ…ライナーで引用されている「何処へ」の作曲者、万里村ゆき子さんの談話は貴重。謎が多い人だった故にこれは開眼です。