ちょっと早いですが、ハッタリかますふりします。
こんにちは、宗内世津です。
1997年を皮切りに、昭和歌謡に特化したwebサイト「宗内世津のDuBiDuBiペーぢ」を運営しておりましたが、諸般の事情により2001年全コンテンツを削除し、僅かに2008年と2014年に各1回、DJとして再浮上したのを除くと、潜水期間に入っていました。
2016年、ひょんなきっかけで「歌のない歌謡曲」を再発見し、魅せられて以来、従来溺愛を続けていた女性歌手の歌う昭和歌謡のシングル盤の多くとの訣別を余儀なくされながら、その研究に勤しんでいました。そんな中、このような時代を迎えてしまい、音楽やそれを愛好する人々との接し方の見直しを迫られる中、創造面で前向きになれないもどかしさの解消を兼ねて、この5年間の総括をweb上のコンテンツとすることを決意するに至りました。
昨年12月、必要に駆られて、宗内の母体が2004年から2年間お世話になっていたはてなに再登録したのですが、折角の機会ということでブログサービスの再利用を決意しました。エイプリルフールに1日早いですが、明日からの1年間を壮大なハッタリかましの現実化に費やすことを宣言します。
「黄昏みゅうぢっく」をテーマに、1日1枚のペースで、主に「歌のない歌謡曲」のLPレコードについて語ります。
そもそも、歌のない歌謡曲とはなんなのか。その歴史については、可能な限り今後アルバム語りの副読本的に記していきたいと思いますが、今回対象とする年代は、主に1968年から1977年までの10年間であり、場合によってはその前後数年も含めると思われます。特に73年に至る6年間はまさに「歌無歌謡黄金時代」であり、あらゆるレコード会社からその種のLPレコードが乱発されていました。
その音楽を求めた時代背景は如何なるものだったのか。言うまでもなく、歌謡曲の重要な構成要素には「歌」なり「歌詞」か含まれますが、それらを「歌のない歌謡曲」に於いては徹底的に剥ぎ取り(場合によっては「編曲」も)、残されたものは「雰囲気作り」のみでした。たとえ淡白な演奏が残ったとしても、歌謡曲の持つ最重要要素「メロディ」が豊潤な分、立派に音楽として生き残ることができたのです。
こうして醸し出された「雰囲気」が、商店街、ボウリング場、市民プール、喫茶店、時には学校の給食の時間に至るまで、あらゆる昭和のレジャーを彩り、果てはプライベートな二人の時間にまで入り込んでいきました。
そんな「歌無歌謡文化」を終わらせてしまったのは、一体なんだったのでしょう?レジャーの閉塞化か、それを促した個人発信経済の終焉か、はたまたエネルギーや資源不足か?それとも、より洗練されたものへと傾倒する若者気質の我儘か?
今でこそ、「歌のないJ-pop」は有線放送の専用チャンネルを通じて、ショッピングセンターや飲食店で流れていますが、その意味合いと感触は最早昭和の頃のそれとかけ離れてしまっています。僅かに残った歌無歌謡のかけらは、リサイクルショップの片隅に、当時の空気を帯びたまま置き去りにされてしまいました。
今、改めてそれらを救済し、新たな意味を付加しつつ、豊かに花開いた昭和歌謡文化に再び光を当てたいと思います。キッチュとかグルーヴィとか、そんな言葉に結びつけたくはない、真の輝ける場末ワールドに。
宗内の母体がかつて執筆させていただいていたWEBマガジン「大人のMusic Calendar」の主題に則り、その日に提示されたテーマに因んだ選曲が含まれるアルバムを1枚(2枚組の場合1セット。通販で売られたセット物の1枚が含まれる場合もあり)取り上げ、それを肴に気ままに語っていきたいと思います。相応しいテーマが思いつかない日は、適当に1枚拾い上げて対応します。
但し、「歌のない歌謡曲」を語る時、まず名前が挙がりがちな3大巨匠=サム”ザ・マン”・テイラー(テナー・サックス)、ジミー竹内(ドラムス)、寺内タケシ(エレキ・ギター)に関しては、ある程度の分析が他所で進んでいること、ある程度レコードを容易に入手しやすいこと、また寺内氏の場合サブスクへの音源供給が進み始めていることを理由に、敢えてここで取り上げることを避けさせていただきます。代わりに、全体像を把握するのにあまりにも労力を要する真の「歌無歌謡王」、木村好夫(ギター)の関連作品に関しては、その極一部ではありますが積極的に取り上げたいと思います。
その他、当ブログにおけるポリシーとして
*基本的にLPレコードを取り上げ(ごく稀にカセット、当時のLPの流れを忠実に再現したCDも)、2~6曲入りの17cm盤は対象外とする。
*それぞれの楽曲のオリジナル歌唱版に対する蘊蓄はなるべく排除、アルバムの聴きどころについてのみ掘り下げる
*「カラオケレコード」を打ち出した作品に関しては、基本的に取り上げないが、ごく稀に例外の場合もある
*アルバムの市場相場に関しては触れず、無闇に価値を上げるような煽りは行わない
*ジャケット・アートの掲載は、道徳的良心の許す範囲内に留める。ジャケットを軸とした作品選出・寸評は決して行いません!(但し例外もあるかも)
*毎週火曜日を「歌謡フリー火曜日」とし、歌謡曲を含まない器楽カバー演奏盤を取り上げる日とする
以上を掲げることとします。実はもう一つ「隠しポリシー」がありますが、それは都合により公表を避けさせていただきます。
それでは、今日からあなたと、明日より永遠に。