クラウン GW-8155~6
魅惑のヒット歌謡ベスト36 魅せられた夜/モナリザの秘密
発売: 1973年12月
A1 魅せられた夜 (沢田研二)Ⓐ 🅶→12/24
A3 心もよう (井上陽水)Ⓓ 🅷→9/24
A4 草原の輝き (アグネス・チャン)Ⓑ 🅹→10/10
A5 空いっぱいの幸せ (天地真理)Ⓐ 🅳
A7 君が美しすぎて (野口五郎)Ⓑ 🅴
A8 ちぎれた愛 (西城秀樹)Ⓓ 🅱→9/24
A9 朝霧の晴れるまえに (石橋正次)Ⓐ
B2 白樺日記 (森昌子)Ⓑ 🅶
B4 小さな恋の物語 (アグネス・チャン)Ⓐ 🅳
B5 わたしの宵待草 (浅田美代子)Ⓑ 🅲
B6 心の旅 (チューリップ)Ⓒ 🅰→5/2
B7 愛のくらし (加藤登紀子)Ⓐ
B8 記念樹 (森昌子)Ⓓ 🅱→9/24
B9 ミカンが実る頃 (藍美代子)Ⓑ 🅱
C1 みずいろの手紙 (あべ静江)Ⓑ 🅱
C2 恋の雪別れ (小柳ルミ子)Ⓐ 🅵
C3 夏色のおもいで (チューリップ)Ⓒ 🅱→6/21
C4 わかれの夜道 (三善英史)Ⓐ 🅱
C5 裸足の女王 (夏木マリ)Ⓓ 🅱→9/24
C7 魅力のマーチ (郷ひろみ)Ⓑ 🅳
C8 冬の旅 (森進一)Ⓐ 🅴
C9 胸いっぱいの悲しみ (沢田研二)Ⓑ 🅷→10/10
D1 アルプスの少女 (麻丘めぐみ)Ⓐ 🅳
D2 ロマンス (ガロ)Ⓑ 🅳
D3 一枚の楽譜 (ガロ)Ⓒ 🅲→6/21
D4 夢の世界に帰りたい (中津川みなみ)Ⓑ
D5 コーヒーショップで (あべ静江)Ⓔ 🅰→5/2
D6 白いギター (チェリッシュ)Ⓑ 🅷
D7 風の慕情 (奥村チヨ)Ⓓ 🅰→9/24
D8 色づく街 (南沙織)Ⓑ 🅶
D9 ひとかけらの純情 (南沙織)Ⓐ 🅴
演奏: まぶち・ゆうじろう’68オールスターズⒶ
いとう敏郎と’68オールスターズⒷ
ありたしんたろうとニュービートⒸ
まぶち/いとう/ありた’68オールスターズⒹ
栗林稔と彼のグループⒺ
編曲: 福山峯夫ⒶⒷⒹ、青木望Ⓒ、小杉仁三Ⓔ
定価: 2,400円
クラウンの歌無盤をつぶさに聴いていると、自社推し組以外にもあっと驚く歌手のまさかな曲が選択されているのに驚愕することがよくありますが、さすがに「中津川みなみ」にはびっくらこきました。「夢の世界に帰りたい」はオリコン48位にまで達しているので、結構なヒットになったのは確かだけど、自分にとってはリアルタイムでの記憶にないし。2004年に『テイチク70sアイドル・コレクション』の編纂に関わった時、この曲を選曲したのだが、肝心の彼女のプロフィールを調べるのに限界があり、今となっては反省しかない。あれから20年近くの間にネット社会も様変わりして、何とか彼女のプロフィールに辿り着けた。54年12月29日、神奈川県生まれ。
そんなわけで、この貴重な曲を含むこのアルバムを、一旦この日にスケジューリングしたのだが、彼女よりちょうど2歳年上の浜田省吾の曲が入っている歌無アルバムが手元に巡ってきて、そっちの方が重要じゃんと一旦スクラップしたのだ。その矢先、12月5日に取り上げるつもりだった作品にとんでもない欠陥が発覚…結果、その浜省曲入りアルバムを繰り上げて、目出度く今日は中津川みなみさんを讃える日になりました。一件落着。こういう練り直しのプロセスがスリリングなのです、黄昏みゅうぢっくは。
前置きが長くなったが、恒例のクラウン特有現象により、既に語ったファクターがいっぱいである。8000番台最後の1セットということで、黄金ラインナップに特化。それぞれの既発アルバムからの選曲に加え、9月24日に取り上げた3大巨頭揃い踏みアルバムからも6曲が選ばれている。今回初めて出てくるのは主にまぶち・いとう盤からの選曲だけど、何せ競合ヴァージョンに強力なものが溢れていた時期故に、改めてクラウンの強みを感じさせるテイクが多い。録音も一気にシャープさを増して、従来より重厚に迫っているのだ。「神田川」は自社を真剣に潤わせた曲故、様々なヴァージョンが残されているが、いとう敏郎盤は特にムーディさを際立たせた出来で、何故か使われたコルネット・ヴァイオリンが意外にはまっている。「わたしの宵待草」や「ミカンが実る頃」はやはり他社のリコーダー・ヴァージョンに負けるけど、両方ともムーディにこなしているし、フルートがさりげなくラブリーさを強調していて悪くない。ニュービート曲はメロトロン全開の「夏色のおもいで」や「一枚の楽譜」が選ばれているので、さりげないカラーの変更に一役買っている感じだが、全体的にパーセンテージが少ないので寂しい気も。「アルプスの少女」はやっぱり残念賞もの…この曲に勝つのは難しいのかな。「ひとかけらの純情」はそんなことないのに。「色づく街」はいとう敏郎にしては珍しく、エフェクトを派手にかまして、比較的がんばっているヴァージョン。問題の「夢の世界に帰りたい」は、取り上げられただけでも快挙、それでおしまい。