クラウン GW-8057~8
ビッグ・ヒット歌謡28集 昨日のおんな
発売: 1970年9月
A1 波止場女のブルース (森進一)Ⓐ 🅴
A2 昨日のおんな (いしだあゆみ)Ⓑ 🅰→7/3
A3 噂の女 (内山田洋とクール・ファイブ)Ⓒ 🅲→6/28
A4 今日でお別れ (菅原洋一)Ⓐ 🅲
A5 お嫁に行きたい (森山加代子)Ⓑ 🅰→7/3
A6 みれん町 (美川憲一)Ⓒ 🅰→6/28
A7 わたしだけのもの (伊東ゆかり)Ⓓ 🅱
B1 圭子の夢は夜ひらく (藤圭子)Ⓐ 🅶
B2 花びらの涙 (岡崎友紀)Ⓑ 🅰→7/3
B4 ちっちゃな恋人 (ジミー・オズモンド)Ⓐ
B5 お兄さん (ピーター)Ⓑ 🅰→7/3
B6 女が男を棄てるとき (美樹克彦)Ⓒ 🅰→6/28
B7 いつでもどうぞ (佐川満男)Ⓓ
C1 愛の旅路を (内山田洋とクール・ファイブ)Ⓐ 🅱
C2 ヤング・ラブ・スイング (オズモンド・ブラザーズ)Ⓑ 🅱→7/3
C3 経験 (辺見マリ)Ⓓ 🅲
C4 愛こそいちずに (小川知子)Ⓒ 🅰→6/28
C5 四つのお願い (ちあきなおみ)Ⓐ 🅳
C6 愛は傷つきやすく (ヒデとロザンナ)Ⓑ 🅱→7/3
C7 素晴しい旅行 (ザ・タイガース)Ⓓ 🅱
D1 くやしいけれど幸せよ (奥村チヨ)Ⓐ 🅲
D2 泣きながら恋をして (ジャッキー吉川とブルー・コメッツ)Ⓑ 🅰→7/3
D3 はじめに愛があった (太田とも子)Ⓓ
D4 酔いどれ女の流れ歌 (森本和子)Ⓒ 🅰→6/28
D5 ふりむいてみても (森山加代子)Ⓐ 🅲
D6 初恋の人に似ている (トワ・エ・モア)Ⓑ 🅱→6/23
D7 美しいヴィーナス (加山雄三)Ⓔ 🅱
演奏: まぶち・ゆうじろう’68オールスターズⒶ
いとう敏郎と’68オールスターズⒷ
あらおまさのぶと’68オールスターズⒸ
ありたしんたろうとニュービートⒹⒺ
編曲: 福山峯夫ⒶⒷⒸ、小杉仁三Ⓓ、北川祐Ⓔ
定価: 2,400円
クラウン・オールスターによるデラックス2枚組、70年秋あたりのヒット曲集。それにしても、今日はノらないな…歴史的にも悲しい出来事が多いし、誕生日的にもパッとしないラインナップだし、オリコン1位曲も他の日に割り当てちゃったし、まともなテーマとしてたどり着いたのが「世界観光の日」。どこにも行けないもどかしさに悩まされている最中にもう全く、やけくそやねん…そんなわけで、5日前に続いて「自由の女神」「素晴しい旅行」が入っているこのアルバムを引っ張り出してきたけれど、うち半分は既に語った他のアルバムに収録されているのと同じテイクだし…いつものクラウンのアレだ、今日はこれでおしまい…
なんてわけにいきませんよ当然。このアルバムには、ここでしか聴けない、というかニュービート単独作にも入ってるんだろうけど、他社盤で取り上げられたと思えないまさかの曲が入っている。太田とも子さんの「はじめに愛があった」だ(奇しくも、この曲にもトワ・エ・モアに同名シングル曲がある)。
とも子さんの誕生日、7月7日に取り上げるという手もあったのだけど、そちらは研ナオコに譲り、世界観光の日に回す羽目になったわけ。しかし、姉である梶芽衣子さんの著書でさりげなく触れられて明らかになったのだが、彼女はもうこの世にいないのだ。正式な没年月日は、今もなお明らかにされていない。謎のうちに一生を終えてしまった、幻の名花である。こんな他愛無いテーマの日に、その死を悼むというのもなんか気が引けるけど、仕方ないです。クラウンの歌無歌謡アルバムを語るため、本田孝や中津川みなみといったまさかの歌手の誕生日をなんとか突き止めて、スケジュールに割り振るという努力を怠っていない身でありながら…(しかし、後者に関してはその努力も水の泡に。詳しくは、もう3ヶ月ほどお待ちを)。
全然関係ない話に終始してしまいそうだけど、ここで聴ける「はじめに愛があった」は、原曲のアンニュイさを生かしつつ、躍動感を加えて、控えめにニュービートらしさを打ち出したなかなかの出来。まぁ、贔屓目もありますけど、太田とも子さんがこの世に残した10曲(有沢とも子名義も含む)はいずれも聴き応え充分の名曲揃い。このシングルのB面「とおく群衆を離れて」は、映画「野良猫ロック・マシンアニマル」での朗々とした歌唱シーンがあまりにも素晴らしく、そのサントラヴァージョンはカラオケで歌うことさえできますよ(DAM限定)。
ここまで引っ張ったけどあとは、いつも通りのクラウンワールド。強いて言えば「わたしだけのもの」や「美しいヴィーナス」の、ニュービートらしい走った演奏が聴きごたえあり、といったところか。ドラムの響き的にはいつもよりファンク色が濃いな、という感もあり、「いつでもどうぞ」は特に顕著。よく聴くとギターがちょっとコケ気味なところもあるけど、ベースもゴリゴリいっていていい演奏だ。フルートは誰なんだろう、気になる。肝心の「素晴しい旅行」は、杉本喜代志盤の方がまだ走ってる印象。