森さん2曲目。面白いところを見つけにくい曲ではあるが、全ヴァージョンに共通しているのは「オリジナルより短い」ということだ(爆)。
5位
歌: 森進一
作曲: 猪俣公章
作詞: 深津武志/なかにし礼
編曲: 森岡賢一郎
69年4月15日発売/オリコン最高位1位(5週)
🅰スターライト・オーケストラ (編曲: 無記名) 21/4/28
ステレオセパレーションが明確にしすぎる「後年の録音」。このギターは好夫のようで好夫じゃないな…結構ぶっとい音を出しているし。
🅱ミラクル・サウンズ・オーケストラ (編曲: 池多孝春) 21/5/20
村岡さんと山内さんをフィーチャーしたアルバムに入っているが、両者とも登場せず、三味線がフィーチャーされている異色アレンジ。かなりの咽び泣きぶりだ。
🅲松浦ヤスノブ (テナー・サックス)/コロムビア・オーケストラ (編曲: 河村利夫) 21/5/29
77年発売の『KISSアルバム』に入っているので、マスタリング的に綺麗な音であるが、69年のオーセンティックな録音。むせび泣くヤスノブ印のテナーに続いて、完璧に好夫モードのギター。ノークレジットでも明白な音だ。
🅳テイチク・ニュー・サウンズ・オーケストラ (編曲: 山倉たかし) 21/6/9、22/3/26
これもノークレジットながら、松浦ヤスノブをフィーチャー。イントロの不安定なベースにかえって山倉テイストを感じ、スリリングな出来だ。繰り返される転調の中、あてもなくフリーフォームにメロディについて行くサックス。職人芸。
🅴ゴールデン・ポップス・オーケストラ (編曲: 森岡賢一郎) 21/7/9
セルフリアレンジなのでそこまで音律をいじっていないが、なかなか良質な録音で69年を感じさせない。こちらをKISSアルバムに入れてもよかったかも。
🅵吉岡錦正、吉岡錦英 (大正琴)/クラウン・オーケストラ (編曲: 福山峯夫) 21/7/14
「禁じられた恋」のように大胆に崩していない分、安心して聴ける。チージーなオルガンと大正琴のアンバランスさに刺激を感じる。
🅶ユニオン・シンギング・オーケストラ (編曲: 無記名) 21/8/1
シンギングヴァージョンが2つあるが、こちらはフルートを前面に出してファンシーに誘惑する異色ヴァージョン。天然色の雨傘をさす乙女が目に浮かぶこの曲はちょっと想像できない。間奏と3番にちょっとだけエディ・P印のギターが。
🅷いとう敏郎と’68オールスターズ (編曲: 福山峯夫) 21/8/2
大正琴ヴァージョンと明白な棲み分けがないのも不思議なクラウン本道ヴァージョン。律儀な3連ピアノに耳が向かう。
🅸荒尾正伸 (トランペット)/オールスターズ・レオン (編曲: 小谷充) 21/12/18
3連を排除したところがちょっと新鮮な小谷アレンジ。そのため、普通にブルース色が出ている。中央チャンネルに入っているギターが地味に健闘。キハーダで「禁じられた恋」テイストも少々(爆)。
🅹松浦ヤスノブ (テナー・サックス)/コロムビア・オーケストラ (編曲: 無記名) 22/2/14
🅲とは別録音。山田書院ヴァージョン故まったりしたテイスト。ちょっとコーラスかかり気味の鍵ハモ(クラビオーラか?)が気怠くリード、低音から高音まで大胆に駆け抜ける。松浦ヤスノブはイントロにしかいないっぽい(しかもアルトサックス)。
🅺鶴岡雅義 (レキント・ギター)/テイチク・レコーディング・オーケストラ (編曲: 福島正二) 22/3/10
名人がヒットアーティストとしてのライバルに挑む。山倉アレンジだったらなと思う瞬間もあるが、やはり味のあるプレイだ。
🅻ジョージ・ヤング (テナー・サックス) (編曲: 無記名) 22/4/3
イントロからテナー、フルート、ソプラノと巧みに吹き分けるジョージの力技。サウンド全体がシンプルな分、マルチ録音の技をフルに生かした印象。スコット・ウォーカーの意地が息子経由で伝わったようだ。
🅼アート・ポップス・オーケストラ (編曲: 柳田六合雄) 22/4/5
実質的にファイブ・サンズの録音。エレキ時代の名門もここではシンプルな演奏でムード作りに徹している。
🅽ゴールデン・サウンズ (編曲: 荒木圭男) 22/4/17
やっぱりゴールデン・サウンズが一番「普通」なんだな。鍵ハモで快活に奏でられ、付き合いやすいのは確か。シャープな録音で鍵盤のタッチもクリアに聴こえてくる。エンディングがちょっとお洒落。
🅾尾田悟 (テナー・サックス)/ザ・サウンズ・エース (編曲: 池田孝) 22/4/24
普通すぎるんだけど、ジャケットの風情に見合った音。絶えず鳴らされるライドシンバルの音が霧に似た印象を持ち込んでいる。随所にお洒落感覚が顔を出す。
🅿︎ジョージ高野とパーフェクト・サウンド・グループ (編曲: 福山峯夫) 22/5/17
クラウンとアプローチを変えてきている福山峯夫アレンジに、ジョージ・ヤング盤と対照的に手堅さに徹するジョージのプレイ。レーベルカラーの妙味が確かにある。
🆀松本英彦と彼のグループ・ウィズ・ストリングス (編曲: 無記名) 22/5/18
マイナーテープレーベル向けの録音。イントロが簡素化されているのが珍しい。この1曲で様々なテナーの名人が聴き比べできるのはなかなか勉強になる。
🆁羽鳥幸次 (トランペット)/ニュー・サン・ポップス・オーケストラ (編曲: M.Misaki) 22/5/27
76年の懐古録音。あのヤバすぎる「おもいで岬」の後に入っているので地味な印象だったが、こうしてこの曲だけ並べた中で聴くとなかなかの新鮮さだ。
🆂ユニオン・シンギング・オーケストラ (編曲: 池田孝) 22/11/10
冒頭で何が起こったのかと思惑させるが、すぐにスタンダードな本編に突入。ビリー・ヴォーン・タッチはそれほど浮いてはいない。
以上、19ヴァージョン (20枚収録)
おまけ: 謎のオーセンティック歌無ヴァージョン。こういうのが配信されたりしてるので油断できません。