黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

紅白歌無TOP40・第1幕

いきなりこの曲が来るとは思わなかった…

 

38位 (タイ)

神田川

歌: 南こうせつかぐや姫

作曲: 南こうせつ

作詞: 喜多條忠

編曲: 木田高介

73年9月20日発売/オリコン最高位1位 (7週)

 

 

🅰ゴールデン・ポップス (編曲: 小谷充) 21/4/2222/2/26 

無難ヴァージョン。メロトロン赤ちょうちんが同じアルバムに入っている故(しかもメロトロンズ小谷充アレンジだし)、過剰に期待してしまうんだけどね。ただ、右側から聞こえてくる女性コーラスに耳が洗われる。

🅱江川マスミ (編曲: 土持城夫) 21/4/26 

エレクトーン1台でやられるとどうしてもお嬢さん色が…三畳一間の温度感と程遠いものを感じる。

🅲田中明子とフローラル・ポップス’74 (編曲: 神山純) 21/6/5

こちらもお嬢さんのエレク…いやドリマトーン。若さ故にキラキラした部分を感じるけど、クラウン故に慎重にこなしているね。フルートがお嬢さん色をさらに助長。  

『イエスタデイ・ワンス・モア/白い恋人たち 電子オルガン・ポップス・コンサート』

🅳ありたしんたろうとニュービート (編曲: 青木望) 21/6/21、21/12/22、22/1/28

ありしんらしくないイントロ…ベースラインがちょっと捻ってるところがニュービートっぽいけれど、慎重に行ったと見せかけてBメロで結構大胆な方向に行っている。

🅴ホット・エキスプレス (編曲: 斎藤恒夫) 21/8/12、22/11/1 

ちょっとテンポが上がっているけれど無難ヴァージョン。Bメロをシンフォニックに飾っているところが際立ちポイント。

🅵ブルーナイト・オールスターズ (編曲: 小谷充) 21/8/30、21/10/29 

これも基本アレンジは🅰に準じているが、どこか侘しい。ブルーナイトのクレジットで聴くと違和感あるな。2番はフルートで洗い晒しの髪の質感。

🅶まぶち/いとう/ありた’68オールスターズ (編曲: 福山峯夫) 21/9/24 

始まりは場末色が濃いが、3大スターの共演らしくまさかの方向へ引っ張っていくアレンジ。Bメロでいきなり倍速になり、ドラムが炸裂。2回目のBメロは省略していて淋しい。

🅷サウンド・オブ・ドゥリーマース (編曲: 小谷充) 21/10/8 

イントロ2小節目後半のヴァイオリンに特徴が出ているのは、小谷アレンジの3ヴァージョンに共通している。レコ社毎に持ち味を微妙に変えているのが職人らしい。アコーディオンを入れて小粋に仕上がってるのがこれの特色。

🅸ニュー・サン・ポップス・オーケストラ (編曲: K.Kono、T.Ito) 21/12/2 

出た!戦慄のヴァージョン!こんなエレガントさと大胆さの同居をこの曲に振りかけられたら、過激だなという反応しかできない。この神田川御茶ノ水の高貴な学生街のカフェから見下ろす光景だ。

🅹いとう敏郎と’68オールスターズ (編曲: 福山峯夫) 21/12/29 

イントロにコルネットヴァイオリンを使い、驚くべきまったり感。クラウン故に慎重に行き過ぎたというところか。

🅺志賀清とストリングス・ロマン (編曲: 松井忠重) 22/1/19 

🅹以上にまったりしているヴァージョン。ヴァイオリンが主役のアルバムなのに、ここでは主旋律の導き役をギターに譲っている。

🅻奥田宗宏とブルースカイ・ダンス・オーケストラ (編曲: 山本有信) 22/4/29 

タンゴで踊らせます。三畳一間じゃとても無理…

🅼コロムビア・フォーク・アンサンブル (編曲: 池多孝春) 23/11/25

最後もまったり無難なサウンド。おさい銭も持ち合わせてなさそうなカップルのライフスタイルが目に浮かぶ…エレピの音もお洒落というより貧相。

 

以上、13ヴァージョン (18枚収録)。大賞は当然🅸に。これをまとめたところで、山内さんの琴ヴァージョンも手に入ったので、次回ランクはより上がりそうです…『かぐや姫ソングス・フォー』もあるし。