黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

紅白歌無TOP40・第2幕

トップアイドル、上位にもかなり来てそうですよ…

 

38位 (タイ)

虹をわたって

歌: 天地真理

作曲: 森田公一

作詞: 山上路夫

編曲: 馬飼野俊一

72年9月1日発売/オリコン最高位1位 (2週)

 

🅰ツゥイン・ギターズ/ワーナー・ビートニックス (編曲: 原田良一) 21/4/25、21/12/10

イントロからツゥイン・ギターズ印全開のさわやかサウンド。これは4chデコードして聴きたいね。Bメロでのミレニウムベースに耳が止まる。

🅱ヒット・サウンド・オーケストラ (編曲: 馬飼野俊一) 21/6/13、21/8/14

セルフリアレンジなのであくまでも慎重に、真理ちゃんの声もフルートとハーモニカに置き換えて清楚な感じ。オンマイクで息吹が伝わってくる。アコギのチューニングがちょっとずれていて残念。

🅲三笠輝彦/ブリリアント・ポップス77 (編曲: 小谷充) 21/7/1、21/11/25 

ビートニクス盤と比較すると意図的に軽くしている感じ。その割にサックスがワイルドな感触を出しているし、4小節目のコードが変わっていて起伏が緩む。

🅳伊部晴美オールスターズ (編曲: 伊部晴美) 21/8/18 

イントロのドラムがどのヴァージョンもあまり変わらないのに、その後の温度差がヴァージョン毎に大胆に違うのだ。これはギターの職人芸が目立つけど、全体的に軽い。随所で寛治フィルがさりげなく自己主張するのがポリドールらしい。

🅴奥田宗宏とブルースカイ・ダンス・オーケストラ (編曲: 岩井直溥) 21/9/11

大胆にテンポの変更はしていないが、いつものブルースカイモード。隣のお嬢さんを気軽に誘って踊る…わけに行かないだろうな。

🅵ありたしんたろうとニュービート (編曲: 青木望) 21/10/2、22/11/5

いきなりドラムが派手にパン。爽やかさの中に大胆なロック・フィーリングを持ち込み、ハードに攻めまくる。

🅶市原明彦/ワーナー・ビートニックス (編曲: 原田良一) 21/10/18、21/12/4

こちらもドラムを強調しているが、多少テンポアップしながらもボトムが強い。こちらはBメロでベースが暴走しまくり。

🅷小泉幸雄とクインテット (編曲: 小泉幸雄) 22/1/6

イントロのドラムの直後、チージーなオルガンで一気に落とす。この侘しい感じが意外に快感になるのだ。

喝采 エレクトーン・ムード・ニュー・ヒット歌謡14』

🅸ブルーナイト・オールスターズ (編曲: 土持城夫) 22/3/14

さらにテンポアップ。ラブリーなフルートをあしらいながら、軽い足取りで駆け抜ける。

🅹コロムビア・ニュー・ビート (編曲: 荒川康男) 22/5/1

アコギで爽やかにリズムを刻みつつ、洗練されたサウンド。荒川アレンジの狂気に満ちた部分の裏側を感じさせる。

🅺ゴールデン・サウンズ (編曲: 荒木圭男) 22/5/2

アルバムタイトル曲になっているのに、うきうきした感じが希薄…いかがわしさがある程度ないと、ゴールデン・サウンズらしさを感じないのだよね。

🅻宮沢昭/ミラクル・サウンズ・オーケストラ (編曲: 福井利雄) 22/5/10

これもうきうきした感じに戻してくれない。慎重すぎるサックスプレイが乙女っぽさと別方向に持っていってしまう。

🅼キャニオン・ポップ・サウンズ (編曲: 小杉仁三) 22/5/19

女性コーラスで爽やかな方向へ導いてくれる。奥行きのあるストリングスも虹っぽさをうまく出していて、いい幕切れ。

 

以上、13ヴァージョン (18枚収録)。どれをとっても『モーグサウンド・ナウ』に収録されている強烈なヴァージョンに及ばない印象…