ポリドール MR-3095
秋本薫のテナー・サックス 恋ひとすじ
発売: 1970年3月
A1 恋ひとすじ (森進一) 🅹
A2 恋狂い (奥村チヨ) 🅶
A3 愛の美学 (ピーター) 🅹
A4 私が死んだら (弘田三枝子) 🅼
A5 逢わずに愛して (内山田洋とクール・ファイブ) 🅻
A6 知らないで愛されて (佐良直美) 🅴
A7 帰りたい帰れない (加藤登紀子) 🅲
A8 新宿の女 (藤圭子) 🅴
B1 国際線待合室 (青江三奈) 🅹
B2 恋人 (森山良子) 🅿︎
B3 忘れた虹 (石原裕次郎)
B4 夜もバラのように (高田恭子)
B5 とまらない汽車 (中山千夏) 🅳
B6 恋人の讃歌 (ピンキーとキラーズ) 🅳
B7 予約 (岡田恭子)
B8 その時私に何が起ったの? (和田アキ子) 🅲
演奏: 秋本薫/ポリドール・オーケストラ
編曲: 川上義彦
定価: 1,700円
昨日のエントリでも秋本薫のアルバムの魅力に恋焦がれはしましたが、それと同時に手許に巡ってきたのがこの盤で、何よりもジャケットがいい。一糸纏わぬ姿を晒した写真とはいえ、芸術性の高さが現れていると魅力的としか言えなくなってしまうし、これはエロいとか率先して言う気もなくなります。でも、電脳空間上に晒せるか否かとなると、話は別。正に、「男をだめにする盤」の宝庫ですよね、歌無歌謡は。特にポリドールは。それを解ってか、7インチ6曲入り盤をも積極的に売ったんでしょうね。鞄に入れて持って帰れますからね。
しかしである。元の持ち主はそんなジャケットを目当てに買ったんでしょうか。自分が手にした盤は、「恋人」から「忘れた虹」(ちなみにこの2曲、作者コンビも同じなので兄妹関係にあるようなもの。確信犯的に続けましたね)にかけて、プレスエラーとしか思えない「丘」が発生しており、その部分で針飛びにならないのが不思議な位音にダメージが与えられている。なぜかグラモフォン盤に限ってあるあるなんですよね…(昨日触れた「涙でいいの」のケースは、恐らく放送局所有の盤だったため、シール貼りという処置がなされたと思われる) ただ、他の部分にもノイズが多いので、雰囲気作り盤として酷使されたかもしれないけど、そういう盤は返品してもいいと思うんですがね…
そんなこともあり、積極的に聴く気分が萎えるのだが、昨日のパヤパヤ満載盤を聴いた後だと、どうしても地味と言うか、普段のサックス・イージーリスニング盤モードから一歩先に歩んでない印象がある。なので、B面後半に固まった興味深い選曲にさっさと向かいたい。一応安全に再生はされるし。「とまらない汽車」も「恋人の讃歌」も、ピースフルなムードが場末感の後ろに隠れてしまっている印象で、その場を盛り上げる感触がいまいち欠けてる感じ。「予約」は激レアな選曲だけど、これは取り上げられただけでも有難い。ムーディな演奏がきっちりはまっているし、躍動感からうまく揺り返してくれる。B面「どんなふうに」のせいで神格化が強まっているレコードだけど、その曲の歌無解釈も聴いてみたいもの。下世話なサウンドで演るとぶち壊しになりそうだけど。最後にファンキーに決めて無事一件落着。
3年前の今日は「さわやかなヒット・メロディー」を取り上げたけど、その主題にはもう戻れそうもありませんよね。「どんなふうに」なんか、その楽器で奏でられるとさまになりそうだけど。