黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は橋幸夫さんの誕生日なので

クラウン GW-5079

時には母のない子のように 哀愁のギター・ムード

発売: 1969年6月

f:id:knowledgetheporcupine:20210502051209j:plain

ジャケット



A1 港町・涙町・別れ町 (石原裕次郎) 🅱

A2 夜明けのスキャット (由紀さおり)

A3 君は心の妻だから (鶴岡雅義と東京ロマンチカ) 🅱

A4 涙の季節 (ピンキーとキラーズ)

A5 君からお行きよ (黒沢明ロス・プリモス)

A6 ブルー・ライト・ヨコハマ (いしだあゆみ) 🅱

A7 初恋のひと (小川知子) 🅱

B1 時には母のない子のように (カルメン・マキ)

B2 京都・神戸・銀座 (橋幸夫) 

B3 七色のしあわせ (ピンキーとキラーズ)

B4 みんな夢の中 (高田恭子)

B5 不思議な太陽 (黛ジュン)

B6 グッド・ナイト・ベイビー (ザ・キング・トーンズ)

B7 風 (はしだのりひことシューベルツ) 🅱

 

演奏: いとう敏郎と’68オールスターズ

編曲: 福山峯夫

定価: 1,500円

 

クラウン歌無歌謡の3大帝王といえば、もう一人はやはりギターのいとう敏郎。やはりクラウン以外での活動は殆ど伝えられず、誰かの変名疑惑ってのも考えられないのだが、手堅く上手く出しゃばらずで、閃きが最重要だった歌無歌謡アルバム制作に於いては重宝されやすい人材だったのだろう。「好夫節」にこそ歌無歌謡ギターの醍醐味を感じる宗内にとっては、何も考えたくない時にこそ聴きたくなるのがこの人の演奏。「艶」まぶち・「動」ありた両氏の脇役としても最も適任な人。そんな「第三の男」の弦さばきで聴かせる69年春あたりのヒット集。

🅱マークがついた曲は本ブログで2回目の登場だが、結局このあたりの曲に関しては物凄い数のヴァージョンが手元に集まった。そんな中でも無色で手堅い演奏で固められているのがこのアルバム。こじんまりとしたコンボ演奏で、ほんのりと雰囲気作り。レア曲もない故、特徴が見つけにくいのが語り甲斐を削いでしまってるけれど、ノスタルジアに浸るには丁度いい。本日誕生日・橋さんのB2はTOP10ヒットとなった筒美作品。アーバンな雰囲気で揺れるいい演奏だ。