東宝 AX-2028~9
演歌大全集 Vol.3
発売: 1974年8月
A1 うそ (中条きよし)
A2 愛ひとすじ (八代亜紀) 🅱
A3 なみだの操 (殿さまキングス) 🅲
A4 うすなさけ (中条きよし)
A5 夜空 (五木ひろし)
A6 さらば友よ (森進一)
A7 夢を抱く女 (ぴんから兄弟)
A8 しのび恋 (八代亜紀) 🅱
B1 くちなしの花 (渡哲也) 🅳
B2 襟裳岬 (森進一) 🅲
B3 なみだ恋 (八代亜紀) 🅲
B4 夫婦鏡 (殿さまキングス)
B5 紅い花 (五木ひろし)
B6 別れの鐘の音 (五木ひろし) 🅱
B7 わかれ花 (渡哲也)
B8 冬の旅 (森進一) 🅱
C1 女のみち (宮史郎とぴんからトリオ) 🅱
C3 出船 (内山田洋とクール・ファイブ) 🅱
C4 あなたの灯 (五木ひろし)
C5 望郷 (森進一)☆
C6 霧の出船 (五木ひろし)
C7 女のゆめ (宮史郎とぴんからトリオ)
C8 夜の走り雨 (森進一)
D1 女のねがい (宮史郎とぴんからトリオ)
D2 ふるさと (五木ひろし) 🅱
D3 港の別れ唄 (内山田洋とクール・ファイブ)☆
D4 長崎から船に乗って (五木ひろし)☆
D5 おんなの涙 (八代亜紀)
D6 港町ブルース (森進一)☆ 🅱
D7 くちべに怨歌 (森進一)
D8 男泣き (内山田洋とクール・ファイブ)
演奏: 村岡実 (尺八)、山内喜美子 (琴、京琴)/ミラクル・サウンズ・オーケストラ
編曲: 福井利雄、池多孝春(☆)
定価: 3,000円
今日が宗内の誕生日というのは「うそ」ではないのですが、こんな日に『演歌大全集』ですよ…しかも「和楽器」カテゴリが初登場。純和風サウンドが強調されてると思いきや、ミラクル・サウンズらしいキレのあるリズムセクションと奥行きのあるサウンドは健在。いつものようにエモーショナルなプレイを繰り広げる鍵ハモやオルガンに導かれ、名手・村岡実先生の息遣いが炸裂します。
実際やってみるとほんとよく解るのですが、尺八で非トラディショナルな音楽を奏でるのって難しすぎ。演歌だからって、伝統的な和旋法に則っているとは限らないし、感情の入れ方にしても近代的な思考が必要とされる。その点、村岡氏が繰り広げているのは、超ポピュラーの最前線的アプローチだと思うのですよ。このアルバムはその分、付き合いやすい。バックのアレンジが軽めなのが功を奏してるし、原曲の多くにそれを許容する器の大きさがあるから。息の長い演歌スタンダードを多数生んだ70年代の心意気が伝わってきます。
「しのび恋」や「別れの鐘の音」は、既に取り上げたミラクル・サウンズ盤とアレンジを使い回ししているものの、完全なる別録音。それらを聴き比べると解るけど、こちらのヴァージョンの方が重厚にサウンドを築き上げており、特に後者は音壁並みにエコーとコンプレッションが強烈。尺八の存在感を余計際立たせるには有効な処置なのかも。池多氏アレンジの5曲はサウンド的に質感が違うので、恐らく時期的に古い録音と思われます(原曲のヒット時期も考えて)。篠笛のような音も聴かれるし。「港町ブルース」は三味線がリードをとり、尺八も琴も入ってないが、自然に迷い込んだのでしょうか。
もう一人の主役、山内喜美子さんに関しては、これからその偉業が次々に語られる予定です…何せ村岡さん絡みのレコードの価値、めちゃ上がっていてこれ以上語れそうもないので…