黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

1968年、今日の1位は「星影のワルツ」

クラウン GW-5046

花と蝶 哀愁のアルト・サックス・ムード

発売: 1968年10月

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ジャケット(裏)



A1 花と蝶 (森進一) 🅲

A2 小樽のひとよ (鶴岡雅義と東京ロマンチカ) 🅱

A3 城ヶ崎ブルース (黒沢明ロス・プリモス)

A4 札幌ブルース (青江三奈) 🅱

A5 星を見ないで (伊東ゆかり) 🅲

A6 星影のワルツ (千昌夫) 🅱

A7 神様の恋人 (水前寺清子)

B1 釧路の夜 (美川憲一) 🅱

B2 思案橋ブルース (高橋昭とコロ・ラティーノ) 🅱

B3 新宿そだち (大木英夫・津山洋子) 🅱

B4 たそがれの銀座 (黒沢明ロス・プリモス)

B5 恋のときめき (小川知子) 🅱

B6 伊予の女 (北島三郎)

B7 星のフィアンセ (西郷輝彦)

 

演奏: サイトウ・タツヤ’68オールスターズ

編曲: 福山峯夫

定価: 1,500円

 

テナーサックスが真夜中のエロスの咆哮なら、アルトサックスは何なんだろう…エレガントな蝶の舞いだろうか。いずれにしても、ジャズ色が強い演奏になると、演歌とかブルースの持つムードに妙はまってしまう。そんな音を主役に、クラウンのいつもの歌無歌謡モードでお送りする68年の大人のヒットソング集。アダルトなのにどことなく高貴な、そんな感じで統一されている。サイドを固めるチェンバロが妙に耳に残るせいか。まさかの思案橋ブルース」「新宿そだち」でさえ、その効果は絶大。サックスの音も、所々に野性味を出し、優雅一辺倒に終わっていない。

発売から2年、しかもB面からの大逆転で奇跡のヒット曲となった「星影のワルツ」を筆頭に、星に関する曲があと2曲。伊東ゆかり「星を見ないで」は、こうして歌無歌謡ヴァージョンをいくつも聴いた末、重要曲であることに気づかされるなど。その心は、この曲を山倉たかし氏が料理したヴァージョンを語る際、じっくり掘り下げる予定です(わかる人はわかったかな?) もう一曲は、西郷輝彦のGS路線曲の中でもあまり語られる機会がない「星のフィアンセ」。いい曲なんですけどね。思えば「星のみずうみ」や「星になりたい」もこの頃だし、やはり時代は2001年への憧憬に満ちていたのかな。

ジャケット掲載、例によって「裏の方が好きなので」のパターン。表がやばすぎて載せづらいという場合、大抵裏にも同じ写真を使ってたりしますからね、特にクラウンは。それ1枚しか買いたいブツがないという時めちゃ萎縮するの必至。なので童謡のレコードとかが増えるんですよ(ここで改めて「はじめに」をコピペしておきますが、ジャケットを軸とした作品選出・寸評は決して行いません) (但し例外もあるかも…汗)。