クラウン GW-5039
涙/あなたと夜とミュージック
発売: 1968年9月
A2 マイ・ダーリン東京 (城野ゆき) 🅱
A3 星を見ないで (伊東ゆかり) 🅳
A4 恋はオールデイ・オールナイト (佐良直美)
A5 青い月夜 (奥村チヨ)
A6 愛の園 (布施明) 🅲
A7 ゆうべの秘密 (小川知子) 🅴
B1 恋のときめき (小川知子) 🅲
B2 想い出のブルー・レイン (鹿内タカシ)
B4 星影のワルツ (千昌夫) 🅳
B5 叱らないで (青山ミチ)
B6 好きと云ってよ (水原弘)
演奏: テディ・池谷クィンテット
編曲: テディ・池谷
定価: 1,500円
クラウンの歌無歌謡のサイドディッシュとでも呼ぶべきコンセプトアルバム的シリーズ、「あなたと夜とミュージック」の第6弾。当時の最新歌謡ヒットにモチーフを求めつつ、高度な音楽的雰囲気作り技で見事にラウンジミュージック化。本当の意味での夜のパートナー的存在に相応しい。名曲「そっとおやすみ」を手掛けたテディ・池谷の本気が炸裂している。まぁ、ちょちょいだったんだろうけど、実際の制作現場は。
ムードコーラスの外枠が大胆に解体されての「たそがれの銀座」に続いては、カルトなヒロイン城野ゆきの「マイ・ダーリン東京」。5月15日に続き2回目の登場で、クラウンも相当推しまくったようだ。こちらでのムーディな解釈の方が、曲本来の魅力を浮き彫りにしている感じ。「星を見ないで」はすっかり重要曲になってしまったけど、ここでは2コーラス目からグルーヴ感を取り入れてのアレンジ。クラシカルに舞いまくるピアノと、淡々と盛り上げるパーカッションが、全体のノリの基盤を作り、メランコリックな都会の夜のムードに誘う。まさかの「星影のワルツ」までもが、ここでは切ない逢引きのBGMに仕立てられている。この音楽で落とされた女子って、当時はかなりの数いたんでしょうな。「東京ロマン」は隠れた名曲。
やっと、前半のターンに来ました「黄昏みゅうぢっく」ですが、一旦まとめということで、上半期紹介したアルバムの中から「勝手にベスト10」を選び、本日の締めとさせていただきます。
1. ひとりっ子甘えっ子/ザ・サウンド・メーカーズ (4/1)
メロトロンミステリーその1。当ブログの基本哲学。
2. 襟裳岬/ザ・サウンズ・エース (4/9)
メロトロンミステリーその2。心に突き刺さる氷柱の感触。
3. 太陽がくれた季節/山内喜美子とオーケストラ・プラッツ (7/23)
琴が醸し出すサイコで眩しいサイケデリア。
4. 雨/宇都宮積善、ビクター・オーケストラ (6/13)
暴れるグルーヴにも制御仕切れない我が道を行きまくる大正琴。
5. わたしの宵待草/クリスタル・サウンズ (7/16)
乙女心を忠実に再現するリコーダーの響きその1。
6. 花嫁/石松元、田中清司、ユニオン・オール・スターズ (8/11)
嫁いでいく花嫁の心も知れず暴走するファズとドラム。
7. 悲しみよこんにちは/小山岳、小出道也、ヒット・サウンド・オーケストラ (4/14)
乙女心を忠実に再現するリコーダーの響きその2。
8. 知床旅情/石松元、田中清司、ユニオン・オール・スターズ (8/11)
知床の岬に素足で踏み込むミシシッピー・クイーン。
9. 素足の世代/エマノンストリングス楽団 (6/12)
さわやかな音の群れがバランスよく配される純情サウンド。
10. 夢追い酒/レッド・ポップス・オーケストラ (6/11)
飲み屋のねーちゃんコーラスの真髄。
浅田美代子3曲という事態はなんとか避けられたが、青い三角定規が2曲というのは予期できませんでした…まだ語っていない凄いトラックも目白押しなので、下半期もどうかよろしくお願いします。