黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は片平なぎささんの誕生日なので

ミノルフォン KC-81

最新ヒット歌謡

発売: 1975年4月

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ジャケット



A1 湖の決心 (山口百恵) 🅰→5/13

A2 私鉄沿線 (野口五郎) 🅰→5/13

A3 はまなすの旅 (西崎みどり)

A4 この愛のときめき (西城秀樹) 🅰→5/13

A5 哀愁のレイン・レイン (チェリッシュ) 🅱→5/13

A6 純愛 (片平なぎさ)

A7 哀恋記 (五木ひろし) 🅰→5/13

B1 春のめざめ (森昌子)

B2 ひとり歩き (桜田淳子) 🅰→5/13

B3 たんぽぽ (太田裕美) 🅰→5/13

B4 白い部屋 (沢田研二) 🅰→5/13

B5 浮草の宿 (殿さまキングス) 🅰→5/13

B6 片隅のふたり (麻生よう子)

B7 黄昏の街 (小柳ルミ子) 🅰→5/13

 

演奏: ブルーナイト・オールスターズ&ストリングス

編曲: 福井利雄、神保正明

定価: 1,800円

 

我が永遠のアイドル「なぎ」を讃える回です。歌手としての活動を本人は封印したがってるようだけど、初期の頃からただものではない期待が寄せられ、歌無歌謡界でも最低4回、その曲がカバーされている。「頬にかかる涙」を収録した『ピアノ・ムード2』のライナーに記された「片平なぎさは大柄な美人」というもろな論評には笑うしかないが…

ここで取り上げられた「純愛」はそのデビュー曲で、売上的には最大のヒットを記録。純愛すぎて絶望感が露呈してしまうほどの懸命な乙女心を、ここではファンシーな音色使いで堅実にインスト化。「オリーブの華麗な青春」あたりが歌無歌謡界で取り上げられてたらと期待してしまうのだけど。

その曲以下、75年春のヒット曲をずらっと取り上げているこのアルバムだが、14曲中10曲が8月リリースされた2枚組『最新ヒット歌謡BEST30』に流用されており、そちらを5月13日に先に語ってしまったため、あまり語り残したことがない(爆)。ここでしか聴けない4曲はいずれも女性歌手の中ヒット規模の曲なので、他の曲と比べてしまうとどうしても地味に感じてしまうけど、「春のめざめ」のBメロのリコーダーはやはり純情満点という感があり貴重。やはり「私鉄沿線」「ひとり歩き」のイントロで聴ける過剰なエフェクトギターが、全体のトーンを決定づけていると言える1枚だ。アレンジャーにクレジットされた二人の役割分担がどうなっているかは未知数だけど、東宝のミラクルサウンズで確立された福井氏のアレンジからは、確実に一歩踏み出している印象。この先ブルーナイトのクレジット周りは、さらに謎めいた傾向が強まるのである…