黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は坂上香織さんの誕生日なので

ミノルフォン KC-80

‘74最新ヒット歌謡 

発売: 1974年8月

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ジャケット+盤



A1 浜昼顔 (五木ひろし)Ⓐ 

A2 恋のアメリカンフットボール (フィンガー5)Ⓑ 

A3 ひとり囃子 (小柳ルミ子)Ⓐ

A4 今日も笑顔でこんにちは (森昌子)Ⓑ

A5 うすなさけ (中条きよし)Ⓐ 🅱

A6 恋と海とTシャツと (天地真理)Ⓐ

A7 灰色の瞳 (加藤登紀子長谷川きよし)Ⓐ 🅱

A8 夫婦鏡 (殿さまキングス)Ⓑ 🅱

B1 ポケットいっぱいの秘密 (アグネス・チャン)Ⓐ

B2 君は特別 (郷ひろみ)Ⓑ 

B3 二人でお酒を (梓みちよ)Ⓐ 🅴

B4 黄色いリボン (桜田淳子)Ⓑ

B5 虹の架け橋 (浅田美代子)Ⓑ

B6 グッドバイ・マイ・ラブ (アン・ルイス) 🅱

B7 隣りの二人 (けい子とエンディ・ルイス)Ⓑ

B8 わかれ花 (渡哲也)Ⓐ 🅱

 

演奏: ブルーナイト・オールスターズ

編曲: 京建輔Ⓐ、土持城夫Ⓑ

定価: 1,800円

 

70年代歌無歌謡全盛期の曲をシングルでカバーしている場合は、80年代アイドルの誕生日も盛大にお祝いしちゃいますよ、というわけで今日はブルーナイト・オールスターズの過渡期の一枚、74年のヒット曲集をお届け。ちょっと際どい水着ガールのジャケですが、個人的にはイラスト路線になってからのブルーナイトに余計魅力を感じてるので…と言えども、これはこれで魅力的なところもある。「ひとり囃子」は「禁じられた恋」を進化させた、というか郷愁色を強めたみたいな曲で、寧ろ今になってから良さに気付くような。さりげなく入っているリコーダーに、もっと前に出てきてとお願いしたいアレンジである。対して「今日も笑顔でこんにちは」はお祭り色が強すぎて、今じゃ正当に省みられてないような。この種の曲は堀ちえみの「Wa・ショイ!」位ぶっ飛んでくれないとね。フルートが清涼感を醸し出すアレンジはなんか不釣り合いな感じ。「夫婦鏡」はやはり、水谷公生&トライブの衝撃的ヴァージョン(本来、同曲が4週連続1位の1週目を記録した15日に語るはずでしたがお流れに…もう少々お待ち下さい)を前にすると、他のやつが全部蒼ざめますね。B面はのっけから「ポケットいっぱいの秘密」、めちゃがんばってるヴァージョンです。ファンキーに盛り上げる「君は特別」もいいけど、中盤のガーリー曲連発はもうちょっとラブリーさが欲しかった気も(ええ、あの音が足りない…汗)。恒例の自社推し枠にはピンキラから派生したユニット、けい子とエンディ・ルイスの通好みの曲「隣りの二人」が。フルートを中心にポップにこなしているけれど、さりげなく入るディストーションが軽くかかったエレピに耳を奪われる。これも平尾昌晃作品…なんだけど、「グッドバイ・マイ・ラブ」を最後に持ってきて、平尾2連発ですっきり締めて欲しかったという感もある。最初と最後って、意外に肝心なんですよ、歌無歌謡のアルバムでも。めちゃ印象が変わる場合ありますから。