黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は大川茂さん (赤い鳥、ハイ・ファイ・セット)の誕生日なので

CBSソニー 15AH-443

フォーク&ニューミュージックベスト20

発売: 1978年4月

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ジャケット



A1 迷い道 (渡辺真知子) 🅱→4/29

A2 冬の稲妻 (アリス) 🅰→9/4

A3 シャドー・ボクサー (原田真二)

A4 わかれうた (中島みゆき)

A5 案山子 (さだまさし)

A6 酒と泪と男と女 (河島英五) 🅱→8/28

A7 あなただけを (あおい輝彦) 🅱

A8 ワインカラーのときめき (新井満) 🅰→8/28

A9 我が良き友よ (かまやつひろし) 🅱→5/10

A10 「いちご白書」をもう一度 (バンバン) 🅲→5/10

B1 冬が来る前に (紙ふうせん) 🅰→4/29

B2 逆光線 (Char)

B3 雨やどり (さだまさし) 🅰→8/28

B4 どうぞこのまま (丸山圭子) 🅱→5/10

B5 あの日にかえりたい (荒井由実) 🅲→5/10

B6 わかって下さい (因幡晃) 🅱→5/10

B7 フィーリング (ハイ・ファイ・セット) 🅲→5/10

B8 青春時代 (森田公一とトップギャラン) 🅱→5/10

B9 心もよう (井上陽水) 🅲→5/10

B10 シクラメンのかほり (布施明) 🅲→5/10

 

演奏: クリスタル・サウンズ

編曲: 無記名

定価: 1,500円

 

前年に続き、発足10周年を迎えたCBSソニーが再び放った廉価盤シリーズ「ゴールデン・スペシャル1500」の1枚。わざわざ「フォーク&」を付け足しているのが蛇足感ありありだけど、前年の盤(5月10日紹介)より若干カラフル感を増したラインナップ。といっても9曲はそこからのリピート収録だし、それ以外の曲も既発売のクリスタル・サウンズの盤から使い回ししているものが殆ど。やはり全部追わないと詳細な調査は不可能だな、ということで当ブログ初出となるのは5曲のみ。全体の流れからすると、気軽に付き合えるいつものクリスタルものなのだけど、傾向が統一されてるとやはり物足りない感がある。お洒落感が幾分か薄められた感じで具象化されている「シャドー・ボクサー」のフルートの軽妙な音には安心せずにいられないけど、エンディングのコーラスは未消化感が拭えないな。当時はほんと、その斬新なポップ感覚に衝撃を受けたものです、原田真二の。「わかれうた」オーボエがリードをとっているが、折角なのでもっとブレスを派手に入れてほしかった。まぁインスト盤では邪道ですが…もっと凄いヴァージョンがこの曲にはありますからね。あと、Charの曲が登場するのは珍しい。「気絶するほど悩ましい」とか、ありそうでないんですよね、歌無ヴァージョンが。

アレンジャーが無記名になってますが、「雨やどり」は当然武市さん編曲ヴァージョンを流用してます。二次使用料ってちゃんと払われたのだろうか…このジャケ、「シャドー・ボクサー」からの連想だと思うけど、結果的にアリス「チャンピオン」に通じる世界になっちゃってる気がしますね(同曲は78年12月の発売である)。背文字が「フォーク&ミュージックベスト20」になってるのも笑える。