クラウン GW-3207~8
盛り場ヒット曲集ベスト36 カメレオン・アーミー 北国の春
発売: 1979年2月
A1 カメレオン・アーミー (ピンク・レディー)Ⓐ 🅱
A3 君のひとみは10000ボルト (堀内孝雄)Ⓒ 🅱
A4 昔の名前で出ています (小林旭)Ⓓ 🅰→4/3
A5 おゆき (内藤国雄)Ⓔ 🅳
A6 絶体絶命 (山口百恵)Ⓒ 🅰→4/3
A7 LOVE [抱きしめたい] (沢田研二)Ⓐ
A9 みずいろの雨 (八神純子)
B1 夢一夜 (南こうせつ)Ⓑ 🅱
B2 きみよ荒野へ (森進一)Ⓐ
B4 おまえに (フランク永井)Ⓑ
B5 お店ばなし (増位山太志郎)Ⓐ 🅰→4/3
B6 くちなしの花 (渡哲也)Ⓔ 🅶
B7 夢追い酒 (渥美二郎)Ⓐ 🅴
B9 透明人間 (ピンク・レディー)Ⓑ
C2 与作 (北島三郎)Ⓑ 🅰→4/3
C3 季節の中で (松山千春)Ⓒ 🅱
C5 時には娼婦のように (黒沢年雄)Ⓑ 🅰→4/3
C6 そんな女のひとりごと (増位山太志郎)Ⓔ 🅰→4/3
C7 ダーリング (沢田研二)Ⓒ 🅰→4/3
C8 ウォンテッド [指名手配] (ピンク・レディー)Ⓐ 🅲
C9 東京ららばい (中原理恵)Ⓑ 🅰→4/3
D2 ブルー (渡辺真知子)Ⓒ 🅰→4/3
D5 花街の母 (金田たつえ)Ⓕ 🅴
D6 愛の終着駅 (八代亜紀)Ⓑ 🅱
D7 プレイバックPart 2 (山口百恵)Ⓒ 🅰→4/3
D8 サウスボー (ピンク・レディー)Ⓐ 🅰→4/3
D9 モンスター (ピンク・レディー)Ⓑ 🅰→4/3
演奏: クラウン・オーケストラ
編曲: 井上忠也Ⓐ、久冨ひろむⒷ、神山純Ⓒ、小杉仁三Ⓓ、湯野カオルⒺ、山路進一Ⓕ
定価: 3,000円
1979年はクラウン歌無歌謡の歴史に一旦ピリオドが打たれた年であり、定期的にリリースされていた最新ヒットシリーズ以外にも、集大成的企画がいくつか出ていたのだけど、例によって発売サイクルが短すぎるため、完全なるリリース状況が掴めずじまい。とにかく、安く出た時にものにするしか手がないのだけど、例によってヴァージョン重複に悩まされる、というわけで。ここでも14曲、5つ前の番号の『絶体絶命・ヤマトより愛をこめて』と重なってます(4月3日参照)。
「盛り場ヒット曲集」と銘打たれてはいるけれど、いい気になったおっさんがほろ酔い気分で歌いそうな曲ばかりと思ったら甘い。のっけからピンク・レディーの当時の最新曲「カメレオン・アーミー」だし、PLの曲は相当前の「ウォンテッド」まで選曲されている。子供世代に受けが良かったからというより、彼ら自身も好んで歌ってたのでしょうかね(爆)。かと思えば、ニューミュージック系もいくつか選曲されているし。一昨日取り上げた「演歌ヒット・メロディー」に「青葉城恋唄」が入っていて、浮いているというより爽やかに余韻を残していたのだけど、ここでは自然に溶け込んでいる感じだ。過激なディストーション・ギターが脇を固める「カメレオン・アーミー」と、爽やかにリコーダーで奏でられる「君のひとみは10000ボルト」に挟まれているから当然だけれど、そこを越えると、恐らくクラウン歌無盤で30回以上リサイクルされたと思われる「昔の名前で出ています」をきっかけに、一気に場末モードへと傾斜する。同じく、何回も収録されまくっている「おまえに」はここで当ブログ初登場になるけれど、弦楽四重奏に導かれるまさかのエレガント・ヴァージョンだ。これも普通に歌無歌謡の枠組みで録音されたもののはずだけど、その存在感は孤高で、曲そのものの永遠性を見事に描ききっている。「クラウン・オーケストラ」名義を代表する名演だと思う。「ガンダーラ」はバスーンとフルートという異色の組み合わせで奏でられ、新鮮なイメージ。サビメロで1オクターブ飛躍するところに鮮やかさを感じる。「季節の中で」もリコーダーが活躍するけど、当時はその音が代弁しそうなアイドルの歌が鳴りを潜めていた時期だから、逆説的に侘しさを感じさせるなぁ。最後の3曲に付け焼き刃感は否めないけど、盛り場のムードが伝わってくる2枚組。