黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日はイルカさんの誕生日なので

クラウン GW-3101~2 

ビッグ・ヒット歌謡ベスト36 わかって下さい/君は悲しみの

発売: 1976年7月

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ジャケット

 

A1 愛の狩人 (平田満)Ⓐ

A2 つくり花 (森進一)Ⓑ 🅰→6/15

A3 赤いハイヒール (太田裕美)Ⓐ 🅱→6/15

A4 未来 (岩崎宏美)Ⓑ 🅰→6/15

A5 君は悲しみの (イルカ)🅰→6/15

A6 陽ざしの中で (布施明)Ⓐ 🅰→6/15

A7 ビューティフル・サンデー (ダニエル・ブーン)Ⓑ 🅰→6/15

A8 ひとり旅 (佐良直美)Ⓐ

A9 わかって下さい (因幡晃)Ⓐ 🅲→6/15

B1 北の宿から (都はるみ)Ⓐ 🅲→6/15

B2 恋岬 (小柳ルミ子)Ⓑ 🅰→6/15

B3 道草 (小椋佳)Ⓐ 🅰→6/15

B4 春うらら (田山雅充)Ⓒ 🅰→6/15

B5 風になりたい (川村ゆうこ)Ⓐ

B6 ダスティン・ホフマンになれなかったよ (大塚博堂)Ⓐ 🅰→6/15

B7 恋のシーソー・ゲーム (アグネス・チャン)Ⓐ 🅱→6/15

B8 話相手 (麻生よう子)Ⓐ

B9 およげ! たいやきくん (子門真人)Ⓐ

C1 東京砂漠 (内山田洋とクール・ファイブ)Ⓐ 🅰→6/15

C2 淋しい天使 (内藤やす子)Ⓒ 🅰→6/15

C3 さよならの夏 (森山良子)Ⓐ

C4 ウインクでさよなら (沢田研二)Ⓑ 🅰→6/15

C5 愛に走って (山口百恵)Ⓒ 🅱→6/15

C6 オー・マリヤーナ (田中星児)Ⓐ 🅰→6/15

C7 裏切者の旅 (ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)Ⓐ 🅰→6/15

C8 20才の微熱 (郷ひろみ)Ⓑ 🅱

C9 さくらの唄 (美空ひばり)Ⓐ 🅱

D1 ふたりづれ (八代亜紀)Ⓐ 🅰→6/15

D2 夏にご用心 (桜田淳子)Ⓑ 🅱→6/15

D3 翳りゆく部屋 (荒井由実)Ⓐ 🅲→6/15

D4 春一番 (キャンディーズ)Ⓒ 🅱

D5 愛の始発 (五木ひろし)Ⓐ 🅰→6/15

D6 なごり雪 (イルカ)🅲→6/15

D7 おまえさん (木の実ナナ)Ⓒ 🅰→6/15

D8 陽かげりの街 (ペドロ&カプリシャス)Ⓐ 🅱

D9 まちぶせ (三木聖子)Ⓐ 🅱

 

演奏: クラウン・オーケストラ

編曲: 安形和巳Ⓐ、神山純Ⓑ、久富ひろむⒸ

定価: 3,000円

 

本来昨日取り上げるはずだったポリドール盤と同月発売、14曲が重なるという76年夏のヒット集だけど、こちらはさすがクラウン盤だけあって選択基準が若干緩め。ちょっと前の曲は早々と捨てて、新しめの要注意曲を方々から拾ってきている印象。もっとも、77年以降のクラウンの傾向からするとこのポリシーは信じがたいのだが(何せ、ピンク・レディーのシングル曲が4曲以上平然と同居してたりするし)。この盤だと、両面ヒットである田中星児の2曲を別にすると、2曲選曲されているのは自社推しのイルカだけで、なごり雪の次作故「君は悲しみの」は特に推したかったんでしょう。

と言っても、翌月発売された『霧のめぐり逢い/愛の渚』を亜星さんを偲ぶ回で先に取り上げてしまい、そちらに25曲もキャリーオーバーされてしまったため、なんか新鮮味に欠ける。というわけで、残り11曲が焦点になるのだけど、1曲目に「愛の狩人」を持ってきた意図が読めない…いくらネタ曲とは言え、景気づけには力不足という感じもするのだけど、『霧の~』で復活した「木綿のハンカチーフ」でも全開した女性コーラスのがんばりが、この曲を全く別の境地に導いているのは特筆事項。職人スタジオシンガーという感じがしないし、かと言ってスクールメイツっぽさもないし、一体どんな人達が起用されていたのだろうか気になる。カムバック曲と言える「ひとり旅」「さよならの夏」もあれば、フォーライフの女性新人第1号・川村ゆうこの話題曲「風になりたい」もありで、期待感に満ちた選曲だが、次の月のアルバムで外された儚い運命に同情するしかない。そんな中でも「まちぶせ」を取り上げた先見の明は鋭い。せこいアレンジではあるが、石川ひとみ盤ともそんな大差ない仕上がりで、永遠のスタンダードとしてはこの盤の中軸においても違和感ないな。ここでも女性コーラスががんばっているけど、オクターブユニゾンしたりして新鮮な響きではあるが、「愛の狩人」に比べると弱いな…むしろさくらの唄での幽玄さに、この盤での「歌唱賞」を与えたいと思う。というわけで、件のポリドール盤はいつかこっそり(主にジャケットのせい…Twitterで一旦フラグを立てたのに…)紹介しますね。昨日誕生日を祝うはずだった田山雅充さんの「春うらら」、幸いこの盤にも入っていたな。