クラウン GW-3205~06
ビッグ・ヒット歌謡ベスト36 カサブランカ・ダンディー カメレオン・アーミー
発売: 1979年2月
A2 みずいろの雨 (八神純子) 🅰→9/18
A3 きみよ荒野へ (森進一) 🅰→9/18
A4 モンスター (ピンク・レディー) 🅰→4/3
A5 グッド・ラック (野口五郎)
A6 与作 (北島三郎) 🅰→4/3
A7 君のひとみは10000ボルト (堀内孝雄) 🅱→9/18
A8 そんな女のひとりごと (増位山太志郎) 🅰→4/3
A9 サウスポー (ピンク・レディー) 🅰→4/3
B2 夢一夜 (南こうせつ) 🅱→9/18
B4 おまえに (フランク永井) 🅰→9/18
B5 絶体絶命 (山口百恵) 🅰→4/3
B6 花街の母 (金田たつえ) 🅴→9/18
B7 ブルー (渡辺真知子) 🅰→4/3
B8 ウォンテッド [指名手配] (ピンク・レディー) 🅲→9/18
B9 東京ららばい (中原理恵) 🅰→4/3
C3 透明人間 (ピンク・レディー) 🅰→9/18
C4 ANAK [息子] (杉田二郎)
C6 おゆき (内藤国雄) 🅳→9/18
C7 お店ばなし (増位山太志郎) 🅰→4/3
C8 プレイバックPart 2 (山口百恵) 🅰→4/3
C9 ドール (太田裕美) 🅰→4/3
D1 夢追い酒 (渥美二郎) 🅴→9/18
D3 季節の中で (松山千春) 🅱→9/18
D4 カメレオン・アーミー (ピンク・レディー) 🅱→9/18
D6 昔の名前で出ています (小林旭) 🅰→4/3
D7 LOVE [抱きしめたい] (沢田研二) 🅰→9/18
D8 時には娼婦のように (黒沢年雄) 🅰→4/3
D9 ヤマトより愛をこめて (沢田研二) 🅰→4/3
演奏: クラウン・オーケストラ
編曲: 井上忠也Ⓐ、久冨ひろむⒷ、神山純Ⓒ、小杉仁三Ⓓ、湯野カオルⒺ、山路進一Ⓕ
定価: 3,000円
時代と共に駆け抜けた、というか無茶して時代の歩みに寄り添ったとしかいえないクラウンの「歌のない歌謡曲」の歴史にピリオドが打たれたのが、このレコードの発売によってである。その後は専らカラオケのレコードで、歌無歌謡で得たノウハウを生かすことになるわけだけど。なんか切なくなる。もう少しがんばってもらって、「魅せられて」とか「君は薔薇より美しい」とか、沢田聖子の「キャンパススケッチ」とかの演奏盤を聴きたかった、という思いはあるけど(爆)。
この黙示録的な盤の曲目を見ると、同じ月に出た『盛り場ヒット曲集ベスト36 カメレオン・アーミー 北国の春』と、なんと32曲も重なっている。こちらの盤と重なっていないのは「くちなしの花」「ダーリング」「林檎殺人事件」「愛の終着駅」の4曲で、こちらには代りに「グッド・ラック」「ANAK(息子)」「ドール」「ヤマトより愛をこめて」が収録されている。いくらなんでも…かつてのクラウンみたいに、視野をもうちょっと広くと言いたくもあるけど、予算の問題とか色々あったんだろうなと。こちらは100円とかで売られるとついつい買ってしまうのみだから、ちょっとした悔しさしか感じないのだけど、いずれにせよクラウンのヘヴィユーザーなんて概念はなかったんでしょうな、作り手の中にも。
「ドール」「ヤマトより愛をこめて」は前年9月の2枚組『ビッグ・ヒット歌謡ベスト36 絶体絶命・ヤマトより愛をこめて』からのリピート収録なので(他にも同様の例が12曲もあるし、「昔の名前で出ています」に至っては最低でも30回、リピート使用されているはず)、辛うじてここでしか聴けないと思われる曲は「グッド・ラック」「ANAK(息子)」の2曲だけということになる(と一旦書いたが、実は両曲とも前年12月新譜『君のひとみは10000ボルト・いい日旅立ち』GW-3201~2で初出済みだった。もう全く…)。前者が悔しいほどの名曲故、こちらも悔しくなってしまうんだけどね。その後に「与作」を入れて落とすところが、クラウンのS振りを思い切り露呈している。
こんなダブりだらけの盤故に、危うくここで語るのを回避しそうになってしまったけど、かえってこういう例も取り上げておかないと。ある意味反面教師だからね。それにしても、「おまえに」は滲みる解釈だな。クラウンのどの盤で聴いても。