クラウン GW-8099~100
ビッグ・ヒット歌謡ベスト32 ごめんね・おもいでの長崎
発売: 1971年9月
A1 ごめんね (小林旭)Ⓐ 🅰→2/21
A2 おもいでの長崎 (いしだあゆみ)Ⓐ 🅵→2/21
A3 さよならをもう一度 (尾崎紀世彦)Ⓑ 🅵→8/16
A4 長崎から船に乗って (五木ひろし)Ⓐ 🅶→2/21
A6 お嫁にゆくなら (安部律子)Ⓐ 🅱
A7 想い出おんな (美川憲一)Ⓑ 🅰→8/16
A8 17才 (南沙織)Ⓒ 🅲→8/16
B1 愛の巡礼 (藤圭子)Ⓐ 🅲→2/21
B3 砂漠のような東京で (いしだあゆみ)Ⓑ 🅴→8/16
B4 涙は明日に (ジローズ)Ⓐ
B5 天使になれない (和田アキ子)Ⓒ 🅴→8/16
B6 いつもなら (朝丘雪路)Ⓑ 🅱→8/16
B7 ひとりの旅 (あおい輝彦)Ⓐ 🅱
B8 真夏の出来事 (平山三紀)Ⓒ 🅱
C1 港の別れ唄 (内山田洋とクール・ファイブ)Ⓐ 🅳→2/21
C2 雨の日のブルース (渚ゆう子)Ⓐ 🅵→2/21
C3 ふたりだけの旅 (はしだのりひことクライマックス)Ⓑ 🅲→8/16
C5 さらば恋人 (堺正章)Ⓒ 🅲→8/16
C6 たそがれ・港町 (瀬川瑛子)Ⓐ 🅰→8/16
C7 棄てるものがあるうちはいい (北原ミレイ)Ⓑ 🅳
C8 愛の泉 (トワ・エ・モワ)Ⓒ 🅳→8/16
D1 おふくろさん (森進一)Ⓐ 🅲→8/16
D3 ドリフのツンツン節 (ザ・ドリフターズ)Ⓑ
D4 恋仁義 (藤圭子)Ⓐ 🅲
D5 自由に歩いて愛して (PYG)Ⓒ 🅱
D6 みちのく小唄 (藤圭子)Ⓑ
D7 雨がやんだら (朝丘雪路)Ⓐ 🅴
D8 夏の誘惑 (フォーリーブス)Ⓒ 🅱
演奏: まぶち・ゆうじろう’68オールスターズⒶ
いとう敏郎と’68オールスターズⒷ
ありたしんたろうとニュービートⒸ
編曲: 福山峯夫
定価: 2,400円
遂に最終コーナーに突入する「黄昏みゅうぢっく」!1年間続けるとハッタリをかました挙句、実際11ヶ月、休むことなく続けてきました。最後に残した31枚も決してペースを落とさず、慎重に語っていきたいと思います。その先には、新たなハッタリが待ち受けているかもしれません…
さて、「ごめんね」と言えば、どうしても「歌え~水のように~」で始まる、少女合唱団をフィーチャーしたCMでおなじみ同名の清涼飲料水を思い出します。このCMを数十回繰り返して録画したビデオテープがどこかに残ってるはず(瀧汗)。宗内もDJとして参加した、宗内の母体と愉快な仲間が21年前開催した初のDJイベント「さわやか革命」でも、過激なギターサウンドが続くエンケンのライブ録音を追う形でこのCMソングを流し、「緊張と緩和」の一言を頂いたことも忘れられないし…こんな異常なコントラストこそが、宗内の母体の表現精神の根底にずっと流れているものなのです。が、ここでオープニングを飾るのは、当然小林旭の同名曲の方。オリコンで最高21位を記録するヒットになってはいますが、トップに持ってくるなんて、いくら自社と言えども推しすぎ。カラフルな曲が各種溢れる71年夏のヒット集ですが、確かに景気付けにふさわしい曲はあまりないような。どの曲をトップに配するかが、各メーカーのカラーを決定づける重要点という気がしますね。
既に紹介した1枚もの2種、『川の流れのように』『火の女・おもいでの長崎」と重なっている曲がかなりあるけど、違うテイクを採用した曲もあるので、初登場は11曲。それも終盤に集中している。安定のクラウン3種盛りで安心して当時の場末カラーを体感でき、スパゲティミートソースでも味わいながら長閑に聴きたいセレクションだ。1枚目は、例の短すぎる「よこはま・たそがれ」や、爆走する「17才」などおなじみのヴァージョンもあるが、「真夏の出来事」は特筆しておきたい。コロムビアの稲垣次郎ヴァージョンほどではないが相当テンポダウンしており、フルコーラス演ると6分には達しそう。しかし、1コーラス終わると直ちにドラムの聴かせどころ(ベース入り)に突入し、あっさり最後に向かう。それでも3分半と、かなり長い。テンポを落とした分、スムーズにドラムの魅力が伝わる演奏だが、「知っていた」のところの演奏がこけ気味になるのがちょっと惜しい。「棄てるものがあるうちはいい」の選曲はいいが、「さだめのように川は流れる」のクラウン版も聴きたかったなぁ。
最後の初登場曲目白押しパートでは、やはりみんな大好き「自由に歩いて愛して」に注目。三笠ブリリアントポップス盤に続く2度目の登場だが、ドラムを軸にしたダイナミックな演奏故、こちらの方が遥かに使えるし、ニュービートの脂の乗ったところが最も味わえる。もうちょっとハードなギターをというのは高望みすぎだろう。この曲がまったり演奏される藤圭子の2曲に挟まれるという構成がまたスリリングで、実に喫茶店向きだ。「おもいでの長崎」で(ほぼ)始まり、「夏の誘惑」で終わるというのがいかにも黒魔術で気が利いているけど、「また逢う日まで」で締めるのもよかったかも。「ローリング・ストーンズは来なかった」の歌無盤をクラウンが作らなかったの、実にもったいない…