黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は森本和子さんの誕生日なので

コロムビア ALS-4533 

昨日のおんな/波止場女のブルース

発売: 1970年8月

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ジャケット

A1 昨日のおんな (いしだあゆみ) 🅵

A2 愛は傷つきやすく (ヒデとロザンナ) 🅵

A3 酔いどれ女の流れ歌 (森本和子) 🅴

A4 わたしだけのもの (伊東ゆかり) 🅴

A5 ネオン街ブルース (真木七奈) 🅲

A6 風に消えた恋 (賀川貴之)

A7 思いがけない別れ (小川知子) 🅴

B1 波止場女のブルース (森進一) 🅶

B2 笑って許して (和田アキ子)

B3 くやしいけれど幸せよ (奥村チヨ) 🅳

B4 自由の女神 (黛ジュン) 🅲

B5 いつでもどうぞ (佐川満男) 🅱

B6 夏よおまえは (ベッツイ&クリス) 🅳

B7 ふりむいてみても (森山加代子) 🅵

 

演奏: 稲垣次郎 (テナー・サックス、フルート)、木村好夫 (ギター)/新室内楽協会

編曲: 河村利夫

定価: 1,500円

 

最後の1ヶ月、なぜかコロムビア盤が沢山残ってしまいました…誕生日とかを基準に日程を練っていると、自然にそんな成り行きになっちゃったわけで。スタンダードな歌無歌謡のアルバムというイメージですが、やっぱりびきゃくばんざいですね、それだけで相当点数が甘くなります(瀧汗)。

稲垣・木村・河村の組み合わせで多数の盤を乱発しまくっていた安定期のアルバムで、やはり自社組に重きを置いている。移籍してきたばかりの伊東ゆかりがいれば、ビクターに移った途端復活ヒットを出してしまった森本和子への「古巣リベンジ」もあり、落ち着いた選曲と演奏の中から色々と人間模様が浮かび上がってきます。「愛は傷つきやすく」は8月、1ヶ月に渡って1位を独走したのですが、昨年「歌謡フリー火曜日」を設定して、その火曜日とオリコンチャートの発表日が重なってしまった故、1970年4月~12月のNo.1ヒットに対しては全く追えてなかったのです。その前半は藤圭子の独走状態でしたけど…故に、歌無ヴァージョンも豊富に残されてますが、さすが本家故安定した扱い。「酔いどれ女の流れ歌」は、チージーなオルガンの音に古巣の怨念めいたものが表れている。激推しの「ネオン街ブルース」は実に3度目の登場。そこまで推したのに、半年後に改名&移籍とは。なんという歌謡ドラマだ…(昨年5月7日参照)。続く「風に消えた恋」はレア選曲で、オリジナル歌手の探索に苦心したけどいい曲だ。河村氏にとってはよくある、自作曲のセルフリアレンジ版。A面はどのヴァージョンも外さない「思いがけない別れ」で締め。昨年亡くなった偉人を偲ぶ個人的歌無歌謡ミックスには、この曲を5ヴァージョン選曲しました(汗)が、このヴァージョンは惜しくも外れた…悪くないのだけど、もう一つの好夫ヴァージョンの方が好きなので。稲垣さん叫びすぎだし、エンディングが惜しい…

B面はあまり特筆点がないが、「笑って許して」は意外にも初登場だ。昨年「CDリリースもないのに…」云々のアキ子発言が物議を醸した時、それに抗議する形で和田アキ子オンリー歌無ミックスをDJイベントでやろうと画策していたが、コロナの影響で水の泡に…まぁ、いつかやるとは思いますが。いつとは言いません(瀧汗)。「古い日記」の東宝盤さえ手に入ればなぁ…