黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

今日は毛利まことさんの誕生日なので

アトランティック L-6088A

華麗なるミラクル・ギター・ベスト・ヒット20 恋は燃えている/白樺日記

発売: 1973年9月

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ジャケット

A1 恋は燃えている (欧陽菲菲) 🅰→21/4/1

A2 胸いっぱいの悲しみ (沢田研二) 🅼

A3 白樺日記 (森昌子) 🅰→21/4/1

A4 人間模様 (金井克子) 🅰→21/4/1

A5 ひとりっ子甘えっ子 (浅田美代子) 🅹

A6 海鳥の鳴く日に (内山田洋とクール・ファイブ) 🅰→21/4/1

A7 十五夜の君 (小柳ルミ子) 🅹

A8 恋する夏の日 (天地真理) 🅰→21/4/1

A9 裸のビーナス (郷ひろみ) 🅰→21/4/1

A10 涙の太陽 (安西マリア) 🅰→21/4/1

B1 色づく街 (南沙織) 🅰→21/4/1

B2 ぎらぎら燃えて (山本リンダ) 🅰→21/4/1

B3 忍ぶ雨 (藤正樹)🅰→21/4/1

B4 サヨナラの季節 (毛利まこと)

B5 ふるさと (五木ひろし) 🅷

B6 草原の輝き (アグネス・チャン) 🅺→10/23

B7 ジェット最終便 (朱里エイコ) 🅰→10/23

B8 君の誕生日 (ガロ) 🅰→21/4/1

B9 くちべに怨歌 (森進一) 🅴→10/23

B10 哀しい少女 (ジャッキー吉川とブルー・コメッツ) 🅰→10/23

 

演奏: ツゥイン・ギターズ/ワーナー・ビートニックス

編曲: 原田良一

定価: 1,800円

 

ワーナー・ビートニックスの1枚ものリリースとしては最終作にあたるのが、このアルバム。安定のツゥイン・ギターで快調に突っ走るものの、この続きがなかったことを思うと、非常にメランコリックな響きを伴ってしまう…「神田川」や「あなた」をこのサウンドで聴きたかったところ…だが、続きがなかったというと嘘になる。聴き進むに従って、えっこれでいいのかという感想が次々と浮き彫りになるのだ。それも、別のアルバムに対しての。

オープニングの「恋は燃えている」(毎度毎度、1曲目の選択はペースセッターぶりを最重要視していて憎めない)から、快調に飛ばしつつも既聴感が見え隠れ。その先にも同じ感想を抱かせる曲があって、ふとトリオ盤『魅力のマーチ・小さな恋の物語』に回帰する。このブログの最初の1枚に選んだやつだ。それを聴いていて、この1年間ですっかり耳についたツゥイン・ギターズのサウンドが次々に現れる。結果、その収録曲の内11曲が、このアルバムで既に出ていたことに気付くのである。更に「裸のビーナス」「君の誕生日」は、ツゥイン・ギターズの前作『恋する夏の日・草原の輝き』が初出。ややこしいですね…「サヨナラの季節」を除く今日初紹介の4曲も、トリオの2枚組に入っていたが、そちらはモーグをフィーチャーした別ヴァージョンが選ばれており、その出所も別のワーナー・ビートニックスのアルバムなのだ。この話は、後日じっくりと…

それら4曲の中の一つ「ひとりっ子甘えっ子」のせいで、必要以上にステータスが高まりすぎた『魅力のマーチ・小さな恋の物語』だけど、つまるところワーナー・ビートニックスのマテリアルを再利用しただけだったわけで(73年のうちに他社からリリースされた事情は、容易に知れる範囲内にないだろう)、結局はワーナー・ビートニックス万歳という結論に導かれるしかない。トリオも、歌謡市場に本格参入というタイミングで、あれ以上歌無歌謡に関わることをやめたのもしょうがないか。まぁ、そんな「ひとりっ子甘えっ子」の、ここで聴けるヴァージョンも悪くはない。そこまで強烈なツゥイン・ギターズ色を出さず、キーボードを多用して侘しい雰囲気を強調している(当然メロトロンは不使用…爆)。でも、こちらがトリオ盤に採用されていたら、その後400枚以上歌無盤を買い集めることもなかっただろうけど…それだけあのヴァージョンが強烈だったんだよ(瀧汗)。こんなアルバムにも、他の歌無盤には絶対選曲されてないと思われるレア曲「サヨナラの季節」がある。カラフルなアレンジで盛り上げる隠れた名演だ。ミノルフォン盤を始め、冒険的なアレンジが多い「ふるさと」も、ツゥイン・ギターズらしい工夫が効いている。「あー誰にも~」のパートを一切端折ってるのは不可解だけど。

1年前、このブログを始めた時には知るよしもなかったあれこれが見えてきて、やっぱ表に出られないことにちょっとは感謝してもいいかな、と思った。でも、表に出たい。歌無歌謡を聴いて飲み明かしたい…そしてみんなで奏でたい…