テイチク BL-1022
バッキー白片のニュー・ヒット歌謡ベスト10 花嫁
発売: 1971年
A1 花嫁 (はしだのりひことクライマックス) 🅼
A2 女の意地 (西田佐知子) 🅷
A3 ざんげの値打ちもない (北原ミレイ) 🅱
A4 京都慕情 (渚ゆう子) 🅴
B1 さいはての女 (藤圭子) 🅲
B2 抱擁 (ヒデとロザンナ) 🅱
B3 めまい (辺見マリ) 🅲
B4 誰もいない海 (トワ・エ・モワ) 🅷
B5 望郷 (森進一) 🅷
演奏: バッキー白片とアロハ・ハワイアンズ
編曲: バッキー白片
定価: 1,000円
中3日でバッキー再登板。延長戦に入りばしばし投げていただきますよ、というわけで今度は71年初頭のヒット集。BEST&BESTシリーズでコンパクトに、高音質で味わえるクールサウンド。1曲目の「花嫁」から、全くテイストの異なるイントロを添え、新婚早々リゾートで迎える朝を思わせるイメージ。ユニオン盤の破壊的なムードの真逆を狙ったさわやかさの中、ボリュームコントロールを巧みに使ったオルガンが不安感を映し出す。「女の意地」ではドラマティックなストリングスを導入。ムード・コーラス曲である同曲の出自を明確にしている。「ざんげの値打ちもない」もストリングスが厚く包み込み、抱擁感を上げているが、やはりオルガンの使い方に原曲の絶望的ニュアンスを投影している。「京都慕情」はまさかのジャンプ・ナンバーへと変貌、その温度を保ちつつ「知床旅情」にひとっ飛び。まさか、ここまでの南国感をこの曲から引き出すとは。こちらもユニオン盤の異常な展開とは好対照といえ、異色なことに変わりはない。B面ではよりシンプルなサウンドが展開されているが、「誰もいない海」は文字通り誰もいなくなったリゾート地の空虚な感じを、さわやかさを残したまま表現。ストリングスの導入が新たな次元を引き出し、内省的ニュアンスさえも感じさせるバッキーの新境地だ。相変わらず、メロディーこなしは職人芸としか言えない。