細野晴臣さんの誕生日は7月9日
ポニー 28P-6234 (カセット)
最新ヒット歌謡20
発売: 1983年
A2 高気圧ガール (山下達郎)
A4 ちょっとなら媚薬 (柏原芳恵) 🅱
A5 シャワーな気分 (田原俊彦)
A6 真夏の一秒 (近藤真彦)
A7 夏色のダイアリー (堀ちえみ)
A8 1/2の神話 (中森明菜) 🅱
A9 ストロータッチの恋 (河合奈保子)
B1 晴れのちBLUE BOY (沢田研二)
B2 う、ふ、ふ、ふ、 (epo) 🅱
B3 夢・恋・人 (藤村美樹) 🅱
B4 ロマンス (郷ひろみ)
B5 春なのに (柏原芳恵) 🅱
B6 Sing a Song (松山千春) 🅱
B8 ミッドナイト・ステーション (近藤真彦)
B9 ピエロ (田原俊彦)
B10 愛の中へ (渡辺徹)
演奏: THE GALAXIANS
編曲: 無記名
定価: 2.800円
今回のアンコール月間でも、カセットテープで出たアイテムをいくつか取り上げますが、密かに巻き起こるカセットブームの中、オークションに出す業者さんも益々販売に力を入れているようで。流石にまとめ買いとなると抵抗があるけれど、1本単位で買う場合、LPを買うのに比べると送料の負担率が低いというのも手伝って、たとえ内容に見合うMBが設定されてなかろうが、ついつい手が伸びる。甘い誘惑なんですよね。本当は70年代までのマイナーレーベルものや、ポニーやアポロンのレコードで出てない音源のものがまとめて出てきたら、狂喜乱舞して本気になりたいんですけど。80年代のものにだって、それなりに魅力はあります。
まだポニーキャニオンになる前の(しかし、82年に初登場したPCマークはちゃんと記載されている)ポニーが発売したこの83年盤(?)も、興味深い時代背景を物語ってくれる。この、携帯カセットプレイヤーを模したようなパッケージひとつとっても、70年代の場末感を脱し、80年代むすめのバッグや机の引き出しの中に常駐しているアイテムというニュアンスが出ている(裏のデザインは、当時ちょっと流行っていたオープンテープを模したスタイルのカセット本体が覗いているというもの)。歌詞カードを見ながら、憧れの男性アイドルの姿に恋い焦がれ、女子アイドルの歌を複雑な思いで口ずさんだり、笛で吹いたりしてたんでしょうね。未だ、カラオケが若者の道楽に程遠かった時代のお話。といえども、「はじめにカラオケありき」的なコンセプトで、このテープが作られているのは間違いない。バックの演奏はどれをとっても、オリジナルに近づけられているし、シンセやギター、あまり場末臭くないサックスなどで奏でられているメロディーもわかりやすい音量で歌メロに忠実に、若者の予習精神に寄り添ってくれている。
最新ヒット歌謡と言えども、のっけからYMOの「君に、胸キュン」(例によってタイトル表記はものすごく簡素化されている)だもの。それだけで掴みたくさせてしまいます。そこまでテクノ色を出していない演奏が、やはり黄金の歌無歌謡モードで憎めないですね。その次が「高気圧ガール」ときたから余計やられる。せこいながらも人声の魅力を前面に押し出し、失礼な解釈ではない。エンディングがちょい不安定だけど…。以下、アイドル王道曲を畳み掛けるが、「夏色のダイアリー」や「秘密の花園」で聴けるフルートの響きが精一杯の乙女っぽさを醸し出していていい感じ。この辺になると、やはり生楽器の演奏は音大生バイトが中心になってきてるんでしょうかね。「晴れのちBLUE BOY」のコーラスも然り、その辺にいたお兄ちゃんを集めてきたような感じだ。「ロマンス」は歌無歌謡に限れば当ブログ最多、3つ目の同名異曲(「雨」も歌謡以外2種類あり)登場で、これは「禁じられた遊び」がモチーフになっている郷ひろみの曲。「春なのに」は2コーラス目にハーモニカが登場するが、これはリコーダーで聴きたかった曲だな…
残念ながら「探偵物語」には間に合わなかったし、しばらくすると(後の)ポニキャンには無敵の存在・チェッカーズが登場するので、この続きが聴きたいという思いが捨てきれないけど、甘酸っぱい季節、83年春に思いを馳せられる一本(そういえば、自社ネタなのに「恋は春感」が入ってないぞ…)。写真の中で、あの頃のマドンナは未だに微笑んでくれている…(汗)。しかしこのグループ名、バンナム(当時は違うか)に何も言われなかったのが不思議…