黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

お菓子食って涙が出そう

Lily LC-5342 (カセット)

売行バツグン!! ヒット歌謡大特集

発売: 1978年

ジャケット+テープ

A1 乙女座 宮 (山口百恵) 🅲

A2 愛の條件 (八代亜紀) 🅲

A3 二十才前 (岩崎宏美) 🅲

A4 UFO (ピンク・レディー) 🅶

A5 ひとり歩き (小柳ルミ子) 🅳

A6 カナダからの手紙 (平尾昌晃・畑中葉子) 🅳

A7 ブーツを脱いで朝食を (西城秀樹) 🅱

A8 微笑がえし (キャンディーズ) 🅵

B1 サムライ (沢田研二) 🅲

B2 甘ったれ (森進一) 🅳

B3 追いかけてヨコハマ (桜田淳子) 🅳

B4 わかれうた (中島みゆき) 🅴

B5 沈丁花 (石川さゆり) 🅲

B6 そんな女のひとりごと (増位山大志郎) 🅷

B7 い・に・し・え (日暮し)

B8 今夜は気取って (布施明) 🅱

 

演奏: 白川純一郎とブルーバーズ・オーケストラ

編曲: 無記名

定価: 1,200円

 

唐突に、宗内の母体の音楽活動の話になりますが、9月19日に川越のレレレノレコードさんにて開催された「川越ビーチ」なるイベントにDJとして呼ばれて、その副産物というかこっちがメインだったのですけど、バンドの同志・ふぅさんのフジツボ演奏」という特殊なスキルをフィーチャーする生演奏タイムを設けて、その第2部の最初の曲として「UFO」を選曲したのですよ。DJからシームレスに入れるようにということで、手持ちの盤の中からカラオケとして使えそうなものを流すことにして。『カラオケレコード 青春のうた』とヨーカドーの盤のどちらかという選択肢がありましたが、前者の方が使い勝手が高かったし、ノリノリで演奏することができました。

そのヴァージョンに比べると、このカセットに収録されている「UFO」はカラオケ用途には全く不向き。その代わり、パチ歌謡インストとしての語り甲斐がありありです。やはり、シンセで遊んでみたかったんでしょうかね。間奏になってその変な色気がやけっぱちさに転換してしまい、笑うしかなくなるし、その一方でギターがはりきってメロディーを奏でまくっていて、後ろの演奏もノリノリ。ピンク・レディーになり切るためには不向きだけど、これぞパチ歌謡の醍醐味。「地球の」の「の」の音の外しっぷりに、ギターの人も当惑を隠せない様子が現れている。

訳わからないレーベルにしては、かっちりとオーケストラ・サウンドも捉えられているし、その出所はどこなのかという疑問もあるけれど、メジャー作品のようなカラフルさが欠如してるのには物足りなさも。「サムライ」のコーラスとか、適当に引っ張ってきたねーちゃん達が本気を出したような響きで憎めないけど。で、このテープ最大の買いポイントは、なんと言っても「い・に・し・え」の選曲!大好きな日暮しの一応大ヒット曲。オリジナルの幽幻さにかなりいい感じで肉薄しているし、メジャーが手を付けなかったのは不思議だ。フルコーラス演奏されてないのが惜しいけど。完全収録50分ってののメリットは何だったんだ…