黄昏みゅうぢっく〜歌のない歌謡曲に愛をこめて〜

昭和40年代の日本大衆文化の重要構成要素、「歌のない歌謡曲」のレコードについて考察します。

スキャットマンのいない世界で…

コロムビア KW-7020

歌謡ヒット速報

発売: 1974年2月

ジャケット

A1 恋の風車 (チェリッシュ) 🅰→21/4/22

A2 魅せられた夜 (沢田研二) 🅰→21/4/22

A3 ときめき (麻丘めぐみ)☆ 🅰→21/4/22

A4 ひとかけらの純情 (南沙織) 🅰→21/4/22

A5 禁じられた遊び (山口百恵) 🅲

A6 モナリザの秘密 (郷ひろみ) 🅴

A7 一枚の楽譜 (ガロ)☆  🅰→21/4/22

B1 恋の雪別れ (小柳ルミ子) 🅰→21/4/22

B2 突然の愛 (あべ静江)☆ 🅰→21/4/22

B3 恋のダイヤル6700 (フィンガー5) 🅰→21/4/22

B4 襟裳岬 (森進一) 🅱→21/4/22

B5 恋は真珠いろ (浅田美代子) 🅳

B6 花物語 (桜田淳子)☆ 🅰→21/4/22

B7 愛の十字架 (西城秀樹) 🅰→21/4/22

 

演奏: ゴールデン・ポップス

編曲: 山屋清、河村利夫(☆)

定価: 1,500円

 

過去紹介した盤と14曲中11曲も重なっているアルバムを紹介するのも気が引けるのだけど、本当のことを言うと全曲重なっているのだ…その特殊な事情故、引っ張り出す価値があるアルバムとしたのだけど、その心は一昨年10月11日に紹介した怪盤『ゴールデン歌謡スキャット。そのアルバムと本作は同時発売されているのだけど、あちらの盤でスキャットがあしらわれているトラックの「純インスト」を集めたものがこのアルバムで、言ってみればYMOの『浮気なぼくら』に9年先んじていた、みたいなもの。だけど、いずれにも異なる層を惹きつける要素があったのだろうか。こちらのジャケットは当時のコロムビアらしくエレガントでクリーンだし。そして、曲順も見事なまでに入れ替えられている。

それで終わればよかったのだけど、禁じられた遊び」「モナリザの秘密」「恋は真珠いろ」を除く11曲が、『’74ヒット曲総覧』に入れられてしまったので、価値激減。というか、あちらの方の元となった盤が集まれば問題ないのだけど。特にメロトロンを導入した4曲に「初出盤」があれば熱望したいのだが…この盤には個別アレンジャークレジットが添えられていないので、そちらの2枚組のデータを参照にしたが、そちらに流用されていない3曲に関しては、聴いた感じでは山屋清氏の仕事と推測するしかない。「モナリザの秘密」なんか、なかなか派手に盛り上げているし。ただ、一昨年4月22日にその2枚組を取り上げた時は、メロトロン使用曲の印象が強すぎて、他の曲に全く言及してない。始めてから3週間後だったから、そこまで本気になる術を知らなかったのかも(汗)。「一枚の楽譜」なんてかなり熱いのに。ただ、『ゴールデン歌謡スキャット』版のやばさの前では、やはり普通に聴こえてしまうのかもね。「恋は真珠いろ」は期待してしまうけれど、やはりブルーナイトのリコーダー版には勝ちようがないですね。結局、あの2枚組があれば充分という結論になりましたね。